30 / 142
宿屋の料理をプロデュース
しおりを挟む
翌日、シンジュはいつも通りに目が覚めた。日の出と共に目が覚めるのが当たり前になってしまった。ただ昨日と違いとても静かで、お酒を飲んでいるドワーフ達はいない。
祭りの影響で鍛冶場や鉱山が休みのようだ。シンジュは久しぶりにゆっくりと静かな時間を過ごすことが出来た。
それから昨日よりも早く起きたエメと一緒に顔を洗い朝食へ向かった。『今日は強引な受付ドワーフがいなくてよかった。』と2人で目配せし、同じ角に座った。
食事を待っていると大柄なドワーフが食事を運んできた。
「昨日はあまり食べれてなかったようだけど、美味しくなかった?」
誰??ハテナマックが浮かび疑問に思っていると「ごめんごめん。俺さこんな見た目だけどドワーフだからびっくりするよな。」
いやいやいや確かにびっくりするけれど、大柄なドワーフとはもうすでに対面済みです。それよりも貴方が誰ですか?名前を知りたい···
突っ込みたい気持ちを我慢して、「あの、貴方は誰でしょうか?」
「あ!俺?見ての通りドワーフだよ!」
言葉が通じないやつ···なに?大柄なドワーフさんは言葉が通じないのかな??
「うん。ドワーフってわかる。なまえ!!ぼくはエメ!お兄ちゃんは?」
エメ君ナイスな発言!!!
「名前か?知りたいのか?俺はボリスだよ!この厨房で見習いやってんだ!料理長がさ、厨房でメソメソしててさ、人間は俺の料理が不味いのか?ってうるさいことうるさいこと、だからさ味どう?」
すると「ごらぁーーー」と奥から怒鳴り声が聞こえたかと思うと、、、目の前のドワーフさんが殴られた。
「おめぇなに恥ずかしいこと言ってんだ?俺の秘密を暴露してんじゃねぇ」
「だってさ料理長聞けないだろ?聞いてやったのに酷いぜ!でも人間なんて初めてみたから気分がいいぜ!」
「ふっざけんなーおれぇおれぇ恥ずかしい」モジモジ
漫才???私達ご飯が食べたいな。
エメにご飯を食べよう?と目配せし、テーブルの上にある物を見るとやはり肉の塊と朝はマッシュポテトが添えられていた。
エメは昨日に引き続き肉にフォークをさしながら食いちぎり、シンジュは肉を切ろうとしたが結局無理だったためマッシュポテトを食べた。
うん。やっぱりマッシュポテトだと思っけど、塩とバターの量が異常で···食べられない。
2、3口食べるとそのままエメにあげるのだった。
それを見ていた料理長とボリスが「「これもだめか?」」と声を揃えていった。
言われたシンジュは言葉に詰まった。
ドワーフが美味しいと言っている食べる物を否定して良いのか···
逆にエメはそのやり取りを見て昨日のようにワクワクした。
シンジュ様にかかれば『きっと何でもすごくなる』とウキウキしてシンジュを見つめた。
3人からの鋭い視線を受け降参したシンジュは「まずい」とはっきり答えると、料理長と弟子は崩れ落ち、エメは『やっぱり』と思った。
「どどどどどこがまずいのか教えてくれぇ?鉱山都市1の宿屋の飯がまずないてどうすりゃいいんだ?」と絶望の表情を見せた。
ハァ~とため息を吐き「これは何の料理?味付けは何を使っているの?」と淡々と質問をした。
「あぁ、これは肉を塩とバターで焼いたやつだ。んでぇ芋は茹でて塩とバターと香草を混ぜた。ドワーフ人気No.2だな。1番は昨日の夜に出した肉を塩と香草で焼いたやつだ。あれは酒と合わせると最高だぞー!」ガハハハ
それを聞いたシンジュはそうだろうなぁと思った。
「まずね、肉は焼きすぎてカチカチで人間の私には噛み切れない。肉の下処理が下手なの?だから臭いを誤魔化すために香草を使ってるの?香草をあれだけ使っているのに臭い···あとただ焼いているだけ?筋や脂の下処理はどうしてるの?芋は茹でて軽く塩とバターをかけるだけでいいよね?なぜわざわざ大量の塩を使うの?塩分が濃すぎる。そして芋は茹でてる割には硬いのはなんで?半生·········聞いてる?」
シンジュは淡々と30分も話し続けていた。
途中朝食を食べに来た獣人があまりの不思議な光景に帰っていた。なぜなら大人のドワーフが正座し涙を流しながら人間の小娘の話を一生懸命聞いていたからだ。
「ぅうん聞いていたんだがな、俺らドワーフは頭が良くねぇ。だがな好きなことには命を賭ける。お嬢さんの話を聞いて俺は感動した···肉は焼けば旨いと思っていたが、お嬢さんは情熱がすごいなぁ。肉に焼き方や塩味の量だったか?かければかけるだけ旨いと思ってたぞ。」
「あぁ俺も料理長の言うとおりだ。俺はドワーフなのに鍛冶場のスキルがなくて鍛冶師に慣れなかった。だから料理長に弟子入したのだが皆にバカにされて···料理なんか誰にもできだろうと言われてその通りだと思っていた。だかお前に話を聞いて料理の深さ?っていうやつなのかな。すごいと思ったぜ。俺に料理を教えてくれて。」
『うっわぁー』面倒くさい状況になってどうやって逃げようか考えてると、「シンジュ様はね、すごーく忙しいからだめ。作っても1つだけ。そのほかは、ぼくだけのもの」と思わずムッとしたエメが答えた。エメは心のなかでシンジュに拍手を送っていた。本当にすごい人だな···とだからこそ取られたくない。
エメの予期せぬ援護により大変な状況になるのは防げたが、それでも1品作るのか···今日は鉱山ギルドに行きたかったな~と思った。
祭りの影響で鍛冶場や鉱山が休みのようだ。シンジュは久しぶりにゆっくりと静かな時間を過ごすことが出来た。
それから昨日よりも早く起きたエメと一緒に顔を洗い朝食へ向かった。『今日は強引な受付ドワーフがいなくてよかった。』と2人で目配せし、同じ角に座った。
食事を待っていると大柄なドワーフが食事を運んできた。
「昨日はあまり食べれてなかったようだけど、美味しくなかった?」
誰??ハテナマックが浮かび疑問に思っていると「ごめんごめん。俺さこんな見た目だけどドワーフだからびっくりするよな。」
いやいやいや確かにびっくりするけれど、大柄なドワーフとはもうすでに対面済みです。それよりも貴方が誰ですか?名前を知りたい···
突っ込みたい気持ちを我慢して、「あの、貴方は誰でしょうか?」
「あ!俺?見ての通りドワーフだよ!」
言葉が通じないやつ···なに?大柄なドワーフさんは言葉が通じないのかな??
「うん。ドワーフってわかる。なまえ!!ぼくはエメ!お兄ちゃんは?」
エメ君ナイスな発言!!!
「名前か?知りたいのか?俺はボリスだよ!この厨房で見習いやってんだ!料理長がさ、厨房でメソメソしててさ、人間は俺の料理が不味いのか?ってうるさいことうるさいこと、だからさ味どう?」
すると「ごらぁーーー」と奥から怒鳴り声が聞こえたかと思うと、、、目の前のドワーフさんが殴られた。
「おめぇなに恥ずかしいこと言ってんだ?俺の秘密を暴露してんじゃねぇ」
「だってさ料理長聞けないだろ?聞いてやったのに酷いぜ!でも人間なんて初めてみたから気分がいいぜ!」
「ふっざけんなーおれぇおれぇ恥ずかしい」モジモジ
漫才???私達ご飯が食べたいな。
エメにご飯を食べよう?と目配せし、テーブルの上にある物を見るとやはり肉の塊と朝はマッシュポテトが添えられていた。
エメは昨日に引き続き肉にフォークをさしながら食いちぎり、シンジュは肉を切ろうとしたが結局無理だったためマッシュポテトを食べた。
うん。やっぱりマッシュポテトだと思っけど、塩とバターの量が異常で···食べられない。
2、3口食べるとそのままエメにあげるのだった。
それを見ていた料理長とボリスが「「これもだめか?」」と声を揃えていった。
言われたシンジュは言葉に詰まった。
ドワーフが美味しいと言っている食べる物を否定して良いのか···
逆にエメはそのやり取りを見て昨日のようにワクワクした。
シンジュ様にかかれば『きっと何でもすごくなる』とウキウキしてシンジュを見つめた。
3人からの鋭い視線を受け降参したシンジュは「まずい」とはっきり答えると、料理長と弟子は崩れ落ち、エメは『やっぱり』と思った。
「どどどどどこがまずいのか教えてくれぇ?鉱山都市1の宿屋の飯がまずないてどうすりゃいいんだ?」と絶望の表情を見せた。
ハァ~とため息を吐き「これは何の料理?味付けは何を使っているの?」と淡々と質問をした。
「あぁ、これは肉を塩とバターで焼いたやつだ。んでぇ芋は茹でて塩とバターと香草を混ぜた。ドワーフ人気No.2だな。1番は昨日の夜に出した肉を塩と香草で焼いたやつだ。あれは酒と合わせると最高だぞー!」ガハハハ
それを聞いたシンジュはそうだろうなぁと思った。
「まずね、肉は焼きすぎてカチカチで人間の私には噛み切れない。肉の下処理が下手なの?だから臭いを誤魔化すために香草を使ってるの?香草をあれだけ使っているのに臭い···あとただ焼いているだけ?筋や脂の下処理はどうしてるの?芋は茹でて軽く塩とバターをかけるだけでいいよね?なぜわざわざ大量の塩を使うの?塩分が濃すぎる。そして芋は茹でてる割には硬いのはなんで?半生·········聞いてる?」
シンジュは淡々と30分も話し続けていた。
途中朝食を食べに来た獣人があまりの不思議な光景に帰っていた。なぜなら大人のドワーフが正座し涙を流しながら人間の小娘の話を一生懸命聞いていたからだ。
「ぅうん聞いていたんだがな、俺らドワーフは頭が良くねぇ。だがな好きなことには命を賭ける。お嬢さんの話を聞いて俺は感動した···肉は焼けば旨いと思っていたが、お嬢さんは情熱がすごいなぁ。肉に焼き方や塩味の量だったか?かければかけるだけ旨いと思ってたぞ。」
「あぁ俺も料理長の言うとおりだ。俺はドワーフなのに鍛冶場のスキルがなくて鍛冶師に慣れなかった。だから料理長に弟子入したのだが皆にバカにされて···料理なんか誰にもできだろうと言われてその通りだと思っていた。だかお前に話を聞いて料理の深さ?っていうやつなのかな。すごいと思ったぜ。俺に料理を教えてくれて。」
『うっわぁー』面倒くさい状況になってどうやって逃げようか考えてると、「シンジュ様はね、すごーく忙しいからだめ。作っても1つだけ。そのほかは、ぼくだけのもの」と思わずムッとしたエメが答えた。エメは心のなかでシンジュに拍手を送っていた。本当にすごい人だな···とだからこそ取られたくない。
エメの予期せぬ援護により大変な状況になるのは防げたが、それでも1品作るのか···今日は鉱山ギルドに行きたかったな~と思った。
45
あなたにおすすめの小説
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
召喚聖女の結論
こうやさい
ファンタジー
あたしは異世界に聖女として召喚された。
ある日、王子様の婚約者を見た途端――。
分かりづらい。説明しても理解される気がしない(おい)。
殿下が婚約破棄して結構なざまぁを受けてるのに描写かない。婚約破棄しなくても無事かどうかは謎だけど。
続きは冒頭の需要の少なさから判断して予約を取り消しました。今後投稿作業が出来ない時等用に待機させます。よって追加日時は未定です。詳しくは近況ボード(https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/96929)で。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
URL of this novel:https://www.alphapolis.co.jp/novel/628331665/937590458
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる