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❋お気に入り登録が100を超えました。登録していただき、ありがとうございます。感謝の気持ちを込めて閑話を投稿しました。よければ読んで下さい。読み飛ばしても、本編に影響はありません❋
(*,,˃ ᵕ ˂ )✰*。
*マーカス=リンデル*
「この女、本当にクズだな…」
この一言に尽きる。
この女とは─エレーナ嬢の事だ。
相変わらずユシール殿下は動いていない。側近である私にも何も言わない。聞くのはマクウェル様とエレーナ嬢の話と、噂だけ。
ー殿下は、こんなにも愚かな方だっただろうか?ー
いや、王族─第二王子でありながら人が好過ぎるのだろう。王族とは、お人好しでは駄目なのだ。王太子殿下や王弟殿下のように、腹黒さを持ち合わせていなければ……こうやって、簡単に騙されるのだ。それに、王族としての自覚もしっかり持つべきだろう。
シルフィー嬢について調べてみたら、そこから直ぐにエレーナの仕業だと言う事が判明した。誰もが噂を知ってはいるが、エレーナがベルフォーネ様やシルフィー嬢に苛められている─との目撃情報は皆無だった。“苛められているらしい”としか出て来なかった。
それに─
エレーナの双子の弟─アーロンも、何やら一人で動いている。
と言う事は、十中八九…いや、100%エレーナのでっち上げだろう。
そのエレーナは勿論の事、マクウェル様も殿下も…私とアーロンが動いている事には全く気付いてはいないだろう。
そんななか、あの3人は何やら企んでいるようで、ここ数日はこそこそと何やら話し合っている。
ー本当に、滑稽だなー
私とアーロンが既に離れている─なんて事には全く気付いてもいない。それに気付いた時…どんな顔をするのか…
「愉しみだな…」
「マーカス様は、相変わらず真っ黒ですわね。」
一人ニヤニヤしていると、これまた愉しそうに笑っているベルフォーネ様がやって来た。
「ベルフォーネ様も、向こうが動くのを楽しみに待っているのでしょう?」
「ふふっ。勿論よ。どんな馬鹿を曝け出してくれるのかしらね?」
「一つ…気になるんですけど…。王弟殿下って、シルフィー嬢を……」
「本当に、マーカス様はよく見てらっしゃるのね。」
ベルフォーネ様は答えてはいないけど、そう言う事なんだろう。
パッと見では分からないが、王弟殿下のシルフィー嬢を見る目が、何となく他とは違う気がするのだ。私がシルフィー嬢と話していると、何となく殺気?めいたモノを飛ばされている様な気も…しなくもないし…。
「あの王弟殿下がね…。本当に、面白い事だらけですね。」
「マーカス様、王太子殿下が、日を改めて話がしたいと言っていたので、予定を教えて下さるかしら?」
「王太子殿下が?それは……」
「ふふっ。アーロンと2人でね。良かったわね。」
第二王子の側近だった私は、これからどうするか?と色々考えていたけど──
「ありがとうございます。」
これからは、王太子殿下の元で頑張って行こう。
「ユシール殿下が、ベルフォーネ様とシルフィー嬢を呼び出したようです。」
ついに、ユシール殿下が動いて来た為、王弟殿下に報告をしに来た。
「ようやくか…どんな戯言が飛び出すのか…愉しみだな。」
と、これまた王弟殿下も真っ黒な笑顔を浮かべる。
「私も詳しくはしりませんが、証拠があるとか言ってましたけど…きちんとした証拠は無いと思います。“聞いた”や、“─が言っていた”程度の証拠かと。」
「はっ。それが証拠になると思っているところが凄いな。」
「あの…マクウェル様には気を付けた方が良いかもしれません。」
「気を付ける?」
「マクウェル様は、幼い頃……シルフィー嬢が好きだった…ようです。その分、シルフィー嬢に対する失望感?の様なモノが憎悪に変わっている感じですから、何をするか…」
と言いかけてから、ヒュッと息を呑んだ。
「マクウェルが、シルフィーに手を出す─と?」
王弟殿下は、口は笑っているのに、目は笑っていないどころか、その視線だけで人が凍ってしまいそうな程の冷気を纏っているかのようだ。
「シルフィーに手を出したら、それで…終わりにしてやる。」
ーマジかー
ニヤリと笑う王弟殿下。
「えっと…いくつ差ですか?」
「12─だな。」
「シルフィー嬢も、とんでもない方に…捕まってしまいましたね。」
「同感だ──。」
先程とは違い、フワリと笑う。
あぁ、本当にシルフィー嬢が好きなのか─。
あの無表情なシルフィー嬢が、王弟殿下の前ではどんな表情を見せているのか…気にはなるが…王弟殿下の絶対零度な視線と殺気は浴びたくはないから、適度な距離をもって接していこう。
そして始まったお馬鹿劇場。
お粗末過ぎて嗤える。
勿論、ベルフォーネ様も嗤っている。
ある意味、もう少し…頑張って欲しかった。
❋今日も、いつもの時間に本編を投稿します。宜しくお願いします❋
(*,,˃ ᵕ ˂ )✰*。
*マーカス=リンデル*
「この女、本当にクズだな…」
この一言に尽きる。
この女とは─エレーナ嬢の事だ。
相変わらずユシール殿下は動いていない。側近である私にも何も言わない。聞くのはマクウェル様とエレーナ嬢の話と、噂だけ。
ー殿下は、こんなにも愚かな方だっただろうか?ー
いや、王族─第二王子でありながら人が好過ぎるのだろう。王族とは、お人好しでは駄目なのだ。王太子殿下や王弟殿下のように、腹黒さを持ち合わせていなければ……こうやって、簡単に騙されるのだ。それに、王族としての自覚もしっかり持つべきだろう。
シルフィー嬢について調べてみたら、そこから直ぐにエレーナの仕業だと言う事が判明した。誰もが噂を知ってはいるが、エレーナがベルフォーネ様やシルフィー嬢に苛められている─との目撃情報は皆無だった。“苛められているらしい”としか出て来なかった。
それに─
エレーナの双子の弟─アーロンも、何やら一人で動いている。
と言う事は、十中八九…いや、100%エレーナのでっち上げだろう。
そのエレーナは勿論の事、マクウェル様も殿下も…私とアーロンが動いている事には全く気付いてはいないだろう。
そんななか、あの3人は何やら企んでいるようで、ここ数日はこそこそと何やら話し合っている。
ー本当に、滑稽だなー
私とアーロンが既に離れている─なんて事には全く気付いてもいない。それに気付いた時…どんな顔をするのか…
「愉しみだな…」
「マーカス様は、相変わらず真っ黒ですわね。」
一人ニヤニヤしていると、これまた愉しそうに笑っているベルフォーネ様がやって来た。
「ベルフォーネ様も、向こうが動くのを楽しみに待っているのでしょう?」
「ふふっ。勿論よ。どんな馬鹿を曝け出してくれるのかしらね?」
「一つ…気になるんですけど…。王弟殿下って、シルフィー嬢を……」
「本当に、マーカス様はよく見てらっしゃるのね。」
ベルフォーネ様は答えてはいないけど、そう言う事なんだろう。
パッと見では分からないが、王弟殿下のシルフィー嬢を見る目が、何となく他とは違う気がするのだ。私がシルフィー嬢と話していると、何となく殺気?めいたモノを飛ばされている様な気も…しなくもないし…。
「あの王弟殿下がね…。本当に、面白い事だらけですね。」
「マーカス様、王太子殿下が、日を改めて話がしたいと言っていたので、予定を教えて下さるかしら?」
「王太子殿下が?それは……」
「ふふっ。アーロンと2人でね。良かったわね。」
第二王子の側近だった私は、これからどうするか?と色々考えていたけど──
「ありがとうございます。」
これからは、王太子殿下の元で頑張って行こう。
「ユシール殿下が、ベルフォーネ様とシルフィー嬢を呼び出したようです。」
ついに、ユシール殿下が動いて来た為、王弟殿下に報告をしに来た。
「ようやくか…どんな戯言が飛び出すのか…愉しみだな。」
と、これまた王弟殿下も真っ黒な笑顔を浮かべる。
「私も詳しくはしりませんが、証拠があるとか言ってましたけど…きちんとした証拠は無いと思います。“聞いた”や、“─が言っていた”程度の証拠かと。」
「はっ。それが証拠になると思っているところが凄いな。」
「あの…マクウェル様には気を付けた方が良いかもしれません。」
「気を付ける?」
「マクウェル様は、幼い頃……シルフィー嬢が好きだった…ようです。その分、シルフィー嬢に対する失望感?の様なモノが憎悪に変わっている感じですから、何をするか…」
と言いかけてから、ヒュッと息を呑んだ。
「マクウェルが、シルフィーに手を出す─と?」
王弟殿下は、口は笑っているのに、目は笑っていないどころか、その視線だけで人が凍ってしまいそうな程の冷気を纏っているかのようだ。
「シルフィーに手を出したら、それで…終わりにしてやる。」
ーマジかー
ニヤリと笑う王弟殿下。
「えっと…いくつ差ですか?」
「12─だな。」
「シルフィー嬢も、とんでもない方に…捕まってしまいましたね。」
「同感だ──。」
先程とは違い、フワリと笑う。
あぁ、本当にシルフィー嬢が好きなのか─。
あの無表情なシルフィー嬢が、王弟殿下の前ではどんな表情を見せているのか…気にはなるが…王弟殿下の絶対零度な視線と殺気は浴びたくはないから、適度な距離をもって接していこう。
そして始まったお馬鹿劇場。
お粗末過ぎて嗤える。
勿論、ベルフォーネ様も嗤っている。
ある意味、もう少し…頑張って欲しかった。
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