モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第一章ー婚約ー

閑話ーカルザイン侯爵家ー

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*新年早々嬉しい事に、お気に入り登録が400を超えました。(*≧∀≦*)
お年玉をもらった気分です(笑)ありがとうございます!

感謝の気持ちを込めて、閑話を投稿しました。良ければ読んで下さい。勿論、読み飛ばしても本編に影響はありません*














「ルイス!ハルさんに会って来たわ!何なの!?あの可愛いリスは!本当にエディで良いのかしら!?」

バンッ─と、ルイスの居る執務室のドアを開けて、愛しのルーチェが興奮しながら私の元へとやって来た。

「ルーチェ、少し落ち着こうか?何処でハル殿に会ったの?」

「あ、それよそれ!イーサンのから知らせが来たのよ。毒蜂と小虫が、青の庭園に入り込んだ─って。」

それを聞いたルイスはピクリと反応し、珍しく怒りを表した。

「青の庭園に?今日?」

そう言いながら、チラリとルイスとルーチェのお茶を用意していた執事に目を向ける。

「ルイス様、それは想定外だったようです。後程、オルソレン伯爵様が、エディオル様に謝罪しにいらっしゃるそうです─お礼も兼ねて。」

「あぁ…。ようやく、毒蜂と小虫を追い出すのか。それは嬉しい事だが…今日は、庭園にはエディとハル殿が居た筈ではなかったか?」

「そうなのよ!それを、小虫の我が儘で邪魔をされてたのよ。しかも、ハルさんの事、平民と馬鹿にして庭園から追い出そうとしてたのよ!自分の方がエディに相応しいわ─みたいな事を言ってね。」

「ハル殿より、小虫の方が…相応しい?」

ルイスがそう呟くと、一気に部屋の空気が冷たくなる。そう。ルイスは“氷”の魔力の使い手なのだ。普段は人畜無害な草食男子ヨロシク!な雰囲気だが─グレンが直々に、自分の第一騎士団長後継者に選んだ人物。彼もまた、キレるとのだ。とは言え、普段はそう簡単にキレたりする事は殆ど無い為、そんなルイスを知っている者は殆ど居ない。

「はっ。嗤わせてくれるね?どの面下げて言ってるんだろうね?私達を…馬鹿にしているのかなぁ?イーサンに口添えしないと…いけないよね?」

氷の使い手とあって、スッと細められた目で微笑まれると、血の気が引き、背筋がゾクゾクする感覚に陥る。

「ルイス…私が言うのもなんだけど…落ち着いて?」

ルーチェがそう言った時、念の為に─と、青の庭園に残して来たルーチェ付きの侍女がやって来た。

「ルーチェ様…アレは…本当にエディオル様…ですか?」

「え?どうしたの?何かあったの!?」

いつも冷静な侍女長でもある、ルーチェ付きの侍女─メリル─が、動揺しながら口を開いた。

「私、離れた場所に控えていたので、何故そうなったのか─全く分からないのですが…。ハル様でしたか?彼女が泣いてしまったようで、それをエディオル様が慰める?様に抱き締められまして…。」

「え?ハルさんが…泣いたの?」

それには、またルイスも反応する。

「それで─ハル様は、そのままエディオル様に抱き締められたまま……寝てしまったようで…」

「え?寝て?やだ、エディってば、意識されなさ過ぎじゃないの?え?」

「それで、そのままでは可哀想かと思い、客室に案内してはどうか─と、カルザイン様に提案したのですが…“離したくない”と言われまして…」

「え?何?エディってば、可愛い事言うのね!?それで!?」

ルーチェは更に興奮するが、ルイスはそれを聞いてようやく落ち着き、もとの草食男子ヨロシク!に戻った。

「そのまま、ハル様を抱き上げて、ガゼボのロングチェアに移動されて…ご自分の足の上にハル様を乗せて抱っこ状態でそのまま寝かせていらっしゃいました。普段、殆ど表情を変えないエディオル様ですが…もう、それはそれは嬉しそうな顔をされて、ハル様を見ていらっしゃって!!」

「え?抱っこしたまま!?エディが!?嬉しそうな顔で!?あの、噂になっている、“蕩けてる”とか言う顔だったの!?」

「そうなんです!ルーチェ様!本当に蕩けていたんです!もう、私本当に驚いてしまって!三度見してしまいました!すみません!」

いつも冷静な侍女長─メリル─が…興奮している。ルーチェも然りである─が。

「私も見たかったわ!それで?ハルさんは大丈夫だったの?」

「それで、私、その蕩けた顔のエディオル様を見ているのが…恥ずかしくなってしまって…ブランケットだけお渡しして戻って参りました。すみません。」

「そうなのね。でも、それは仕方無いわ。と言うか、それで良かったんじゃないかしら?エディはきっと、ハルさんと2人きりになりたかったでしょうしね。ふふっ…あのエディがねぇ…。メリル、ありがとう。下がって少し休みなさい。」

「ありがとうございます。それでは、失礼致します。」

そう言うと、メリルと一緒に執事も下がって行った。



「さて、エディとハル殿の事は、これからも見守っていく─と言う事で。後は、毒蜂と小虫だな。」

「イーサンには、キッチリ締め上げてもらわないと、私は許さないわよ!?その事も、ちゃんと伝えておいてね!」

愛しのルーチェが可愛い顔で怒っている。

「あぁ、勿論だよ。それに、キッチリ締め上げないと…絶対にパルヴァン─おそらくゼン殿が出て来ると伝えておこう。」

「それ、とっても効果抜群な呪文ね。」

と、2人で顔を見合わせて笑った。





こうして、ハルの外堀が更にガッツリ埋められていき、もう絶対に逃げられない状態になっていくのでした。


逃げないけど─。









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