前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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双子さん、登場!

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その後卒倒したギルドマスターを何とか起こし、食事を食べ終へるとギルドマスターとエメの強い希望から機械を試していった。

案の定機械を全て試すには1日では済むはずもなく、数日間エステサロンに引きこもるという事態が起きた。

同じ機械を何度も試し、飽きたら違う機械に移る、さらにまた前の機械に戻る···エンドレス。


さすがに呆れたシンジュは、スキルを強制的に閉じた。
怠けるのもいい加減にしてほしいと···
「お手入れをするか寝てるかの生活を続けていたら、むしろ身体に悪いよ。これ以上試すならもう使わせない。」と言って追い出した。


今後お客様がダメ人間にならないように対策しなければお店を開けないと本気で思った。このまま開店したら···不安過ぎる。

いまだに側でギルドマスターは「もう1度スキルを開いてくれ」と泣きながら叫んでいるが無視、無視、無視。

無視の3連発!!!本当にもう無理。




それから何もすることがなく暇を持て余していると、チリンチリンと玄関から来客を知らせる音が鳴った。

誰だろうか?
ギルドマスターの復帰の件か?それとも鉱山へ行った冒険者達が戻ってきたのか?など予想を立てていると、玄関に様子を見に行ったギルドマスターが、初めて見る人達を連れて戻ってきた。


「お前ら、これは俺の双子の弟だ。砂糖作りのために獣人国からやってきた。思ったより早く来ちまって何も準備をしていないが、今日から少しの間一緒に住むからよろしくな。」と頭をボリボリの掻きながら、目元が真っ赤なギルドマスターが言った。


似てない···目が腫れてるからかな?

いや、似てるところが1つもない。
シンジュは紹介された者をよく観察してみると、うん?あれ?と首傾けた。なんだか見たことあるような~誰だろう。


う~ん、分からない。


バチッとお互い目が合うと「「あっ!!!」」とお互いの声が重なった。
何と彼らは、以前トリュフ探しの時に手伝ってくれた獣人の2人組だった。


「お前何してんだ?」とギルドマスターの弟が声を上げた。

いやいやそれはこっちのセリフですよ。まさかギルドマスターの弟を豚のようにトリュフ探しを手伝わせるなんて···ギルドマスターが知ったら何を言われるか···黙ってよう。


「あ?俺の弟を知ってるのか?」


「兄ちゃん!何でこの子供がここにいるの?この前さ、谷で会ったよ。」


「あ?谷?どういうことだ?」

「うんこみたいなものを取ってほしいって言うからさ、俺ら必死に集めたんだよ。マジであれは大変だったよな。」


「うんこ大変だった。小さくて丸っこい土の中に隠れたうんこ!何に使ったのか気になる。」


「お・ま・え勝手に出かけたのか?」
ギルドマスターがギロリとシンジュを睨んだ。

バクバクとシンジュは心臓が震えながらも、
いやいやこれは濡れ衣···何で私が怒られないといけないのか分からない。しかもこの双子チャラすぎでしょ。
前あった時より酷い気がする。
なんでジャランジャラン首にアクセサリーを付けてるの?!

それに虎耳には何十個もピアスが開いてる····こわっ
全然ギルドマスターと違うじゃん···顔はこの前の人だけど、雰囲気が違いすぎる。別人?
「濡れ衣!私が骨折して帰って来た時があるでしょ?その時に手伝ってもらったの。」


その後何とかその場は収まったが、エメとギルドマスターから嫌な視線を向けられて機嫌を取るために結局スキルを出して2人を満足させて、かたや双子は「砂糖が食べたい」と騒ぎ出したため、簡単にパンケーキを作って食べさせた。


作っても作っても足りないと言われ、思わず「私は家政婦じゃないからね。」と怒った。
するとすぐに「「は?」」と驚かれた。
まさかの双子はシンジュのことを奴隷か召使だと思っていたそうだ。
それを聞き「は?」とシンジュは声を上げた。

よくよく理由を聞いてみると、兄であるギルドマスターは顔が怖いため奴隷のような身分の者くらいしか身の回りの世話をしてくれる人がいないと思ったそうだ。
それに谷にいたことから人間に見えたが、本当は魔族ではないのかと疑っており、多少強引なことを言っても平気だと思われていた。

シンジュは「奴隷でも魔族でも強引な要求はしちゃいけないでしょ!」と大きな虎2人に怒った。

それに「正真正銘の人間だよ」と伝えると、本当に人間だったことに驚き、萎縮してしまい「俺等が近付くと死ぬんだろ?」と意味わからない返事が返ってきた。

そもそもそれで死んだら人間なんて増えないわ···と心のなかでツッコんだ。


どこでそんな迷信を教えられたのか気になるところではあったが、あえて否定せずに「か弱いのでお気をつけください。」と伝えた。


この勘違いを利用して、この双子がいる間にたくさんこきを使おうと思うのだった。
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