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第三章ーリスと氷の騎士ー
騎士の嫁のあるある
しおりを挟む「──────???」
寝返りをうとうとしても、体が動かない。安心するような温もりに包まれてはいるけど、何となく…苦しいような気もする?
「──??」
何故か、声も出ない。
イマイチ自分の状況が分からず、ソロソロと目を開けると
「─────っ!!??」
ディにガッシリと抱き締められていた。
ーえ!?何で!?ー
パニックになり掛けて、瞬時に思い出す。
ーそっ…そうだ!昨日…初夜…だったんだ!ー
そう気付いてしまったが最後、昨日の夜の出来事が一気に脳裏に甦った。
ーうわぁ─私…最後はどうなったんだっけ??ー
最初は…本当に痛かった。勿論、嫌─ではなかったけど…それでも、途中からは、兎に角色々と必死だった。ディは、私が何を言っても「可愛い」しか言わないし…多分、最後は…気を失った…んだろう…
ー恥ずかし過ぎる!!ー
でも…体は怠いけど、3日動けないって事はなさそうで…良かった。
ふと、今の自分の姿が視界に入る。私もディも、服を着ている。
ーディが…着せてくれた?ー
裸じゃなくて喜ぶべきか…いや、着せてくれた─としたら、それはそれで恥ずかしいよね!?
「───くくっ…」
「─っ!?」
一人でワチャワチャしていると、頭上から笑い声が聞こえた。
「──ィ─コホッ????」
何故か声が出ない。
「????」
「あぁ、ひょっとして…声が出ない?」
とディに嬉しそう?に訊かれて、声が出ないからコクコクと頷く。
「昨日は…沢山啼いたからな…」
ーたくさん…ないた!!ー
「───っ!!」
恥ずかし過ぎて、ディの胸にグリグリと頭を擦り付ける。
「コトネ…それは…逆効果だからな?」
ー“逆効果”って何!?ー
意味が分からず、バッとディを見上げれば─熱の篭った青い瞳と目が合った。
ーあ、コレはヤバい!ー
と思った時には、もう遅かった。
腕とキスで絡めとられて、優しい手で翻弄されて追い詰められて、あっと言う間に蕩けさせられた。
もう無理だからね!?と目で訴えても、グイッと手で抵抗しても、やっぱり
「コトネ、可愛いな──」
としか言われない。困った様な恥ずかし様な嬉しい様な…
「コトネ…愛してる…」
そう囁かれたら最後、幸せな気持ちになる。
「───ディ……」
と、何とか声を絞り出して微笑むと
「──本当に………天才で困る……」
「?───っ!?」
何を言われたのか分からず、少し気が緩んだ瞬間、ディの熱が入って来た。
そこからは、また、ディに必死にしがみつくだけしかできなかった。
次に目を覚した時は──お昼を過ぎていた。
そして、今、私はディにお姫様抱っこ宜しく!されて椅子に座り、昼食を取っている。理由は簡単。体中が重くて怠くて動けないから。
ー正直、食べるのも怠いですー
もう、遠慮無しでディにグッタリと凭れ掛かっている。そんな私を、ディは嫌がる事もなく、寧ろ嬉しそうにしてお世話をしてくれている。時折、触れるだけのキスを挟みながら─。
ーえ?その…キス…は要りますか?ー
とは訊かない。声が出ないから訊けないけど、声が出たとしても訊きません。今は、何をしても言っても訊いても…きっと、また私が追い詰められるだけだ──と、学習しました。
「コトネ、デザートも食べるか?」
ーデザート!!ー
ガバッと顔を上げて、コクコクと頷く。
「─くっ…可愛いな!!」
「!!????」
またまた軽くキスをされる。
そのままギュウッと抱き締められて
「はぁ─…コトネの全部を俺のモノにできたら、安心すると…落ち着くと思っていたが…逆だったな…。もっと欲しくなる。際限が無い位に…。」
ーふぁいっ!!??ー
際限は作って下さい!無理です!本当に無理です!!
フルフルと首を振る。
ここまで来たら少し…いや、本当に怖い。本当に無理だからね!?
「──ゔっ…震えてる姿も可愛く見えるとか─っ!落ち着け!俺!」
ディが、私の肩に顔を埋めて呻く。
ーうんうん。本当に、落ち着いて下さい!ー
ふぅ──と、大きく息を吐いた後
「よし、兎に角…デザートを食べようか…。」
と、爽やかに笑うディを、ジトリとした目で一瞥してからデザートを食べた。
その日の日中は、そのままディの部屋でゆっくりと寛いだ─と言うか、動けなかった。
ーあれ?そう言えば、今日は一度もルナさんとリディさんに会ってないなぁー
と、キョロキョロと視線を動かすと
「ん?ひょっとして…ルナとリディを気にしているのか?」
コクコクと頷く。
ー何故分かるの!?いや…前からだったよね…。声が出ない今は…助かるけどー
「2人…と言うか、邸の使用人には、俺が呼ぶ以外はこの部屋には近付くなと言ってある。」
「─っ!!??」
ギョッとして、ピシリッと固まる。
ー誰も…来ない!!??ー
「邪魔をされたくはないからな─」
そう言って、熱の篭った目をして私の頬をスルリと撫であげられて、体がビクッと反応する。
「…本当に…可愛いな…」
ーえ!?どこに可愛い要素があったの!?無かったよね!?ー
そこからまた、私の必死の抵抗虚しく、お姫様抱っこで夫婦の部屋へと運ばれて────
私がルナさんとリディさんに会ったのは、その2日後(初夜の3日後)の夕方でした。
騎士の嫁のあるある──体験させていただきました。
ナイトドレスのスケスケなんて…どうでも良い問題だったのを、身をもって知りました。
❋エディオルとハルが夫婦になった為、エディオルのルナとリディの呼び方が、“殿”を抜いて呼び捨てになっています。あくまで、2人はハルの専用のパルヴァンの侍女ですが、ハルがカルザイン家に入ったので、その辺はキッチリと区切りをつけています❋
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