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アヤメの覚悟
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「それに、シルフィーちゃんがベルフォーネ嬢と一緒に居ると言う事は、冤罪を防ぐ事が出来る─完璧にね。」
ーなる程ねー
「そうですね。私なら、完璧に防げますね。」
「それを、エレーナは知らないから。」
ニヤッ─と、黒い笑顔を浮かべるアヤメさん。
「でも…エレーナは、アヤメさん─カルディア叔母様の実の娘でしょう?エレーナも助けなくて良いの?」
今迄も、アヤメさんは私を守るのと同じ様に、エレーナの事も守っている様にみえた。例え、中身がカルディアではなくても、カルディアとしての記憶があると言っていたから、アヤメさんにとってもエレーナが娘である事には変わらないのだと思っていた。
「シルフィーちゃんは他人よく見ているし…優しいのね。確かに、私は娘であるエレーナも馬鹿な事をしないように守ろうとしたわ。でもね…もう、あの子はエレーナじゃないのよ。エレーナ自身が、私を母親ではなく…邪魔者として見ているのよ。それに、シルフィーちゃんやベルフォーネ嬢を蹴落とそうとしている。他人の人生を…ゲーム感覚で楽しんでる。そんなエレーナを、娘でなくても、娘だからこそ私は許せないのよ。この3年、私はエレーナにそれとなく忠告はして来たわ。それでも、あの子は変わることは無かった。」
アヤメさんは手をギュッと握った後、私に視線を合わせる。
「エレーナが、自分の為だけの幸せを選んだのなら、私はもうエレーナを守る事はしないわ。もう、娘だとも─思わない。」
3年─
その間には、色々な葛藤があったんだろう。誰にも相談も出来ず、苦しんでいる姿なんておくびにも出さず、いつも私を気に掛けてくれていた。そんなアヤメさんの方が、ずっと優しい人だ。そんな優しい人が、我が子を切り捨てるとは─その決断をしたのは、本当に辛かっただろうと思う。
アヤメさんは私にとって…恩人でもあり、尊敬できる人でもある。本当に感謝している。
今のアヤメさんの願いは、ベルフォーネ様と私の幸せ。ならば、私は全力でベルフォーネ様を守ろう。そして、私も…前を向いて進んで行こう。
ー恋愛や結婚は…置いといてー
「分かったわ。私は…ベルフォーネ様と王太子殿下が幸せになれるように…守ってみせるわ。」
私もしっかりとアヤメさんを見据えながら答えると
「ありがとう─」
と、アヤメさんは、目に薄っすらと涙を浮かべて微笑んだ。
それから、私がベルフォーネ=アルダートン公爵令嬢付の侍女兼護衛になる事が正式に決まり、予定よりも早く(半年前)に王都のキリクス邸に帰る事になった。
王都のキリクス邸に帰るのは…何年ぶりだろうか?
少し緊張しながら邸に到着し、ソロソロと馬車から降りると
「「シルフィー!!」」
「へっ!?」
間抜けな声が出たのは許して欲しい。
馬車を降りた途端、お父様とお兄様が抱き付いて来たのだ。それに、お兄様はともかく、お父様が迎えてくれるとは思ってもいなかったのだ。
「あのっ…お父様、お仕事は…」
2人からギュウギュウと抱き付かれてる状況の中、何とか押し返して離してもらった。
「愛しの娘が帰って来るのに、仕事なんてしていられないだろう?陛下にも宰相にも許可をもらって、休みにしてもらったよ!」
ー“圧を掛けた”の間違いでは…無いよね??ー
「シルフィー、本当に…元気そうで良かった!あぁー本当にシルフィーは可愛いね!」
何故かお兄様は涙を流して喜んでいる。
ーお兄様って、こんな人だったっけ?ー
とにかく、久し振りに会ったお父様もお兄様も、私を笑顔で迎えてくれて良かった。
それから、お父様とお兄様に挟まれて手を繋がれて、邸へと入って行った。
その時の使用人達の微笑ましく見つめてくる眼差しを…恥しいながらも嬉しく思いながら──。
その日は、お父様とお兄様と3人で沢山話しをした。
昼食と夕食も3人一緒に食べた。
夕食後から寝る迄も、沢山話しをした。
「シルが、元気になっていて良かった。急に武術を習いたいなんて言い出したから…心配してたけど。」
「お父様…今迄、心配を掛けてしまってごめんなさい。」
「いや、そんな事は気にしなくて良いんだよ。シルが前を向いて進んでいる事が嬉しいからね。これから、“盾”として色々と大変だとは思うが…お祖父様のお墨付きだから、シルは胸を張って頑張りなさい。」
「はい。キリクスの名に恥じないように努めて参ります。」
「うん。良い目をしているね。正式な“盾”としての契約は、一週間後に王城で行うから、それ迄はゆっくりしておいで。」
「分かりました。」
そして、その日はそれで各々の部屋へと下がって行った。
翌日、約束通り、マクウェル様には手紙を書いた。
“ベルフォーネ=アルダートン様付の侍女になった為、予定よりも早く王都に帰ります”
“シルフィーの好きそうなケーキを見付けたから、買って持って行くね”
と、返事が来た。
どうやら、マクウェル様は相変わらずみたいだ。変わっていないようで、ホッと安心する。
そうして、返事が来た2日後、マクウェル様がキリクス邸にやって来た。
ーなる程ねー
「そうですね。私なら、完璧に防げますね。」
「それを、エレーナは知らないから。」
ニヤッ─と、黒い笑顔を浮かべるアヤメさん。
「でも…エレーナは、アヤメさん─カルディア叔母様の実の娘でしょう?エレーナも助けなくて良いの?」
今迄も、アヤメさんは私を守るのと同じ様に、エレーナの事も守っている様にみえた。例え、中身がカルディアではなくても、カルディアとしての記憶があると言っていたから、アヤメさんにとってもエレーナが娘である事には変わらないのだと思っていた。
「シルフィーちゃんは他人よく見ているし…優しいのね。確かに、私は娘であるエレーナも馬鹿な事をしないように守ろうとしたわ。でもね…もう、あの子はエレーナじゃないのよ。エレーナ自身が、私を母親ではなく…邪魔者として見ているのよ。それに、シルフィーちゃんやベルフォーネ嬢を蹴落とそうとしている。他人の人生を…ゲーム感覚で楽しんでる。そんなエレーナを、娘でなくても、娘だからこそ私は許せないのよ。この3年、私はエレーナにそれとなく忠告はして来たわ。それでも、あの子は変わることは無かった。」
アヤメさんは手をギュッと握った後、私に視線を合わせる。
「エレーナが、自分の為だけの幸せを選んだのなら、私はもうエレーナを守る事はしないわ。もう、娘だとも─思わない。」
3年─
その間には、色々な葛藤があったんだろう。誰にも相談も出来ず、苦しんでいる姿なんておくびにも出さず、いつも私を気に掛けてくれていた。そんなアヤメさんの方が、ずっと優しい人だ。そんな優しい人が、我が子を切り捨てるとは─その決断をしたのは、本当に辛かっただろうと思う。
アヤメさんは私にとって…恩人でもあり、尊敬できる人でもある。本当に感謝している。
今のアヤメさんの願いは、ベルフォーネ様と私の幸せ。ならば、私は全力でベルフォーネ様を守ろう。そして、私も…前を向いて進んで行こう。
ー恋愛や結婚は…置いといてー
「分かったわ。私は…ベルフォーネ様と王太子殿下が幸せになれるように…守ってみせるわ。」
私もしっかりとアヤメさんを見据えながら答えると
「ありがとう─」
と、アヤメさんは、目に薄っすらと涙を浮かべて微笑んだ。
それから、私がベルフォーネ=アルダートン公爵令嬢付の侍女兼護衛になる事が正式に決まり、予定よりも早く(半年前)に王都のキリクス邸に帰る事になった。
王都のキリクス邸に帰るのは…何年ぶりだろうか?
少し緊張しながら邸に到着し、ソロソロと馬車から降りると
「「シルフィー!!」」
「へっ!?」
間抜けな声が出たのは許して欲しい。
馬車を降りた途端、お父様とお兄様が抱き付いて来たのだ。それに、お兄様はともかく、お父様が迎えてくれるとは思ってもいなかったのだ。
「あのっ…お父様、お仕事は…」
2人からギュウギュウと抱き付かれてる状況の中、何とか押し返して離してもらった。
「愛しの娘が帰って来るのに、仕事なんてしていられないだろう?陛下にも宰相にも許可をもらって、休みにしてもらったよ!」
ー“圧を掛けた”の間違いでは…無いよね??ー
「シルフィー、本当に…元気そうで良かった!あぁー本当にシルフィーは可愛いね!」
何故かお兄様は涙を流して喜んでいる。
ーお兄様って、こんな人だったっけ?ー
とにかく、久し振りに会ったお父様もお兄様も、私を笑顔で迎えてくれて良かった。
それから、お父様とお兄様に挟まれて手を繋がれて、邸へと入って行った。
その時の使用人達の微笑ましく見つめてくる眼差しを…恥しいながらも嬉しく思いながら──。
その日は、お父様とお兄様と3人で沢山話しをした。
昼食と夕食も3人一緒に食べた。
夕食後から寝る迄も、沢山話しをした。
「シルが、元気になっていて良かった。急に武術を習いたいなんて言い出したから…心配してたけど。」
「お父様…今迄、心配を掛けてしまってごめんなさい。」
「いや、そんな事は気にしなくて良いんだよ。シルが前を向いて進んでいる事が嬉しいからね。これから、“盾”として色々と大変だとは思うが…お祖父様のお墨付きだから、シルは胸を張って頑張りなさい。」
「はい。キリクスの名に恥じないように努めて参ります。」
「うん。良い目をしているね。正式な“盾”としての契約は、一週間後に王城で行うから、それ迄はゆっくりしておいで。」
「分かりました。」
そして、その日はそれで各々の部屋へと下がって行った。
翌日、約束通り、マクウェル様には手紙を書いた。
“ベルフォーネ=アルダートン様付の侍女になった為、予定よりも早く王都に帰ります”
“シルフィーの好きそうなケーキを見付けたから、買って持って行くね”
と、返事が来た。
どうやら、マクウェル様は相変わらずみたいだ。変わっていないようで、ホッと安心する。
そうして、返事が来た2日後、マクウェル様がキリクス邸にやって来た。
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