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第一章 最強の娘? いえいえ、娘が最強です
熊、熊、パニック再来。そして聖女の役割。
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大変な事になってしまった。
俺は泣き続けるアリステリアを何度も「大丈夫だから」と声をかけ続け、落ち着かせようと必死だった。
地面に直径で二十メートル級の凹みを作ったせいで、アリステリアの側にあった馬車は当然横転。
その際、張りぼてに近い檻は壊れ、中から熊五郎がこんにちは。
それを見た使用人とサラの母親は、大混乱で逃げ惑う。
わらわらと集まってきた警備の兵士が槍や剣を熊五郎に向けるのとアリステリアが泣いているのを見て熊五郎が咆哮、そして兵士に向かって突進。
怪我人、屋敷の庭や門の破壊と、今からでもこの場からアリステリアを連れて逃げ出したい気分だ。
「アリス、アリス! 熊五郎を呼びなさい! ほら、泣き止んで」
「ひっく……ぐすっ……熊五郎ぉ~」
涙を腕で拭いながらアリステリアは俺から離れ熊五郎の名前を何度かか細い声で呼び続けると、ピクリと体格に似合わず小さな耳を反応させた熊五郎は、アリステリアに向かって一目散に駆け寄り、そのまま体当たりをぶちかます。
「熊五郎ぉ~」
怪我人が出る威力の体当たりを片手で受け止めたアリステリアは、そのまま熊五郎に抱擁する。
「はぁ~……随分と派手にやってくれたわねぇ」
流石にサラも取り乱したのか、後ろでまとめていた金色の髪がほどけて、長い髪をかきあげながら辺りを見渡す。
しかし、表情は怒っているというより、実にしてやったりと楽しそうに笑っていた。
「もしかして弁償とか気にしてるの? そんなこと私が絶対させないわよ。あっ、その前に……」
サラはアリステリアの目線を合わせるようにしゃがむと深々と頭を下げた。
「アリスちゃん! 本当にごめんなさい!! 私がパパを身代わりにしちゃったからイジメられてると勘違いしたんだよね! 本当にごめんなさい!」
「うぅ……パパ、いじめちゃだめです」
「そうだね、ごめんね」
サラに頭をそっと撫でられたアリステリアはズズッ……と、鼻水をすすりながら、目を瞑り落ち着きを完全に取り戻した。
「なんじゃこりゃあああ!!」
突然の叫びに顔を向けると、先ほどまでぐったりしていたはずのサラの父親だった。
気付けば庭が壊れ、多くの兵士がうずくまり、自分に肩を貸していた使用人も周りにおらず、遠巻きで震えているのだから、無理もなかった。
俺とアリステリアと熊五郎は、サラの父親の元に向かい、謝罪を述べた。
しかし、接近してきた熊五郎を見てアワアワとしており、初めの凛々しさのある毅然とした姿は見る陰もない。
「別に謝る必要ないわよ。人の話を聞こうとしない罰よ」
その横でサラは腕を組みそっぽ向く。
「し、しかしだな!」
辛うじて反論する父親を遮るようにサラは距離を詰めると父親の鼻先に指を付ける。
「ふんっ! 今までこんな広い、大人数で手入れしなければならない庭なんて無駄だと思っていたのよ! こんなところにお金かける暇があるなら、もっと貧困層に還元しなさいよ!」
サラの剣幕に押されぎみの父親をみかねて今度はサラの母親が割って入ろうとしてきたので、サラは矛先を母親に変えた。
「お母様も同じ! お父様を全く止めようともしないで! 大体、お母様も元は貧困層の出身でしょう! 私が何も知らないとでも? 嫌ね、お金持つと人の心を失うのかしら!?」
サラの両親はぐうの音もでず、説教は延々に続くかと思われた。
「アラキに至ってもそう! 貧困層の勇者だからって馬鹿にしたのも知ってるのよ! 分かってる? 彼はその前に娘である私の命の恩人なのよ? アラキを軽く見てるなら、娘である私の命を軽く見てると言うことなのよ!」
サラの両親は益々サラの前で縮こまる。
『俺が行くと面倒臭い事になるから』
アラキは俺達が此処に来る前にそんなことを言っていた。自分が行けばもっと拗れると思っての発言だったのだろう。
ずっと続くかと思われた説教だったが、サラが使用人の一人に怪我人を出来るだけ一箇所に集めるように指示を出す。
その作業が終わるまで説教は続いたが、使用人から完了した事を伝えられると両親を横目に怪我人達の所に向かった。
「すぅぅ……バルス・サークル!」
息をゆっくり吐き出したかと思うとサラは上級魔法と思われるものを唱えた。
集められた怪我人を天に昇る光の円柱の中に閉じ込める。
地面から空へと光は上昇し続け、やがて怪我人の一人が何事もなかったかのように立ち上がった。
あらかた怪我人が回復したところで光の円柱は消え失せると、サラは荒くなった自分の息を整える。
「お疲れ。言ってくれれば俺とアリスで手分けして治したのに」
「いいのよ。これも“聖女”の役割よ。まあ、本来は説教を説いて人々を救うってのが主なのだけど」
サラの両親は説教を受けている間、嘘のように静かに反論もしなかった。正論、と言えばそれまでなのだろうが、もしかしたら半ば強制的に黙って聞かされる所もあるのかもしれない。
「どうしたの笑って?」
「いや、サラみたいな人が“聖女”で良かったなって」
悪人が“聖女”の役割を持っていたら、その悪人の思想が広まる事になる。それは時間をかけて大きな渦となり、きっと人々を混乱に陥れるだろう。
サラは再び父親の元に向かい母親も交えて話を始めた。親子間の事に他人の俺が口出しするのもおかしいので、庭の壊れた石像や噴水の瓦礫を取り除く作業を手伝う。
「タツロウ!」
話を終えたのかサラが手招きしてくる。どうやら屋敷に入れてもらえるようだ。
すっかり甘えてくるアリステリアを抱き抱え、俺と熊五郎が屋敷の方へと向かうと玄関先で止められる。
「あの……熊は……」
「構わないわ!! 熊五郎も入れなさい!」
サラの鶴の一声で使用人は大人しく下がり「失礼しました」と頭を垂れた。
サラの実家の屋敷はそれはそれは大きく、熊五郎が立ってでも入れる玄関扉、熊五郎が歩いた後は毛だらけになり掃除が大変そうな起毛の立った踏み心地のいい絨毯が隙間なく床に埋め尽くされている。
他にもあちこちに高そうな調度品が。
絶対熊五郎を入れたら駄目な場所。歩く度に起毛が爪に引っ掛かり、無理矢理取り外そうとする度に、調度品がぐらぐら揺れる。
サラに案内された場所はかなり縦長のリビングで、真ん中には大きな長テーブルが鎮座している。
俺は熊五郎を部屋の入り口付近に座らせて、アリステリアと共に改めてサラの父親に自己紹介をする。
長テーブルの一番奥に座っていたサラの父親は、値踏みするように俺を一瞥だけすると「バルムンクだ」と実に素っ気ない返事をされた。
しかし、サラが一言「熊五郎」と呟くと入り口付近で寝そべっていた熊五郎がすっくと立ち上がる。
それを見たサラの父親は慌てて立ち上がるなり、背広の襟を正してこちらに手を差し出してきた。
「済まない。バルムンク=ハインツ=スウェンだ」
父親であるバルムンクの変わり身にも驚くが、サラと熊五郎がいつの間に仲良くなったというか息ピッタリなのも驚きだ。
「取り敢えず、今までの事は後回しにするとして、お父様。此処に“賢者の卵”と“賢者の父”の役割を持つ人がいると聞いたのだけど、会わせてもらえないかしら」
「あの二人にか!? いや、構わないが」
バルムンクは使用人を呼び出し「アイザックとイシューの二人を連れてきなさい」と命じた。
しばらく誰も話さない重苦しい空気の中、ようやく使用人が戻って来たが他には誰もいない。
使用人曰く、地下にある何万冊と所蔵している書庫にいたらしいのだが、突然の揺れに棚が倒れ本は散らばり埋もれ手織り、今手分けして捜索しているという。
誰のせいかは火を見るより明らかであり、気まずい空気の中、「ハイ!! アリスちゃんも宝探しやりたいです!」と元気よく発言するのであった。
俺は泣き続けるアリステリアを何度も「大丈夫だから」と声をかけ続け、落ち着かせようと必死だった。
地面に直径で二十メートル級の凹みを作ったせいで、アリステリアの側にあった馬車は当然横転。
その際、張りぼてに近い檻は壊れ、中から熊五郎がこんにちは。
それを見た使用人とサラの母親は、大混乱で逃げ惑う。
わらわらと集まってきた警備の兵士が槍や剣を熊五郎に向けるのとアリステリアが泣いているのを見て熊五郎が咆哮、そして兵士に向かって突進。
怪我人、屋敷の庭や門の破壊と、今からでもこの場からアリステリアを連れて逃げ出したい気分だ。
「アリス、アリス! 熊五郎を呼びなさい! ほら、泣き止んで」
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涙を腕で拭いながらアリステリアは俺から離れ熊五郎の名前を何度かか細い声で呼び続けると、ピクリと体格に似合わず小さな耳を反応させた熊五郎は、アリステリアに向かって一目散に駆け寄り、そのまま体当たりをぶちかます。
「熊五郎ぉ~」
怪我人が出る威力の体当たりを片手で受け止めたアリステリアは、そのまま熊五郎に抱擁する。
「はぁ~……随分と派手にやってくれたわねぇ」
流石にサラも取り乱したのか、後ろでまとめていた金色の髪がほどけて、長い髪をかきあげながら辺りを見渡す。
しかし、表情は怒っているというより、実にしてやったりと楽しそうに笑っていた。
「もしかして弁償とか気にしてるの? そんなこと私が絶対させないわよ。あっ、その前に……」
サラはアリステリアの目線を合わせるようにしゃがむと深々と頭を下げた。
「アリスちゃん! 本当にごめんなさい!! 私がパパを身代わりにしちゃったからイジメられてると勘違いしたんだよね! 本当にごめんなさい!」
「うぅ……パパ、いじめちゃだめです」
「そうだね、ごめんね」
サラに頭をそっと撫でられたアリステリアはズズッ……と、鼻水をすすりながら、目を瞑り落ち着きを完全に取り戻した。
「なんじゃこりゃあああ!!」
突然の叫びに顔を向けると、先ほどまでぐったりしていたはずのサラの父親だった。
気付けば庭が壊れ、多くの兵士がうずくまり、自分に肩を貸していた使用人も周りにおらず、遠巻きで震えているのだから、無理もなかった。
俺とアリステリアと熊五郎は、サラの父親の元に向かい、謝罪を述べた。
しかし、接近してきた熊五郎を見てアワアワとしており、初めの凛々しさのある毅然とした姿は見る陰もない。
「別に謝る必要ないわよ。人の話を聞こうとしない罰よ」
その横でサラは腕を組みそっぽ向く。
「し、しかしだな!」
辛うじて反論する父親を遮るようにサラは距離を詰めると父親の鼻先に指を付ける。
「ふんっ! 今までこんな広い、大人数で手入れしなければならない庭なんて無駄だと思っていたのよ! こんなところにお金かける暇があるなら、もっと貧困層に還元しなさいよ!」
サラの剣幕に押されぎみの父親をみかねて今度はサラの母親が割って入ろうとしてきたので、サラは矛先を母親に変えた。
「お母様も同じ! お父様を全く止めようともしないで! 大体、お母様も元は貧困層の出身でしょう! 私が何も知らないとでも? 嫌ね、お金持つと人の心を失うのかしら!?」
サラの両親はぐうの音もでず、説教は延々に続くかと思われた。
「アラキに至ってもそう! 貧困層の勇者だからって馬鹿にしたのも知ってるのよ! 分かってる? 彼はその前に娘である私の命の恩人なのよ? アラキを軽く見てるなら、娘である私の命を軽く見てると言うことなのよ!」
サラの両親は益々サラの前で縮こまる。
『俺が行くと面倒臭い事になるから』
アラキは俺達が此処に来る前にそんなことを言っていた。自分が行けばもっと拗れると思っての発言だったのだろう。
ずっと続くかと思われた説教だったが、サラが使用人の一人に怪我人を出来るだけ一箇所に集めるように指示を出す。
その作業が終わるまで説教は続いたが、使用人から完了した事を伝えられると両親を横目に怪我人達の所に向かった。
「すぅぅ……バルス・サークル!」
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集められた怪我人を天に昇る光の円柱の中に閉じ込める。
地面から空へと光は上昇し続け、やがて怪我人の一人が何事もなかったかのように立ち上がった。
あらかた怪我人が回復したところで光の円柱は消え失せると、サラは荒くなった自分の息を整える。
「お疲れ。言ってくれれば俺とアリスで手分けして治したのに」
「いいのよ。これも“聖女”の役割よ。まあ、本来は説教を説いて人々を救うってのが主なのだけど」
サラの両親は説教を受けている間、嘘のように静かに反論もしなかった。正論、と言えばそれまでなのだろうが、もしかしたら半ば強制的に黙って聞かされる所もあるのかもしれない。
「どうしたの笑って?」
「いや、サラみたいな人が“聖女”で良かったなって」
悪人が“聖女”の役割を持っていたら、その悪人の思想が広まる事になる。それは時間をかけて大きな渦となり、きっと人々を混乱に陥れるだろう。
サラは再び父親の元に向かい母親も交えて話を始めた。親子間の事に他人の俺が口出しするのもおかしいので、庭の壊れた石像や噴水の瓦礫を取り除く作業を手伝う。
「タツロウ!」
話を終えたのかサラが手招きしてくる。どうやら屋敷に入れてもらえるようだ。
すっかり甘えてくるアリステリアを抱き抱え、俺と熊五郎が屋敷の方へと向かうと玄関先で止められる。
「あの……熊は……」
「構わないわ!! 熊五郎も入れなさい!」
サラの鶴の一声で使用人は大人しく下がり「失礼しました」と頭を垂れた。
サラの実家の屋敷はそれはそれは大きく、熊五郎が立ってでも入れる玄関扉、熊五郎が歩いた後は毛だらけになり掃除が大変そうな起毛の立った踏み心地のいい絨毯が隙間なく床に埋め尽くされている。
他にもあちこちに高そうな調度品が。
絶対熊五郎を入れたら駄目な場所。歩く度に起毛が爪に引っ掛かり、無理矢理取り外そうとする度に、調度品がぐらぐら揺れる。
サラに案内された場所はかなり縦長のリビングで、真ん中には大きな長テーブルが鎮座している。
俺は熊五郎を部屋の入り口付近に座らせて、アリステリアと共に改めてサラの父親に自己紹介をする。
長テーブルの一番奥に座っていたサラの父親は、値踏みするように俺を一瞥だけすると「バルムンクだ」と実に素っ気ない返事をされた。
しかし、サラが一言「熊五郎」と呟くと入り口付近で寝そべっていた熊五郎がすっくと立ち上がる。
それを見たサラの父親は慌てて立ち上がるなり、背広の襟を正してこちらに手を差し出してきた。
「済まない。バルムンク=ハインツ=スウェンだ」
父親であるバルムンクの変わり身にも驚くが、サラと熊五郎がいつの間に仲良くなったというか息ピッタリなのも驚きだ。
「取り敢えず、今までの事は後回しにするとして、お父様。此処に“賢者の卵”と“賢者の父”の役割を持つ人がいると聞いたのだけど、会わせてもらえないかしら」
「あの二人にか!? いや、構わないが」
バルムンクは使用人を呼び出し「アイザックとイシューの二人を連れてきなさい」と命じた。
しばらく誰も話さない重苦しい空気の中、ようやく使用人が戻って来たが他には誰もいない。
使用人曰く、地下にある何万冊と所蔵している書庫にいたらしいのだが、突然の揺れに棚が倒れ本は散らばり埋もれ手織り、今手分けして捜索しているという。
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