傷物令嬢は騎士に夢をみるのを諦めました

みん

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女狐

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「あんの…女狐が!」

「メギツネ……」

中身は違えど、仮にも自分の娘を“女狐”呼ばわりとは─




マクウェル様からのよく分からない問い詰めの後

“よく分からない事が起きているかもしれないから、会って話がしたい”

と、アヤメさんに手紙を送ると、翌日、休みでキリクス邸に居る私の元へとやって来てくれた。
そこで、前日にマクウェル様に言われた事をアヤメさんに話したところ、アヤメさんの口から出て来たのが“女狐”だった。

「ええ、アレは“女狐”で十分よ!あの女狐、中身はそこそこの年齢だと思うわ。もう、本当に娘とは思えないから!」

「そ…そうなんだ…」

それは…良かった?んだろうか?

「兎に角、あの女狐、既にと言う事ね。シルフィーちゃんがマクウェル様に依存してないから、自分に手を出して来ないかもと思ったんじゃないかしら?それで、シルフィーちゃんを悪者にして、自分を悲劇のヒロインに仕立てようとしているのよ…どうしてやろうかしら?」

ー何故だろう…怒っているのに、愉しそうな顔をしているのはー

「手紙の確認なんですけど、私からの手紙は、アヤメさん経由でしか渡されてないですよね?」

「それは勿論よ。手紙や荷物等の贈り物全てに関して、先ずは本邸で家令が預って、それから別邸に住んでいる私とエレーナとアーロン宛の物は誰の物でもあっても、必ず私が預ってから私の手から渡しているわ。入園式の当日、シルフィーちゃんが“一緒に行けなくてごめんね”と言う手紙は、勿論私が読んでエレーナとアーロンに直接伝えたわ。だから、2人は予定通りで馬車に乗って出て行ったのよ。」

「でも、マクウェル様が言うには、エレーナは1人で歩いていたって…。」

何故アーロンが一緒に居なかったのか…

「…最近、アーロンの元気が無いのよね…。」

アヤメさんがポツリと呟く。

「入園式の少し前位から…かしら?アーロンの元気がないな?と思って。何となくエレーナとアーロンがギクシャクしてるような感じもあるのよね…。いくら双子とは言え、年齢的にそう言う年頃なんだと言えば…おかしくはないんだけどね。」

「アーロンの事は分からないけど…手紙に関しては何かあったとしても大丈夫なようにはしてるから、約束をした事は無い─と証明できるわ。ただ─このまま第二王子とエレーナが関わるようになって、ベルフォーネ様に影響が出るのなら、私も黙ってはいられないけど…」

「黙っている必要はないわよ!バッサリとざまあすれば良いのよ!遠慮無くね!その為にも、証拠はきっちり押さえておかないとね!ふふふっ─。」

アヤメさんの目が…据わっている。

「それで、結局は…エレーナはマクウェル様の婚約者になりたいの?それとも、第二王子なの?」

「おそらく、マクウェル様じゃないかしら?でなければ、シルフィーちゃんを陥れようとする意味がないでしょう?女狐は馬鹿ではないらしいから、王族から離席する第二王子よりも、確実に公爵位を継ぐマクウェル様の方が良いと─思ったのかもね。」

そう、エレーナは本当に賢いのだ。

成績順に、A~Dクラスに振り分け割れるのだが、どんなに成績が良よくても基本平民はAクラスには入れない。どうしてもAクラスには王族をはじめ高位貴族が多くなる為、平民は入れないようにされている。そんな中で、エレーナもアーロンもBクラス。しかも、平民ではあるが礼儀作法等も特に問題は無いようだ。

「全て計算されてるわね。ヒドインじゃな分、こっちも慎重にいかないとね。」

「可能性として、エレーナが心を入れ替えてて、ベルフォーネ様や私を陥れようとしてない─って事は…」
「それは有り得ないわね!」

ですよね。でなければ、マクウェル様からあんな事言われないよね。

「私やベルフォーネ様を陥れなくても、マクウェル様の婚約者になりたい─と言えば…なれると思うんだけどね。」

婚約者候補のままではあるけど、お祖父様にはなりたくないと意思表示をしたから。

「そこよ。あの女狐は、ゲーム感覚で楽しんでるのよ。シルフィーちゃんやベルフォーネ嬢を陥れなくても、マクウェル様とうまくいっているのにも関わらず、漫画のストーリー通りにしようとしている─私は、それが許せないのよ。」

ーなるほどー

アヤメさんは、本当に私とベルフォーネ様の幸せを願っていてくれているのね。改めて思い知る。

「アヤメさん。取り敢えず、これから私が気を付ける事はある?」

「そうね…取り敢えずは…日記みたいなものはあった方が良いわね。何か濡れ衣を着せられたとしても、アリバイ作り?になるだろうしね。」

「あぁ、それなら大丈夫です─他には?」

「シルフィーちゃんは、今迄通りで大丈夫だと思うわ。既に漫画とは違うからね。“盾”であるだけで大丈夫よ。それとは全く関係無いんだけど…気になったから訊いちゃうけど…シルフィーちゃん、少し、魔力が増えてない?」

「え?アヤメさん…分かるの?」

「うーん…何となくなんだけどね?転生あるあるのチートは無かったんだけど…他人ひとの魔力が視えるのよね。」

ーえ?それって、結構凄い事だと思うよ!?ー

「えっと…実は───」





と、王弟殿下との治療の話をアヤメさんにすると










「王弟殿下───ですって!?」

と、囁いた後、固まった。
















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