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51 父性本能
「25歳にもなって婚約者も居ない王族は、叔父様ぐらいよ。お父様も、弟には甘いから何も言わないけど、そろそろ婚約者を決めても良いのでは?」
「今ここでするような話か?そもそも、私はまだ23歳だから」
ー23歳だったんだ!?ー
兄である国王様とは歳が離れているとは知っていたけど、23歳と言う事は知らなかった。老けて見えると言う訳ではないけど、23歳にしては……貫禄があり過ぎる。私と10歳しか変わらない事に驚きだ。
「王族は、皆10代で婚約者が決まるのに……叔父様だけ狡いわ」
「ジルベールが嫌なのか?」
「嫌だとは……言ってないわ」
と拗ねている様な顔をしているけど、口元は笑っているから、婚約者の事は好ましく思っているんだろう。
とは言え、10代で婚約者が決まるのが普通な王族や貴族の世界は大変だなぁと思う。ひょっとして、このままだとジェイミーにもそろそろ婚約者ができるかも?
「叔父様の理想の相手はどんな人なの?」
「うーん……一緒に居て気を遣わなくて良い穏やかな人で、私の魔法の研究に文句を言わずに田舎暮らしを好んでくれて、料理上手な人かなぁ?」
「そんな令嬢がどこに──」
そう言えば、将来は自然あふれる田舎な領で、エルトン様の様に魔法の研究をしながら暮らしたいと言っていたのを思い出す。王位継承権を放棄しているから、将来は自由に暮らしたいと。それでも王族には変わらないし、ロクサーヌ様の言う通り、田舎暮らしが好きな料理上手の高位貴族の令嬢が居るとは思えないから、その夢もまた難しそうだけど。
「ん?」
「…………」
バチッ─と、ロクサーヌ様と視線がぶつかった。
「セレーナは13歳だった?」
「はい」
「年の差はセーフだけど、後……5年は駄目ね。アウトね……」
何かをブツブツ呟いているのはロクサーヌ様で、首を傾げてロクサーヌ様を見ているのはジェラール様。
「分かったわ、叔父様。婚約者に関して、私は暫くの間は……もう何も言わないわ」
「意味が分からないが……ありがとう?」
「それじゃあ、セレーナ、ここにあるのは私のお勧めのスイーツなの。遠慮なく食べてね」
「はい!」
少し意味の分からない話はあったけど、ロクサーヌ様お勧めの美味しいスイーツを食べ始めた。
*ジェラール視点*
「叔父様、申し訳ありません。私もついさっき知ったのですが……アラールがナディーヌ嬢を招いてお茶をするそうです」
ロクサーヌの部屋に入ってすぐに、セレーナが他に気を取られている時に耳打ちをされた。
「前もって分かっていたら、違うに日にできたのですが、アラールが今朝、急に招待したらしく、私もついさっき知ったんです」
「アラール………ロクサーヌ、気にするな。お前は悪くないし、ある程度は想定内だ」
「それはどう言う……と言う話は今は止めておきます。兎に角、ここへの立ち入りはアラールを含めて禁止にしていますから、私達は3人で楽しい時間を過ごしましょう」
ニコッと笑うロクサーヌは、切り替えが早くて頼もしい王太女だ。
それから、何故か姪に婚約者について説教?をくらったが、3人での時間は穏やかで楽しいものだった。
『一緒に居て気を遣わなくて良い穏やかな人で、私の魔法の研究に文句を言わずに田舎暮らしを好んでくれて、料理上手な人かなぁ?』
そんな令嬢が居る訳がない。だから、エルトンの様に結婚しないと言う選択肢が欲しい。若しくは、今小説などで流行っている“契約結婚”と言うモノが良い。お互い干渉せず好きな事をしつつ、体裁は守る─と言う令嬢なら
ー現実問題、居る訳がないー
俺に寄って来るのは、俺の容姿だけに惹かれる者や、大公と言う身分に惹かれる者だけだ。そんな令嬢を好きになれるか?なれる訳がない。恋人が居なかった訳でもないが、気持ちの無い付き合いは直ぐに終わりを迎えた。そんな付き合いを数回繰り返した後は、騎士団を辞めて魔法一筋に進んでいる。兄上は、そんな俺の気持ちを分かっているから、婚約の話をする事はない。たまに、義姉上からチクリと言われるぐらいで、強要される事はない。王族としての義務もあるのは分かっているが……俺に甘い兄上や義姉上には感謝だ。その分、可愛い姪のロクサーヌからのお小言位は聞いておく。
「セレーナは、将来は良いお嫁さんになりそうね」
「お嫁さん……ですか?」
「………」
殆ど表情は変わっていないが、今のセレーナはかなり驚いている。
「だって、このままいけば薬師になるだろうし、料理上手で可愛いとくれば、私が男なら絶対に手に入れるわ」
「薬師になれれば良いですけど、可愛くはないし無愛想なのも分かっているので、気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ?」
ーセレーナが……嫁?ー
セレーナの気持ちが一番大事だが、セレーナと結婚するならセレーナを一番大切にしてくれる者でなければ……俺とエルトンとアデールと辺境伯が黙ってはいない。俺達が認めた者でなければ───
ーこれが、親心と言うものか?ー
どうやら、婚約者が居なくても、結婚していなくても、父性本能は芽生えるようだ。
「今ここでするような話か?そもそも、私はまだ23歳だから」
ー23歳だったんだ!?ー
兄である国王様とは歳が離れているとは知っていたけど、23歳と言う事は知らなかった。老けて見えると言う訳ではないけど、23歳にしては……貫禄があり過ぎる。私と10歳しか変わらない事に驚きだ。
「王族は、皆10代で婚約者が決まるのに……叔父様だけ狡いわ」
「ジルベールが嫌なのか?」
「嫌だとは……言ってないわ」
と拗ねている様な顔をしているけど、口元は笑っているから、婚約者の事は好ましく思っているんだろう。
とは言え、10代で婚約者が決まるのが普通な王族や貴族の世界は大変だなぁと思う。ひょっとして、このままだとジェイミーにもそろそろ婚約者ができるかも?
「叔父様の理想の相手はどんな人なの?」
「うーん……一緒に居て気を遣わなくて良い穏やかな人で、私の魔法の研究に文句を言わずに田舎暮らしを好んでくれて、料理上手な人かなぁ?」
「そんな令嬢がどこに──」
そう言えば、将来は自然あふれる田舎な領で、エルトン様の様に魔法の研究をしながら暮らしたいと言っていたのを思い出す。王位継承権を放棄しているから、将来は自由に暮らしたいと。それでも王族には変わらないし、ロクサーヌ様の言う通り、田舎暮らしが好きな料理上手の高位貴族の令嬢が居るとは思えないから、その夢もまた難しそうだけど。
「ん?」
「…………」
バチッ─と、ロクサーヌ様と視線がぶつかった。
「セレーナは13歳だった?」
「はい」
「年の差はセーフだけど、後……5年は駄目ね。アウトね……」
何かをブツブツ呟いているのはロクサーヌ様で、首を傾げてロクサーヌ様を見ているのはジェラール様。
「分かったわ、叔父様。婚約者に関して、私は暫くの間は……もう何も言わないわ」
「意味が分からないが……ありがとう?」
「それじゃあ、セレーナ、ここにあるのは私のお勧めのスイーツなの。遠慮なく食べてね」
「はい!」
少し意味の分からない話はあったけど、ロクサーヌ様お勧めの美味しいスイーツを食べ始めた。
*ジェラール視点*
「叔父様、申し訳ありません。私もついさっき知ったのですが……アラールがナディーヌ嬢を招いてお茶をするそうです」
ロクサーヌの部屋に入ってすぐに、セレーナが他に気を取られている時に耳打ちをされた。
「前もって分かっていたら、違うに日にできたのですが、アラールが今朝、急に招待したらしく、私もついさっき知ったんです」
「アラール………ロクサーヌ、気にするな。お前は悪くないし、ある程度は想定内だ」
「それはどう言う……と言う話は今は止めておきます。兎に角、ここへの立ち入りはアラールを含めて禁止にしていますから、私達は3人で楽しい時間を過ごしましょう」
ニコッと笑うロクサーヌは、切り替えが早くて頼もしい王太女だ。
それから、何故か姪に婚約者について説教?をくらったが、3人での時間は穏やかで楽しいものだった。
『一緒に居て気を遣わなくて良い穏やかな人で、私の魔法の研究に文句を言わずに田舎暮らしを好んでくれて、料理上手な人かなぁ?』
そんな令嬢が居る訳がない。だから、エルトンの様に結婚しないと言う選択肢が欲しい。若しくは、今小説などで流行っている“契約結婚”と言うモノが良い。お互い干渉せず好きな事をしつつ、体裁は守る─と言う令嬢なら
ー現実問題、居る訳がないー
俺に寄って来るのは、俺の容姿だけに惹かれる者や、大公と言う身分に惹かれる者だけだ。そんな令嬢を好きになれるか?なれる訳がない。恋人が居なかった訳でもないが、気持ちの無い付き合いは直ぐに終わりを迎えた。そんな付き合いを数回繰り返した後は、騎士団を辞めて魔法一筋に進んでいる。兄上は、そんな俺の気持ちを分かっているから、婚約の話をする事はない。たまに、義姉上からチクリと言われるぐらいで、強要される事はない。王族としての義務もあるのは分かっているが……俺に甘い兄上や義姉上には感謝だ。その分、可愛い姪のロクサーヌからのお小言位は聞いておく。
「セレーナは、将来は良いお嫁さんになりそうね」
「お嫁さん……ですか?」
「………」
殆ど表情は変わっていないが、今のセレーナはかなり驚いている。
「だって、このままいけば薬師になるだろうし、料理上手で可愛いとくれば、私が男なら絶対に手に入れるわ」
「薬師になれれば良いですけど、可愛くはないし無愛想なのも分かっているので、気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ?」
ーセレーナが……嫁?ー
セレーナの気持ちが一番大事だが、セレーナと結婚するならセレーナを一番大切にしてくれる者でなければ……俺とエルトンとアデールと辺境伯が黙ってはいない。俺達が認めた者でなければ───
ーこれが、親心と言うものか?ー
どうやら、婚約者が居なくても、結婚していなくても、父性本能は芽生えるようだ。
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