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断罪劇
「ベルフォーネ=アルダートン。あなたは、王太子妃には相応しくない!あなたには…失望しました!」
ーあぁ…本当に…現実になってしまった…あの人─アヤメさんの言っていた通りにー
はぁ─と、誰にも気付かれないように小さく溜息を吐いた。
ユシール王子に呼び出されてやって来た生徒会室。
その生徒会室に入った途端、挨拶も無く座る事も許されずユシール王子がベルフォーネ様を糾弾し始めた。
そのベルフォーネ様は、ユシール王子を正面からしっかりと見据えて凛とした姿で立っている。
ユシール王子は、両脇に側近2人を並ばせている。そして、自身の背後にもう一人…。王子はその人物を背に庇うようにして立っている。
ーはぁ─…あの髪色は…あの子─エレーナよね?頭が痛いわー
「ユシール王子。失望した─とは…一体何の事かしら?」
ベルフォーネ様は、怯える事無くしっかりとした声でユシール王子に問う。
「白を切るのか?兄上を騙せても、私は騙されない!」
ーいやいやいや…あの王太子殿下を騙せてユシール王子が騙されないとか!絶対無いわ!ー
「騙す?私が?」
と、ベルフォーネ様がコテンと首を傾げる。
これは、ベルフォーネ様が愉しんでいる時によくする仕草である。そう。ベルフォーネ様は、今、この時を…とっても愉しんでいるのだ。なので、私も心穏やかに脳内で突っ込みができるのだ。
「あなたは…エレーナを平民扱いして、私と仲良くするのは身分が相応しく無いからと、色々な嫌がらせをしていたのだろう!エレーナが大丈夫だから─と、何も言わなかったが…。」
「言わなかったが…何ですの?」
話しの続きを促したベルフォーネ様に、ユシール王子は睨むように視線を上げて
「はっ!何を白々しい!あなたは、それでも私と仲良くしているエレーナに腹を立て、エレーナに怪我を負わせた!その様な行いをする女は、兄上─王太子妃には相応しくない!この事は、私から国王陛下に申し上げるつもりだ。」
「…ユシール様…」
ユシール王子の背後から、か細い声でユシール王子を呼びながら目を潤ませたエレーナが顔を出して来た。
「あぁ、エレーナ。大丈夫だからね。」
「「………」」
今の私にはベルフォーネ様の後ろ姿しか見えないけど、きっと私と同じ気持ちで、遠い目になっているだろう。
コホン─
「えっと?第二王子様。一つ…宜しいでしょうか?」
ーあ、名前呼びじゃなくなった。これは…キレてるわねー
「何だ?謝罪か?」
「ふふっ。ご冗談を。そもそも、私とエレーナ嬢…でしたかしら?は学年が違いますし、挨拶も交していませんから…直接お話した事がありませんの。なのに…どうやって嫌がらせをしたと?それに、第二王子が誰と交流を持とうが、私には全く関係ありませんもの。」
「なっ!?」
「そうでしょう?私は、第二王子ではなく王太子殿下の婚約者です。ですから、第二王子が誰とお付き合いしようが、私には全く関係ありませんの。あぁ、王太子殿下に影響が出るようなら…容赦はしませんが…。」
ーベルフォーネ様、めちゃくちゃ怒ってるなぁー
「第二王子様、お話は…これだけかしら?これだけでしたら、私も暇ではありませんので、下がりたいのですが。」
「何を…話はまだだ!おい、シルフィー!お前だ!」
ーえ?私!?ー
「お前はエレーナとは従姉妹だろう!それなのに、何故エレーナを助けてやらなかった!?お前とは違って、エレーナはか弱いのだぞ!?」
ーか弱い…ねぇ…狡賢いの間違いでしょう?ー
「発言、宜しいでしょうか?助けるも何も…嫌がらせをされていたなんて事は、今の今迄知りませんでしたので。エレーナの口から聞いた事も、相談された事もありません。」
ハッキリキッパリと答えさせてもらいますよ。
「だって…シルフィーは…ベルフォーネ様にお仕えしてるから…相談できなかったのよ…」
「エレーナ…」
エレーナは、ポロリと綺麗な涙を零し、第二王子はその涙を優しく拭って──
ーはぁ─私達は、一体何を見せられてるの?もう帰って良いんじゃないかなぁ?ー
そう思い、一歩進もうとした時
「本当に、あなたがそんな人だったとは…」
私の後ろに居た彼が、私よりも早く動き、私の左腕を掴んで捻り上げた。
「───っ!?」
「勝手に動くな。また、エレーナを傷付けようとするのか?」
ー本当に…この人は…ー
昔は…貴方も、こんな人ではなかったのに。この人となら──と、淡い気持ちを抱いていたのに。
私は、あの時──貴方を────
「今すぐその手を離せ。」
「え?」
地を這うような声と共に、この部屋に一瞬にしてピリピリと肌を刺激するような空気が漂った。
❋この話は、殆どプロローグと被っている為、今日はもう1話投稿します❋
( *ᴗˬᴗ)⁾⁾
ーあぁ…本当に…現実になってしまった…あの人─アヤメさんの言っていた通りにー
はぁ─と、誰にも気付かれないように小さく溜息を吐いた。
ユシール王子に呼び出されてやって来た生徒会室。
その生徒会室に入った途端、挨拶も無く座る事も許されずユシール王子がベルフォーネ様を糾弾し始めた。
そのベルフォーネ様は、ユシール王子を正面からしっかりと見据えて凛とした姿で立っている。
ユシール王子は、両脇に側近2人を並ばせている。そして、自身の背後にもう一人…。王子はその人物を背に庇うようにして立っている。
ーはぁ─…あの髪色は…あの子─エレーナよね?頭が痛いわー
「ユシール王子。失望した─とは…一体何の事かしら?」
ベルフォーネ様は、怯える事無くしっかりとした声でユシール王子に問う。
「白を切るのか?兄上を騙せても、私は騙されない!」
ーいやいやいや…あの王太子殿下を騙せてユシール王子が騙されないとか!絶対無いわ!ー
「騙す?私が?」
と、ベルフォーネ様がコテンと首を傾げる。
これは、ベルフォーネ様が愉しんでいる時によくする仕草である。そう。ベルフォーネ様は、今、この時を…とっても愉しんでいるのだ。なので、私も心穏やかに脳内で突っ込みができるのだ。
「あなたは…エレーナを平民扱いして、私と仲良くするのは身分が相応しく無いからと、色々な嫌がらせをしていたのだろう!エレーナが大丈夫だから─と、何も言わなかったが…。」
「言わなかったが…何ですの?」
話しの続きを促したベルフォーネ様に、ユシール王子は睨むように視線を上げて
「はっ!何を白々しい!あなたは、それでも私と仲良くしているエレーナに腹を立て、エレーナに怪我を負わせた!その様な行いをする女は、兄上─王太子妃には相応しくない!この事は、私から国王陛下に申し上げるつもりだ。」
「…ユシール様…」
ユシール王子の背後から、か細い声でユシール王子を呼びながら目を潤ませたエレーナが顔を出して来た。
「あぁ、エレーナ。大丈夫だからね。」
「「………」」
今の私にはベルフォーネ様の後ろ姿しか見えないけど、きっと私と同じ気持ちで、遠い目になっているだろう。
コホン─
「えっと?第二王子様。一つ…宜しいでしょうか?」
ーあ、名前呼びじゃなくなった。これは…キレてるわねー
「何だ?謝罪か?」
「ふふっ。ご冗談を。そもそも、私とエレーナ嬢…でしたかしら?は学年が違いますし、挨拶も交していませんから…直接お話した事がありませんの。なのに…どうやって嫌がらせをしたと?それに、第二王子が誰と交流を持とうが、私には全く関係ありませんもの。」
「なっ!?」
「そうでしょう?私は、第二王子ではなく王太子殿下の婚約者です。ですから、第二王子が誰とお付き合いしようが、私には全く関係ありませんの。あぁ、王太子殿下に影響が出るようなら…容赦はしませんが…。」
ーベルフォーネ様、めちゃくちゃ怒ってるなぁー
「第二王子様、お話は…これだけかしら?これだけでしたら、私も暇ではありませんので、下がりたいのですが。」
「何を…話はまだだ!おい、シルフィー!お前だ!」
ーえ?私!?ー
「お前はエレーナとは従姉妹だろう!それなのに、何故エレーナを助けてやらなかった!?お前とは違って、エレーナはか弱いのだぞ!?」
ーか弱い…ねぇ…狡賢いの間違いでしょう?ー
「発言、宜しいでしょうか?助けるも何も…嫌がらせをされていたなんて事は、今の今迄知りませんでしたので。エレーナの口から聞いた事も、相談された事もありません。」
ハッキリキッパリと答えさせてもらいますよ。
「だって…シルフィーは…ベルフォーネ様にお仕えしてるから…相談できなかったのよ…」
「エレーナ…」
エレーナは、ポロリと綺麗な涙を零し、第二王子はその涙を優しく拭って──
ーはぁ─私達は、一体何を見せられてるの?もう帰って良いんじゃないかなぁ?ー
そう思い、一歩進もうとした時
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私の後ろに居た彼が、私よりも早く動き、私の左腕を掴んで捻り上げた。
「───っ!?」
「勝手に動くな。また、エレーナを傷付けようとするのか?」
ー本当に…この人は…ー
昔は…貴方も、こんな人ではなかったのに。この人となら──と、淡い気持ちを抱いていたのに。
私は、あの時──貴方を────
「今すぐその手を離せ。」
「え?」
地を這うような声と共に、この部屋に一瞬にしてピリピリと肌を刺激するような空気が漂った。
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( *ᴗˬᴗ)⁾⁾
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