前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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まさかのギルドマスター体調不良

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結局全員がゆっくり休むことが出来なかった。

隊長の父親がガンガン、ゴンゴン、カンカンと地下を掘り進める音がうるさ過ぎてギルドマスターが起きてきた。


明らかに機嫌が悪そうなギルドマスターが
「おぃ、これはどういうことだ?何であいつは俺の家の庭を掘り起こしてる?」とシンジュに問いかけた。


うん、本当にごめんなさい。伝え忘れてた。
「ごめんなさい。ここの庭に地下住居を作るそうです。」
土下座しそうなくらい低姿勢で謝った。


「は?俺聞いてねえぞ。まじかよ···せっかく休めると思ったのに。夜はさすがに中止してもらわねぇとな?寝てぇ。」



え?夜もぶっ通しでやるの?どういうこと?

「なんだ?変な顔して?鉱山都市に泊まったなら知ってるだよ?あの場所は昼夜の感覚はねぇぞ。好きな時に採掘や鍛冶をするからいつでもうるせぇぞ。」



は?確かに初日の朝はうるさかったけれど、祭りのせい?
「私達祭り期間中だったから知らなかった。」



「あぁそういやお前達は、祭り前日に大量の仕事を持ってきたもんな。あれにはまじで参った。ギルドとしては儲けることな出来たから良かったがな。」


うっ、、、それを言われてしまうと何も返せない。
でもあの時ってほとんど虫の魔物だった気がする。ギルド職員にも虫の魔物がほしいって言われたような、、、
「虫は儲かるの?」
虫が儲かるのなら苦手だけれど狩りたい。1番効率よくお金を稼ぎたいな。


「全部ではないが比較的高値だな。防具になったり、ポーションの材料になったりと使い勝手が良いからな。」


そっか。ならまた虫の魔物を狩りに行こう。獣人国からドワーフ共和国へ向かう途中の谷底とか虫の魔物がいっぱいいたから狩ってこようかな?うじゃうじゃいすぎて気持ち悪かったんだよな~よし、決めたら早速行ってこよう。
「今から転移で出かけても良い?」

「は?今から?家に帰ってくるのか?」


うーん、別に結界があるから家に帰らなくても問題ないよね。外で料理もできるし、1日ぐらい泊りがけで狩る日があってもいいよな。
「まだ決めてないけど泊まりもできる状態で行く。」

「今度にしてくれないか?お前ら2人だけだと心配から俺が元気なときにしてくれ。さすがに今日はなんかだるい。」


??こんな弱音はいてるギルドマスター見たことない。
顔も赤いしもしかして熱がある?

おでこを触ってみると『あつっ』これは種族的な体温?

「おぃどうした?急に俺のおでこに触るなんて何がしたい?」


「今寒くない?」

「あぁ、ものすごく寒い。そして頭が痛い。」


それは完全に体調不良だと思う。虎がブルブルと震えてる。
「多分熱出てると思いますよ?節々も痛いですか?」


「あぁ全身痛くてやべぇ。こんなこと今までになかった。」
自分に熱があると自覚した途端、本当に具合が悪くなってきた。何だか胃まで痛い。

「ギルドマスターを辞めて気が抜けたからだと思うよ?
立てる?」とギルドマスターをベットへ促そうとしたら1人で立てないぐらい具合が悪いようだ。

エメと2人で支えながら階段を登っていく。

やばぃ重すぎる···虎の体重舐めてた。


ゆっくりゆっくりベット寝かせると先程より顔が赤く真っ赤に染まり汗が吹き出している。

「俺まじでこんなの初めてだ。具合わりぃ死にそう。」


こんだけ喋れれば大丈夫でしょう。ただ病気が何の種類か分からない。前世と違って医療は未発達のためポーションと回復魔法くらいしかない。熱が出る場合は、風邪or怪我の2択しか無い。例えばギルドマスターのように疲れから熱が出るという考えはない。今回は疲労から免疫力が弱り風邪を引いたのではないかと考えた。ただ、普通の風邪なのか、節々が痛いならインフルエンザのようなものなのか、、、それは分からない。とりあえず分からないのでポーションを飲ませよう。
「大丈夫大丈夫。ポーション持ってる?」


「あるが出すのが面倒くさい。寒い···頭痛もやばい···」


出すのが面倒くさいって重症だな、、、
「分かった。ポーションは明日飲もう。頭を濡れタオルで冷やすね?ベットの布団の上を絶対魔法で覆っているから最初より暖かくなると思うよ?」


「あぁ本当にありがとう。1人じゃ辛かった。俺何にもできないから···うぅぅ」


こんな弱ったギルドマスターは何だか嫌だ···ここからエメと2人で看病を頑張った。エメも「ぜったぃてつだう。」と宣言して寝ずに看病をしてくれた。


それによって大分熱が引いたようだった。

ただその後も熱を出したり、魘されたりと大変だった。


この状態が2日続くのだった。
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