傷物令嬢は騎士に夢をみるのを諦めました

みん

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ルー

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あぁ…そうか…思い出した。

何故、忘れていたんだろう?

が無事で良かった。
















「シルフィーちゃん、大丈夫!?」

「──ん?アヤメ…さん?」

「えっと、覚えてるかしら?シルフィーちゃん、マクウェル様達をお迎えしている時に倒れたのよ。」

「あ…」

「まだ少し顔色は悪いけど…大丈夫そうね?何か飲み物でももらって来るわ。」

私のベットサイドに居たアヤメさんが、座っていた椅子から立ち上がる。

「アヤメさん、待って!少し…2人だけで話しがしたいの!」

「はい!勿論喜んでお話しするわ!!!」

と、アヤメさんは直ぐ様椅子に座り直した。










「思い…出したのね。」

「はい…。それで…ひょっとして、アヤメさんは…その“マンガ”で知ってたのかな?って思って…。」

すると、アヤメさんは困った顔をして

「ごめんなさい。知っていたわ。でも…私から言う事ではないと思ったのよ。他人ひとから言われても…自分が覚えていないなら、意味は無いでしょう?でも…シルフィーちゃんが思い出したなら…コレは言っても大丈夫かなぁ?」

アヤメさんは少し逡巡した後



の方も、その時の記憶が抜けてるのよ。だから、は、シルフィーちゃんを見ても、何の反応もしなかったのよ。」














ーなる程なー


と納得した。
記憶が戻った時─あれ?何故、は私を見ても何も反応しなかったの?と思ったけど…も忘れているなら仕方無い。


私が負った傷は


小さい頃に一緒に遊んでいた、を──


様を、庇って受けた傷だった──















その日の夜に、お祖父様と話をする為に時間を空けてもらった。倒れたばかりだから明日に─と言われたが、明日また、マクウェル様が来るかもしれない為、何とか夜にと説得をした。








「思い出したのか…。」

「ひょっとして、お祖父様は知っていたのですか?」

執務室には、お祖父様と私の2人だけ。そこで、私が記憶を思い出したと話しても、お祖父様はあまり驚いた感じがなかった。

「“知っていた”のではなく、“多分そうだろう”と思っていたんだ。シルフィーが思い出したのなら、お前には言っておこう。」

と、お祖父様から聞いた話は──








実は、レオグル様と結婚した相手が、実は隣国の前国王3番目の則妃の娘─第7王女だった。ただ、則妃と言っても身分が男爵と低かった事もあり、前国王が死去した後、母子は王宮からは勿論の事、王族の籍からも外してもらい男爵領に戻ったそうだ。

王族の籍を外してもらったのは、これから先王族のいざこざに巻き込まれたくなかったからだった。

そうして、その娘が成人して他国からやって来た留学生のレオグル様と知り合い恋をして、結婚。
自国の王女と、隣国の特殊な血を引き継ぐ伯爵子息の結婚。
現国王は賢王と知られていて、隣国もとても発展豊かな国なのだが、次代の国王─王太子に少し問題があった。

その為、誰を立太子させるかで揉めに揉めたらしい。そこで、まだ幼いマクウェル様迄影響が出始めた。国内に居ては危険かもしれないと、レオグル様の国で、後継ぎ問題が落ち着くまで過ごす事にしたそうだ。








、マクウェル殿を狙ったのは、おそらく隣国の者だ。マクウェル殿に付けていたの1人が、その者を捕まえたのだが…その場で仕込んでいた毒で自殺されてしまってな。詳細は闇に葬られたままだ。」

あの時、急に現れてマクウェル様を連れて逃げてくれたのは、影の人だったのか。

「その時に居た影によると…マクウェル殿は1人だったと。でも、マクウェル殿は、“ルーを助けて!”と言っていたらしい。ルーとは、シルフィーの事で、その時、シルフィーはを使っていた為に誰にも気付かれなかったのだろう─と。」

「なら…私がを使っていたせいで、誰にも気付かれなくて、毒に侵されて…魔力暴走を起こしてしまったと言う事ですね?」

「おそらく。ある意味、魔力暴走が起こって良かったのかもしれないな。それがなければ…シルフィーは毒によって命を落としていたかもしれない。私はな、シルフィーにとっては辛いモノでしかない傷痕があっても、魔力が殆ど無くなってしまっていても、シルフィーが生きている事が─それだけで嬉しいんだ。」

お祖父様が優しく微笑んで、私の頭をポンポンと叩く。



「それと、もう気付いているとは思うが…マクウェル殿もあの時の記憶を失っている。あれ程ルー!ルー!と叫んでいたらしいのだが…あまりにも興奮しているからと、落ち着かせる薬湯を飲ませ寝かしつけた後、次に目を覚した時はその一月前後の記憶を失っていたそうだ。」





『“ルー”?それは、だあれ?』


マクウェルに付いていた影も、ルーの存在には気付いていなかった。唯一気付いていたマクウェルが忘れてしまったのなら……と、そのまま放っておかれたのだった。







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