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14 無属性
「無属性?」
なんて、聞いた事がない。
「これは、本当に珍しい属性でね。100年に1人居るか居ないか位珍しいんだ。だから、知らなくても仕方無いと思う。まさか、生きているうちに巡り会えるとは……」
エルトン様がより一層笑顔になる。
「エルトンは、魔導師としてこの国1番の実力者だけど、それと同時に“魔力馬鹿”でもあり“魔力研究者”でもあるのよ」
と、呆れ気味の顔をするのはルチア様。
エルトン様は、魔力や魔法に関しての研究の第一人者で、魔獣の討伐や仕事の要請が無い時は研究三昧。ルチア様の氷属性も珍しい属性で、以前『研究の為に!』と、色々と調べられて大変な思いをしたらしい。
「だから、ティニーを指導しながら、無属性をとことん調べるつもりなのよ……」
「なるほど……」
「勿論、指導はきっちりさせてもらうし、私以上の適任者は居ないと思うよ?」
一体どんな事をされるのか分からないけど、この国1番の魔導師様に指導してもらえるのは、幸運な事だよね?私1人でどうこうできるものでもない。指導してくれると言うなら、素直に受け入れるしかない。
「あの……迷惑を掛けてしまうかもしれませんが、宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しく!!」
そうして、私はエルトン様から魔力の扱い方の指導を受けながら、無属性の研究に協力する事になった。
******
「基本は魔力の流れを感じる事」
自分の魔力の流れを感じなければ、魔力を扱う事ができない。感じる事ができなければ、流れに異常が起きた時に気付かずに魔力暴走が起こる可能性もある。
「魔力暴走は、一種の爆発のようなもので、一度起きたら直ぐには止まらないし、止められない。最悪、周りをも巻き込んで大惨事にもなる。それに、死んでしまう事もある」
なんとも恐ろしい。私が魔力暴走のようなものを起こして、高熱だけで済んだのは、魔力が弱かったから。
「流れを感じてコントロールができたら、暴走する確率は少なくなる。だから、先ずは自分の魔力を掴むところから頑張ろう」
と言われたところで、魔力がどんなモノなのかさっぱり分からない。
「両手を出して」
「はい」
両手を出すと、エルトン様が私の手を握る。
「今から、私の魔力をティニーに流すよ」
「───!?」
握られた手から、何かが流れ込んで来るのが分かる。最初は冷たい感じの何かで、今は少しくすぐったい感じの何かだ。
「冷たいのと……くすぐったいのと……何だか変な感じですね?」
「初めての割には凄いね!すんなり受け入れられるのも無属性だからか?」
エルトン様は、水と風の2つの属性を持っていて、最初は水の魔力、途中から風の魔力を流したようで、私の感じ方も変わったようだ。それと、自分とは違う属性の魔力が流れると、拒否反応を起こしたり嫌悪感を感じたりするそうだけど、私の場合にはそれは全く無かった。
「拒否反応として、静電気が起こるようにバチッと弾かれて痛い思いをする事もあるんだ。起こらなくて良かった」
「そう言う事は流す前に言って下さい……」
流した後で言われても、覚悟の1つできないから。でも、今ので何となく魔力が分かったような気がする。ある意味、体に流れる違和感を探せば良い。
なんて、簡単にはいかなかった。
「途中覚醒者は、皆こんな感じだよ。魔力も弱いから感じ難いのもあるし、何と言っても無属性だから、他の属性とは感じ方が違うかもしれないしね。焦らずゆっくりいこう」
「はい」
それからも、なかなか上手くいかない私だったけど、エルトン様は嫌な顔をする事なく付き合ってくれた。寧ろ、本当に楽しそうに笑っていた。それが“私”ではなく“研究対象者”として向けられた笑顔だったとしても、その笑顔に安心して頑張る事ができている。
「時間がある時に、魔力を掴む練習をするようにして、今からは魔力についての勉強をしようか」
「はい。お願いします」
今迄、魔力無しと思っていたから、魔力や魔法に関しての知識はほぼ0。そんな私にも、エルトン様は解りやすく説明してくれるし、用意してくれていた教材の本もとても解りやすく書かれていた。ただ、この内容と無属性の魔力が同じかどうか?と訊かれれば「分からない」と言うのが本当のところなんだそうだ。
「無属性とは、どんな力があると思う?」
「えっと……無だから……無効果とか?」
「今のところ分かっているのは、“属性を持たない力”なんだ」
「????」
「簡単に言うと、何も無い状態で火を創って攻撃するとか、水を創り出す事はできないんだ。属性が無いから、魔法を使うとすれば必ず媒体が必要になる」
「ばいたい???」
「よく知られている媒体で言えば“魔法陣”だね」
魔法陣
魔力無しの私でも知っている。一般的によく知られているのは、移動手段として使われる転移の魔法陣。平民が使う事は滅多にないけど、王族や貴族では移動手段としてよく使うと聞いた事がある。だから、魔法陣は転移する為の魔法と思っていたけど、魔法陣にも色々な種類があるんだそうだ。
「魔法陣には一つ一つに決まったルールや描き方があってね。それを正確に且つ綺麗に描く事で効力が変わって来る。ティニーみたいに、魔力が弱くても大きくて強い魔法を繰り出す事もできる。過去の無属性の人達も、魔法陣の習得に力を入れていたようだ。だから、ティニーも少しずつ魔法陣を描けるようにしていこう」
なんて、聞いた事がない。
「これは、本当に珍しい属性でね。100年に1人居るか居ないか位珍しいんだ。だから、知らなくても仕方無いと思う。まさか、生きているうちに巡り会えるとは……」
エルトン様がより一層笑顔になる。
「エルトンは、魔導師としてこの国1番の実力者だけど、それと同時に“魔力馬鹿”でもあり“魔力研究者”でもあるのよ」
と、呆れ気味の顔をするのはルチア様。
エルトン様は、魔力や魔法に関しての研究の第一人者で、魔獣の討伐や仕事の要請が無い時は研究三昧。ルチア様の氷属性も珍しい属性で、以前『研究の為に!』と、色々と調べられて大変な思いをしたらしい。
「だから、ティニーを指導しながら、無属性をとことん調べるつもりなのよ……」
「なるほど……」
「勿論、指導はきっちりさせてもらうし、私以上の適任者は居ないと思うよ?」
一体どんな事をされるのか分からないけど、この国1番の魔導師様に指導してもらえるのは、幸運な事だよね?私1人でどうこうできるものでもない。指導してくれると言うなら、素直に受け入れるしかない。
「あの……迷惑を掛けてしまうかもしれませんが、宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しく!!」
そうして、私はエルトン様から魔力の扱い方の指導を受けながら、無属性の研究に協力する事になった。
******
「基本は魔力の流れを感じる事」
自分の魔力の流れを感じなければ、魔力を扱う事ができない。感じる事ができなければ、流れに異常が起きた時に気付かずに魔力暴走が起こる可能性もある。
「魔力暴走は、一種の爆発のようなもので、一度起きたら直ぐには止まらないし、止められない。最悪、周りをも巻き込んで大惨事にもなる。それに、死んでしまう事もある」
なんとも恐ろしい。私が魔力暴走のようなものを起こして、高熱だけで済んだのは、魔力が弱かったから。
「流れを感じてコントロールができたら、暴走する確率は少なくなる。だから、先ずは自分の魔力を掴むところから頑張ろう」
と言われたところで、魔力がどんなモノなのかさっぱり分からない。
「両手を出して」
「はい」
両手を出すと、エルトン様が私の手を握る。
「今から、私の魔力をティニーに流すよ」
「───!?」
握られた手から、何かが流れ込んで来るのが分かる。最初は冷たい感じの何かで、今は少しくすぐったい感じの何かだ。
「冷たいのと……くすぐったいのと……何だか変な感じですね?」
「初めての割には凄いね!すんなり受け入れられるのも無属性だからか?」
エルトン様は、水と風の2つの属性を持っていて、最初は水の魔力、途中から風の魔力を流したようで、私の感じ方も変わったようだ。それと、自分とは違う属性の魔力が流れると、拒否反応を起こしたり嫌悪感を感じたりするそうだけど、私の場合にはそれは全く無かった。
「拒否反応として、静電気が起こるようにバチッと弾かれて痛い思いをする事もあるんだ。起こらなくて良かった」
「そう言う事は流す前に言って下さい……」
流した後で言われても、覚悟の1つできないから。でも、今ので何となく魔力が分かったような気がする。ある意味、体に流れる違和感を探せば良い。
なんて、簡単にはいかなかった。
「途中覚醒者は、皆こんな感じだよ。魔力も弱いから感じ難いのもあるし、何と言っても無属性だから、他の属性とは感じ方が違うかもしれないしね。焦らずゆっくりいこう」
「はい」
それからも、なかなか上手くいかない私だったけど、エルトン様は嫌な顔をする事なく付き合ってくれた。寧ろ、本当に楽しそうに笑っていた。それが“私”ではなく“研究対象者”として向けられた笑顔だったとしても、その笑顔に安心して頑張る事ができている。
「時間がある時に、魔力を掴む練習をするようにして、今からは魔力についての勉強をしようか」
「はい。お願いします」
今迄、魔力無しと思っていたから、魔力や魔法に関しての知識はほぼ0。そんな私にも、エルトン様は解りやすく説明してくれるし、用意してくれていた教材の本もとても解りやすく書かれていた。ただ、この内容と無属性の魔力が同じかどうか?と訊かれれば「分からない」と言うのが本当のところなんだそうだ。
「無属性とは、どんな力があると思う?」
「えっと……無だから……無効果とか?」
「今のところ分かっているのは、“属性を持たない力”なんだ」
「????」
「簡単に言うと、何も無い状態で火を創って攻撃するとか、水を創り出す事はできないんだ。属性が無いから、魔法を使うとすれば必ず媒体が必要になる」
「ばいたい???」
「よく知られている媒体で言えば“魔法陣”だね」
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「魔法陣には一つ一つに決まったルールや描き方があってね。それを正確に且つ綺麗に描く事で効力が変わって来る。ティニーみたいに、魔力が弱くても大きくて強い魔法を繰り出す事もできる。過去の無属性の人達も、魔法陣の習得に力を入れていたようだ。だから、ティニーも少しずつ魔法陣を描けるようにしていこう」
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