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なかなか先に進まない
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「なんだこれは!!!」
シンジュは急な大きな声に思わず耳を防ぎ、声を出した人物を睨みつけた。
すると隣りにいた妖精王が静かに声を上げた。
「魔王陛下、そんなに大声を出さなくても聞こえますから騒がないでくれますか?」
「うるせぇーこれを見て騒がないなんておかしいだろ!お前の心臓は動いてんのか?扉が自動で開くとかありえねぇだろ。なんだよこれ!」
「正常に動いてるのでご安心ください。ところで下僕(吸血鬼)達はどこにいるのでしょうか?それと、この施設は何でしょうか?」
「俺もここが何の施設なのか知りてぇ。そもそも吸血鬼が帰らないから迎えに来てほしいってなんだよ。彼奴等馬鹿なのか?クビにするか?俺ももうお前らみたいに自由になりてぇ。魔王なんてつまんねぇよ。」
「陛下にはあと何万年かは働いてもらわなければ困ります。それよりもこの施設は何でしょうか?妖精王の私ですら知らないスキルですよ。本当に貴方は面白いですね。私の知らない料理も魅力的でしたし、利用価値が高すぎます。ただ1つ貴方に不満を言うならば私よりも下僕達を先にこの施設を利用させたことでしょうか?貴方は・・・わか・・すか?・・・・・・早くこの施設を試したいです。あと・・・。ということで説明してもらってもよろしいでしょうか?」
・・・
皆さん、こんにちは。
毎度おなじみシンジュの心の声です。先程から妖精王と魔王陛下?と言われる2人が言い争っているところを睨みつけ中です。
ちなみにたった今!!!妖精王から説明してほしいと話がありましたが、その前の話だけで1人で60分間もマシンガントークしており、途中口を挟もうとした魔王陛下に対して「うるさい」と言うと、魔王陛下は突然現れた植物の蔓に巻き付かれ、天井に磔に…ちなみに今もギルドマスターの家の地下室の天井には磔にされた魔王陛下がいる。
なんとも気まずい…ちなみにね、まだエステサロンには案内してない。入口の自動扉でこの騒ぎだよ?先が思いやられるよね。
あとさ、魔王陛下について全く説明されてない。
頭に2本とても大きな大きな巻き角が生えているからきっと偉い人だよね?なんだか扱いが雑だけど、、、
まぁいいや。それより簡単な説明をしないとね。
「ご質問ありがとうございます。これは私のスキルであるエステサロンです。今は吸血鬼の皆さんにはこの中にあるものを体験してもらっているところです。」
「そうなのですねぇ。ちなみに中に植物はありますか?」
「観葉植物があります。あと小さなサボテンが鉢に。」
「鉢?それはなんでしょうか?サボテン?観葉植物とは?なんでしょうか?確認させて欲しいです。」
あれ?鉢を知らない?そういや、鉢入れって見たことない。貴族の屋敷は豪華な花壇で、庶民は?花を愛でない?見たことないな。サボテンはサボテン…。観葉植物も名前が分からない。ごめんなさい。
もうエステサロンに連れて行こう。早く引き取ってほしいからね。
ちなみに今何時でしょう。
妖精王達は入口に居座って早数時間経過…夜に来た魔国の皆さん。もう夜明けですよ?
眠さを通り越してハイテンション私…
「植物の名前は分からないので、確認して欲しいです。ところで皆さん今何時か知っていますか?もう早朝ですよ。眠いので早く吸血鬼達を引き取ってほしいです。」
「そうですか。魔国で昼夜関係ありませんからねぇ。人間は大変ですねぇ。分かりました。ではこのなかで植物観察をしていますので、貴方方は寝てください。」
???いやいや、スキル内に妖精王を残したら悲惨な目に遭いそうなので入れませんよ?引き取るだけでいいです。
「私が寝ている間はスキルを閉じてしまうので、入ることはできません。」
真っ赤な嘘だけど。許可した人なら寝てる間もスキル内で過ごす事ができるけど、今回はね自分のためにも嘘を付くよ。
というか、このやりとり無駄じゃない?面倒すぎる。
フェルにライオス、ギルドマスターは最初は一緒にいてくれたのに、妖精王を見た途端いなくなった…酷い。エメは妖精に纏わりつかれてるからそもそもここにはいない。
「そうですかぁ。では仕方ないですね。ちょっと戻ります。」
は?下僕は?
「吸血鬼はどうするの?」
思わず敬語が抜けてしまった。
「別に私たちは吸血鬼がどうなろうとどうでもいいです。新しい技術や知識が見れると聞き、来ただけです。」
うん、そういう答えが返ってくると思ったよ。同じ魔族?なのかな?同じ国の出身なのにの態度はどうかと思うけど、きっとお互い様なんだろう。
もういいや。中身はあまり見せたくないからフェルたちに吸血鬼3人を追い出してもらおう。
そもそもフェルたちにお願いすればよかった。
わざわざ魔国から呼び出す必要はなかったよね。
「分かりました。ではお帰りください。」
出口はあちらだよ。
「帰るとは言ってないですよ。ここに私の部屋を作ります。では準備するので、1度戻ります。」
うん?
聞き間違えかな?
「ここに私の部屋を作る?」
うん?どこに?ここって?
・・・・・・
へ?ちょっと待って自分勝手すぎる。
勝手に転移で帰らないでください。説明は?許可は?それに魔王陛下は未だに磔だけど、大丈夫??
おいおいおい、妖精王のさんヤバいヤツ!!!
うん、もう私は知~らない。
もう色々放棄し、フェル達を呼んでこようっと。
シンジュは急な大きな声に思わず耳を防ぎ、声を出した人物を睨みつけた。
すると隣りにいた妖精王が静かに声を上げた。
「魔王陛下、そんなに大声を出さなくても聞こえますから騒がないでくれますか?」
「うるせぇーこれを見て騒がないなんておかしいだろ!お前の心臓は動いてんのか?扉が自動で開くとかありえねぇだろ。なんだよこれ!」
「正常に動いてるのでご安心ください。ところで下僕(吸血鬼)達はどこにいるのでしょうか?それと、この施設は何でしょうか?」
「俺もここが何の施設なのか知りてぇ。そもそも吸血鬼が帰らないから迎えに来てほしいってなんだよ。彼奴等馬鹿なのか?クビにするか?俺ももうお前らみたいに自由になりてぇ。魔王なんてつまんねぇよ。」
「陛下にはあと何万年かは働いてもらわなければ困ります。それよりもこの施設は何でしょうか?妖精王の私ですら知らないスキルですよ。本当に貴方は面白いですね。私の知らない料理も魅力的でしたし、利用価値が高すぎます。ただ1つ貴方に不満を言うならば私よりも下僕達を先にこの施設を利用させたことでしょうか?貴方は・・・わか・・すか?・・・・・・早くこの施設を試したいです。あと・・・。ということで説明してもらってもよろしいでしょうか?」
・・・
皆さん、こんにちは。
毎度おなじみシンジュの心の声です。先程から妖精王と魔王陛下?と言われる2人が言い争っているところを睨みつけ中です。
ちなみにたった今!!!妖精王から説明してほしいと話がありましたが、その前の話だけで1人で60分間もマシンガントークしており、途中口を挟もうとした魔王陛下に対して「うるさい」と言うと、魔王陛下は突然現れた植物の蔓に巻き付かれ、天井に磔に…ちなみに今もギルドマスターの家の地下室の天井には磔にされた魔王陛下がいる。
なんとも気まずい…ちなみにね、まだエステサロンには案内してない。入口の自動扉でこの騒ぎだよ?先が思いやられるよね。
あとさ、魔王陛下について全く説明されてない。
頭に2本とても大きな大きな巻き角が生えているからきっと偉い人だよね?なんだか扱いが雑だけど、、、
まぁいいや。それより簡単な説明をしないとね。
「ご質問ありがとうございます。これは私のスキルであるエステサロンです。今は吸血鬼の皆さんにはこの中にあるものを体験してもらっているところです。」
「そうなのですねぇ。ちなみに中に植物はありますか?」
「観葉植物があります。あと小さなサボテンが鉢に。」
「鉢?それはなんでしょうか?サボテン?観葉植物とは?なんでしょうか?確認させて欲しいです。」
あれ?鉢を知らない?そういや、鉢入れって見たことない。貴族の屋敷は豪華な花壇で、庶民は?花を愛でない?見たことないな。サボテンはサボテン…。観葉植物も名前が分からない。ごめんなさい。
もうエステサロンに連れて行こう。早く引き取ってほしいからね。
ちなみに今何時でしょう。
妖精王達は入口に居座って早数時間経過…夜に来た魔国の皆さん。もう夜明けですよ?
眠さを通り越してハイテンション私…
「植物の名前は分からないので、確認して欲しいです。ところで皆さん今何時か知っていますか?もう早朝ですよ。眠いので早く吸血鬼達を引き取ってほしいです。」
「そうですか。魔国で昼夜関係ありませんからねぇ。人間は大変ですねぇ。分かりました。ではこのなかで植物観察をしていますので、貴方方は寝てください。」
???いやいや、スキル内に妖精王を残したら悲惨な目に遭いそうなので入れませんよ?引き取るだけでいいです。
「私が寝ている間はスキルを閉じてしまうので、入ることはできません。」
真っ赤な嘘だけど。許可した人なら寝てる間もスキル内で過ごす事ができるけど、今回はね自分のためにも嘘を付くよ。
というか、このやりとり無駄じゃない?面倒すぎる。
フェルにライオス、ギルドマスターは最初は一緒にいてくれたのに、妖精王を見た途端いなくなった…酷い。エメは妖精に纏わりつかれてるからそもそもここにはいない。
「そうですかぁ。では仕方ないですね。ちょっと戻ります。」
は?下僕は?
「吸血鬼はどうするの?」
思わず敬語が抜けてしまった。
「別に私たちは吸血鬼がどうなろうとどうでもいいです。新しい技術や知識が見れると聞き、来ただけです。」
うん、そういう答えが返ってくると思ったよ。同じ魔族?なのかな?同じ国の出身なのにの態度はどうかと思うけど、きっとお互い様なんだろう。
もういいや。中身はあまり見せたくないからフェルたちに吸血鬼3人を追い出してもらおう。
そもそもフェルたちにお願いすればよかった。
わざわざ魔国から呼び出す必要はなかったよね。
「分かりました。ではお帰りください。」
出口はあちらだよ。
「帰るとは言ってないですよ。ここに私の部屋を作ります。では準備するので、1度戻ります。」
うん?
聞き間違えかな?
「ここに私の部屋を作る?」
うん?どこに?ここって?
・・・・・・
へ?ちょっと待って自分勝手すぎる。
勝手に転移で帰らないでください。説明は?許可は?それに魔王陛下は未だに磔だけど、大丈夫??
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もう色々放棄し、フェル達を呼んでこようっと。
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