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第三章ーリスと氷の騎士ー
ハルの父と兄
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*結婚式迄─半年*
結婚式の日が決まってからは、する事が色々あって1日1日があっと言う間に過ぎて行く。そんなある日─
エディオルさんに、「パルヴァンに行こう」と誘われて、久し振りに辺境地のパルヴァン邸にやって来た。
そしてグレン様の執務室に入ると、そこにはグレン様とシルヴィア様とゼンさんとロンさんも居た。
「??」
ー今から何があるんだろう?ー
首を傾げながら、エディオルさんと共に椅子に座った。
「─────養子…縁組?」
「そう。ゼン殿がハルの父親、ロン殿がハルの兄になる。」
「──父親……兄……」
私の後ろ盾に、グレン=パルヴァン様が居る。それは、あくまでも後ろ盾に過ぎない。後半年もすれば、エディオルさんと結婚するから、私にもこの世界での家族ができる─のだけど、それでも私に親が居た方が安心するだろう─と、エディオルさんが考えて、その提案をゼンさんが快諾してくれたそうです。
今、私の目の前には、その養子縁組に必要な書類が置かれていて、後は私がサインするだけになっている。
「……」
「これからも、私がハル殿の後ろ盾である事は変わらないが、パルヴァンは特殊な存在であるから、簡単には養子縁組はできないんだ。それに、ハル殿は、ゼンの事は父親の様に思っているだろう?ならば、ゼンが適任だと。ゼンも、ハル殿の事を娘のように思っているからな。」
「……」
「ハル?どうし──ハル!?」
何の反応も示さないハルに、エディオルがどうした?とハルの顔を覗き見れば…ハルが涙をポロッと流していた。
「─エディオルさん…ありがと…ごさいます。ゼンさん…私が娘になっても…良いんですか?」
「ええ。勿論ですよ。と言うか、今更ですね。前にも言いましたけど、もう、随分前から娘のように思ってましたからね。こうして、本当の娘として迎え入れられて、嬉しい以外の何者でもありませんよ。」
「そうですよ。実の息子よりハル様の方が可愛いいらしいですからね。それに、私にも妹ができて嬉しいです。」
ゼンさんもロンさんも優しく笑ってくれる。
「うぅ……ありがとうございます。宜しく…お願いします。」
震える手で、その書類にサインをする。書き終えると、また更にブワッと涙が溢れて来た。
「う─すみま…せん。止まらな──っ」
隣に座っているエディオルさんが動こうとして、でも、すぐに動きを止めた。すると、私の目の前迄ゼンさんがやって来て、私と視線を合わせるように膝をつき、私の手を優しく包んでくれた。
「ハル。これで、今日の今から、ハルは俺の娘だから。」
「──っ!はい……お父さん!」
嬉しくて…思わずゼンさんに抱きついた。
抱きついたまま泣いていると、ゼンさん─お父さんが優しく背中をトントンと叩いてくれる。
ー温かいなぁー
決して、本当の父と母を忘れた─忘れる事なんてない。今だって春ノ宮琴音にとって大好きな両親だ。
そして、ゼンさんは─ハルにとっての大好きなお父さんになった。初めて、兄もできた。家族が増えるって…本当に嬉しい。幸せだな─と思う。
ーお父さん、お母さん、おばあちゃん…私は今、とっても幸せです!ー
*エディオル視点*
『─真名?は、あくまで元の世界での私であって、この世界での私は“ハル”なんです。だから、この世界においては、私の中では“ハル”も真名みたいなものだと…思ってたから…。えっと…意味、分かりますか?』
結婚式の準備を色々と考えて進めていると、ふと、以前コトネが言っていた言葉を思い出す。
事故で亡くなったのは、ハルノミヤ=コトネとしての両親。
この世界での自分はハルなのだ─と。この世界では…ひとりぼっちだと。
「……父親か……。バート、魔術での手紙を飛ばす用意をしてくれ。」
「承知しました。」
俺は直ぐに手紙を認め、パルヴァン辺境地へと向かった。
*****
「……父親?」
先触れに出した手紙には、グレン様とゼン殿に“ハルの事で相談したい事がある”と認めていた為、2人が俺を待っていてくれた。“ハル”と言う名前は最強だな─と思う。
「ハルが、ネロやユラン殿を見て“家族が増える事は良い事だ”と。“幸せな事だ”と。ハル自身も、後数ヶ月もすると俺の家族になる訳ですが…それでも、やっぱり“親”と言う存在があれば、もっと安心するんじゃないかと思って…。それが、ゼン殿が適任かと思って…相談をしに来ました。」
「なるほど。それは、ゼンが適任だな。私もパルヴァン辺境伯でなければ、喜んで受け入れただろうがな。ゼン、お前はどう思う?」
グレン様がニヤリと笑いながら、ゼン殿に視線を向ける。
「断る理由など一切ありません。他の者に任せる気なども一切ありません。喜んで受け入れます。今直ぐにでも養子縁組の書類を用意します。」
一気にゼン殿がそう言うと、そのままこの部屋から出て行った。
「くっくっ…あの様子だと、明日には…ハル殿がサインするだけ─のところまで準備が調うだろう。可能であれば、明日、ハル殿をここに連れて来てくれるか?」
「…はい。連れて来ます。」
ー流石のゼン殿でも、翌日とは無理だろうー
と思っていたが…1日も掛からずに調った。
ゼン殿が、直接王城におもむき、国王陛下と宰相に直接許可を取りに行ったそうだ。
「先触れなく来るのは…勘弁して欲しい。心臓と胃が痛い。」
と、国王陛下と宰相は、翌日は休みをとったそうだ。
ーお疲れ様でしたー
と、心の中で呟いた。
結婚式の日が決まってからは、する事が色々あって1日1日があっと言う間に過ぎて行く。そんなある日─
エディオルさんに、「パルヴァンに行こう」と誘われて、久し振りに辺境地のパルヴァン邸にやって来た。
そしてグレン様の執務室に入ると、そこにはグレン様とシルヴィア様とゼンさんとロンさんも居た。
「??」
ー今から何があるんだろう?ー
首を傾げながら、エディオルさんと共に椅子に座った。
「─────養子…縁組?」
「そう。ゼン殿がハルの父親、ロン殿がハルの兄になる。」
「──父親……兄……」
私の後ろ盾に、グレン=パルヴァン様が居る。それは、あくまでも後ろ盾に過ぎない。後半年もすれば、エディオルさんと結婚するから、私にもこの世界での家族ができる─のだけど、それでも私に親が居た方が安心するだろう─と、エディオルさんが考えて、その提案をゼンさんが快諾してくれたそうです。
今、私の目の前には、その養子縁組に必要な書類が置かれていて、後は私がサインするだけになっている。
「……」
「これからも、私がハル殿の後ろ盾である事は変わらないが、パルヴァンは特殊な存在であるから、簡単には養子縁組はできないんだ。それに、ハル殿は、ゼンの事は父親の様に思っているだろう?ならば、ゼンが適任だと。ゼンも、ハル殿の事を娘のように思っているからな。」
「……」
「ハル?どうし──ハル!?」
何の反応も示さないハルに、エディオルがどうした?とハルの顔を覗き見れば…ハルが涙をポロッと流していた。
「─エディオルさん…ありがと…ごさいます。ゼンさん…私が娘になっても…良いんですか?」
「ええ。勿論ですよ。と言うか、今更ですね。前にも言いましたけど、もう、随分前から娘のように思ってましたからね。こうして、本当の娘として迎え入れられて、嬉しい以外の何者でもありませんよ。」
「そうですよ。実の息子よりハル様の方が可愛いいらしいですからね。それに、私にも妹ができて嬉しいです。」
ゼンさんもロンさんも優しく笑ってくれる。
「うぅ……ありがとうございます。宜しく…お願いします。」
震える手で、その書類にサインをする。書き終えると、また更にブワッと涙が溢れて来た。
「う─すみま…せん。止まらな──っ」
隣に座っているエディオルさんが動こうとして、でも、すぐに動きを止めた。すると、私の目の前迄ゼンさんがやって来て、私と視線を合わせるように膝をつき、私の手を優しく包んでくれた。
「ハル。これで、今日の今から、ハルは俺の娘だから。」
「──っ!はい……お父さん!」
嬉しくて…思わずゼンさんに抱きついた。
抱きついたまま泣いていると、ゼンさん─お父さんが優しく背中をトントンと叩いてくれる。
ー温かいなぁー
決して、本当の父と母を忘れた─忘れる事なんてない。今だって春ノ宮琴音にとって大好きな両親だ。
そして、ゼンさんは─ハルにとっての大好きなお父さんになった。初めて、兄もできた。家族が増えるって…本当に嬉しい。幸せだな─と思う。
ーお父さん、お母さん、おばあちゃん…私は今、とっても幸せです!ー
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『─真名?は、あくまで元の世界での私であって、この世界での私は“ハル”なんです。だから、この世界においては、私の中では“ハル”も真名みたいなものだと…思ってたから…。えっと…意味、分かりますか?』
結婚式の準備を色々と考えて進めていると、ふと、以前コトネが言っていた言葉を思い出す。
事故で亡くなったのは、ハルノミヤ=コトネとしての両親。
この世界での自分はハルなのだ─と。この世界では…ひとりぼっちだと。
「……父親か……。バート、魔術での手紙を飛ばす用意をしてくれ。」
「承知しました。」
俺は直ぐに手紙を認め、パルヴァン辺境地へと向かった。
*****
「……父親?」
先触れに出した手紙には、グレン様とゼン殿に“ハルの事で相談したい事がある”と認めていた為、2人が俺を待っていてくれた。“ハル”と言う名前は最強だな─と思う。
「ハルが、ネロやユラン殿を見て“家族が増える事は良い事だ”と。“幸せな事だ”と。ハル自身も、後数ヶ月もすると俺の家族になる訳ですが…それでも、やっぱり“親”と言う存在があれば、もっと安心するんじゃないかと思って…。それが、ゼン殿が適任かと思って…相談をしに来ました。」
「なるほど。それは、ゼンが適任だな。私もパルヴァン辺境伯でなければ、喜んで受け入れただろうがな。ゼン、お前はどう思う?」
グレン様がニヤリと笑いながら、ゼン殿に視線を向ける。
「断る理由など一切ありません。他の者に任せる気なども一切ありません。喜んで受け入れます。今直ぐにでも養子縁組の書類を用意します。」
一気にゼン殿がそう言うと、そのままこの部屋から出て行った。
「くっくっ…あの様子だと、明日には…ハル殿がサインするだけ─のところまで準備が調うだろう。可能であれば、明日、ハル殿をここに連れて来てくれるか?」
「…はい。連れて来ます。」
ー流石のゼン殿でも、翌日とは無理だろうー
と思っていたが…1日も掛からずに調った。
ゼン殿が、直接王城におもむき、国王陛下と宰相に直接許可を取りに行ったそうだ。
「先触れなく来るのは…勘弁して欲しい。心臓と胃が痛い。」
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ーお疲れ様でしたー
と、心の中で呟いた。
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