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ギルドマスターの獣化と、怪我の状態確認
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なんだか温かい気がする···無意識に温かいものを手繰り寄せようとしたが、その前に腕の痛みでぱっと目が冷めた。
あれ?布団?ここはどこだろう?と頭を働かせると、帰ってきて早々痛みと疲れで寝てしまったことを思い出した。
ゆっくり起き上がると、ベッドの横に虎?虎が目を閉じて椅子に座っていた···僅かな照明の中、服を着た虎が座っている姿は怖い。
良く観察してみると、尻尾がバッシンバッシンと床を叩きつけている。
なんだかどこかで見たことあるような···うん?もしかしてギルドマスター??
獣人だと知っていたが獣化姿を見るのは初めた。少しパサパサしているけれど毛が温かい。それにギルドマスターの腕の太さは、ちょうどいい抱き枕になりそうだなと撫でていると、突然上から声がし、見上げると虎であるギルドマスターが起きていた。
「おぃいつまで俺の腕を撫でてる?」
ギルドマスターの迫力にビクッと身体が揺れた。
ライオンであるライオスとは違った迫力があり、喋っている口から見える歯が鋭い。
「ぉ、おお起きてたの?ご、ご、めんごめん。エメ君はどこ?」とビビりすぎたシンジュはしどろもどろになりながらエメがどこにいるか質問をした。
「お前がいなかったことで竜化が不安定になった。危険だから隊長の部屋にいるぞ。初めはここに居たいって泣いて騒いでたが突然竜化されたら危険だから追い出した。」
「そ、そうだったんだ···この後会いに行かないとね。」
「なんだ?よそよそしいな?それは明日にしろ。まだ今は夜中だからもう少し寝てろ。お前が急に意識を失ったから驚いたぞ。」
「ごめんごめん。」
「俺は治ったばかりなのによぉ、小僧はお前がいなくてって大騒ぎをして大変だったぞ?それに街の治安についても何か言ってたな。起きたら教えてくれるか?」
「もちろん。あのさ、ポーション持ってたりする?」
「わりぃ今持ってねぇ。飲んじまった。なんか怪我してるのか?俺達はお前がベットに意識を失ったあと、そのまま布団をかけただけだから状態がわからねぇ。」
ポーションをまさか持っていないなんて···想定外。
ここで正直に言ったらトリュフで骨折したことを笑われそうだから黙っておこう。
「大丈夫だよ。」
「ほんとうか?無理してねぇか?」と疑った目を向けられたが、なんとか回避して「明日何してたかちゃんと説明しろよ?!俺も部屋で寝るわ。」と言ってギルドマスターが立ち上がった。
「あ?お前、もしかしれ俺の虎姿に驚いたのか?小僧が騒ぎすぎてそれを止めるために獣化した。あの小僧は子供だが、竜だから力があるからな。」というとそのまま部屋を出て行った。
シンジュは獣化の理由をギルドマスターに説明されたが、全く頭に入ってこなかった。なぜなら立ち上がったギルドマスターが大きすぎて驚いたからだ。更に虎の時は裸のようで、筋肉のつき具合が良くわかった。ムキムキな身体を見たシンジュは自分の身体とギルドマスターの身体を比べていかに貧弱化思い知り悲しくなった。
シンジュは早く鍛えたいと思ったが、怪我したところはどうすればいいだろう?と困った。
さらに怪我したのが利き手利き足である右側···同時に手と足が出たのかな?鍛えたくても鍛えられない。運動できませんと言っているようなものだと恥ずかしくなった。
もう怪我したことは仕方がない。鍛えるのは怪我が治ってからにしても、料理や掃除、買い物などやることがたくさんあった。
バレないように出来るだけ早く起きて行動しよう。ギルドマスターには寝ろと言われたシンジュだったが、少し時間を置くと起き上がり自分の手足の状態を確認した。
足は紫色に腫れていて、手も腫れているが赤くなっている程度だった。これくらいなら大丈夫かな?
そういや前世もこんなことがあったな。学校で段差に躓いて足を挫いてヒビが入ったな~やっぱり前世から身体は脆かった。
それにあの時は担任の先生が親に迎えの連絡をしてくれたけれど、「足を挫いただけなら捻挫のはずなので、自分で帰らせて下さい。」と母親が迎えの連絡を断り、先生に憐れみの視線を向けられた。
誰も迎えに来てくれなかったので普段の倍以上かかって歩いて帰った。今ならタクシーなどで帰る手段があるかもしれないが当時はそんなことは出来なかった。
結局無事に帰ることは出来たが次の日も痛みが取れず、病院に行くと足首ら辺にヒビが入っていることが分かった。
病院の先生にも何故当日来なかったのか怒られた···
無理して歩いたせいで悪化をしていたようだった。
あの時の母親の顔を今でも覚えてる···
「痛そうにしないから貴方が悪い!」って逆ギレされ、
「いやいや顔に出ないだけで痛いです。」と言ったら「顔に出せ」と怒られて喧嘩をしたな~懐かしい。
前世の時から貴族仕様の顔つくりが得意だったのかもしれない。きっと今回も痛みはあるが顔に出てないはず···
その後ゆっくり階段を降りて朝食作りを開始した。
ちなみに今現在夜中の2時であった。
あれ?布団?ここはどこだろう?と頭を働かせると、帰ってきて早々痛みと疲れで寝てしまったことを思い出した。
ゆっくり起き上がると、ベッドの横に虎?虎が目を閉じて椅子に座っていた···僅かな照明の中、服を着た虎が座っている姿は怖い。
良く観察してみると、尻尾がバッシンバッシンと床を叩きつけている。
なんだかどこかで見たことあるような···うん?もしかしてギルドマスター??
獣人だと知っていたが獣化姿を見るのは初めた。少しパサパサしているけれど毛が温かい。それにギルドマスターの腕の太さは、ちょうどいい抱き枕になりそうだなと撫でていると、突然上から声がし、見上げると虎であるギルドマスターが起きていた。
「おぃいつまで俺の腕を撫でてる?」
ギルドマスターの迫力にビクッと身体が揺れた。
ライオンであるライオスとは違った迫力があり、喋っている口から見える歯が鋭い。
「ぉ、おお起きてたの?ご、ご、めんごめん。エメ君はどこ?」とビビりすぎたシンジュはしどろもどろになりながらエメがどこにいるか質問をした。
「お前がいなかったことで竜化が不安定になった。危険だから隊長の部屋にいるぞ。初めはここに居たいって泣いて騒いでたが突然竜化されたら危険だから追い出した。」
「そ、そうだったんだ···この後会いに行かないとね。」
「なんだ?よそよそしいな?それは明日にしろ。まだ今は夜中だからもう少し寝てろ。お前が急に意識を失ったから驚いたぞ。」
「ごめんごめん。」
「俺は治ったばかりなのによぉ、小僧はお前がいなくてって大騒ぎをして大変だったぞ?それに街の治安についても何か言ってたな。起きたら教えてくれるか?」
「もちろん。あのさ、ポーション持ってたりする?」
「わりぃ今持ってねぇ。飲んじまった。なんか怪我してるのか?俺達はお前がベットに意識を失ったあと、そのまま布団をかけただけだから状態がわからねぇ。」
ポーションをまさか持っていないなんて···想定外。
ここで正直に言ったらトリュフで骨折したことを笑われそうだから黙っておこう。
「大丈夫だよ。」
「ほんとうか?無理してねぇか?」と疑った目を向けられたが、なんとか回避して「明日何してたかちゃんと説明しろよ?!俺も部屋で寝るわ。」と言ってギルドマスターが立ち上がった。
「あ?お前、もしかしれ俺の虎姿に驚いたのか?小僧が騒ぎすぎてそれを止めるために獣化した。あの小僧は子供だが、竜だから力があるからな。」というとそのまま部屋を出て行った。
シンジュは獣化の理由をギルドマスターに説明されたが、全く頭に入ってこなかった。なぜなら立ち上がったギルドマスターが大きすぎて驚いたからだ。更に虎の時は裸のようで、筋肉のつき具合が良くわかった。ムキムキな身体を見たシンジュは自分の身体とギルドマスターの身体を比べていかに貧弱化思い知り悲しくなった。
シンジュは早く鍛えたいと思ったが、怪我したところはどうすればいいだろう?と困った。
さらに怪我したのが利き手利き足である右側···同時に手と足が出たのかな?鍛えたくても鍛えられない。運動できませんと言っているようなものだと恥ずかしくなった。
もう怪我したことは仕方がない。鍛えるのは怪我が治ってからにしても、料理や掃除、買い物などやることがたくさんあった。
バレないように出来るだけ早く起きて行動しよう。ギルドマスターには寝ろと言われたシンジュだったが、少し時間を置くと起き上がり自分の手足の状態を確認した。
足は紫色に腫れていて、手も腫れているが赤くなっている程度だった。これくらいなら大丈夫かな?
そういや前世もこんなことがあったな。学校で段差に躓いて足を挫いてヒビが入ったな~やっぱり前世から身体は脆かった。
それにあの時は担任の先生が親に迎えの連絡をしてくれたけれど、「足を挫いただけなら捻挫のはずなので、自分で帰らせて下さい。」と母親が迎えの連絡を断り、先生に憐れみの視線を向けられた。
誰も迎えに来てくれなかったので普段の倍以上かかって歩いて帰った。今ならタクシーなどで帰る手段があるかもしれないが当時はそんなことは出来なかった。
結局無事に帰ることは出来たが次の日も痛みが取れず、病院に行くと足首ら辺にヒビが入っていることが分かった。
病院の先生にも何故当日来なかったのか怒られた···
無理して歩いたせいで悪化をしていたようだった。
あの時の母親の顔を今でも覚えてる···
「痛そうにしないから貴方が悪い!」って逆ギレされ、
「いやいや顔に出ないだけで痛いです。」と言ったら「顔に出せ」と怒られて喧嘩をしたな~懐かしい。
前世の時から貴族仕様の顔つくりが得意だったのかもしれない。きっと今回も痛みはあるが顔に出てないはず···
その後ゆっくり階段を降りて朝食作りを開始した。
ちなみに今現在夜中の2時であった。
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