召喚から外れたら、もふもふになりました?

みん

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樹と美緒

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*深沢樹*


赤い光に包まれた夢をみた次の日、美緒と一緒に訓練の為に東の塔に向かうと、魔導士団長とシーナさんから、少し驚いたような顔を向けられた。

ー何だ?ー

と思っていると、どうやら、俺も美緒も精霊の加護が与えられたようだった。
そのお陰もあってか、少し違和感があった魔力にも馴染んで、今迄よりもスムーズに魔法が使えるようになり、少しの自信を持って浄化巡礼へと向かう事ができた。




「魔法が使えるんだ─なんて、未だに信じられないよな」

「本当にね。中二病の世界だよね?」

浄化巡礼は、最初の頃は陽真の自分勝手な単独プレーのお陰で色々大変だったけど、ケリーさんのお陰で、あの奇襲攻撃以後は順調に進んでいる。しかも、どうやら、陽真はケリーさんの事が気になっている感じだ。

ー“女性に一切相手にされない陽真”と言うのは、正直見ていて面白いよなぁー

これは、きっと、今迄の自分の行ないが返って来ているんだろうなと思うけど、俺は、陽真を助けようとは思わない。

「あ、レナルドさんだ。樹君、ごめんね。ちょっと…行ってくる」

「はいはい。行ってらっしゃい」

美緒が嬉しそうな顔をして、同じ魔導士であるレナルドさんの所へ駆け寄って行った。
どうやら、美緒もこの世界で気になる存在を見付けたようだ。美緒もまた、大森彩香のせいで恋愛とは縁遠い日々を過していた。この世界では、恋愛を楽しんで…幸せになれると良いなと思う。


俺は─────




浄化巡礼を無事に終え、帰城してから3日間の休養を経て、慰労会が開かれる事になった。

『ミオ嬢やイツキ殿をはじめ、今回浄化巡礼に同行した者で、独身や婚約者が居ない者にとっては、ある意味お見合いも兼ねているから、加護があるから、無理強いされる事はなくても、声掛けは沢山されると思うわ』

と、予めカミリア王女から言われていた通り、慰労会では色んな令嬢から声を掛けられた。

ー貴族令嬢とは、皆漏れ無く綺麗だよなー

と思うだけで正直、どの令嬢も皆、同じ顔に見えた。




そして、ようやく杏子さんに挨拶ができたのは、慰労会が始まってから1時間程してからだった。



「あ、2人は初めてだったよね?彼女は、リナティアさん。リュークレインさんの妹なの」

と、杏子さんが紹介してくれたリナティアさんはフワリと微笑んだ。

「リナティア=アリスタです。宜しくお願い致します。遅くなりましたが、今回の巡礼、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます」

リナティアさんは、軽く頭を下げるだけの所作さえも優雅で綺麗だった。ついつい見惚れてしまっていると「私は美緒です。宜しくお願いします」と、美緒が挨拶をする声で意識を取り戻した。

「俺は樹。宜しくお願いします。えっと……リナティアさん…と呼んでも?」

「え?あ、はい。リナティアと、呼んで下さい」

ポッと少し顔を赤くしたリナティアさん。

ー可愛いー

素直にそう思った。
フワリと笑顔を浮かべながら、俺と会話をするリナティアさんに、俺は嬉しくなって、それからはずっとリナティアさんと話をした。






「イツキ殿、明日、我が家にお茶をしに来ないか?」

「アリスタ邸にですか?」

ある日、リュークレインさんからお茶の誘いを受けた。

ー男から?しかも、公爵家…だったよな?ー

何だかよく分からなくて、どうするかと思案していると

「あー……ハッキリ言った方が良いか?リナ─リナティアが、イツキ殿とお茶がしたいみたいなんだ」

「────あっ!」

そうか、リュークレインさんは、リナティアさんの兄だったか───って…俺とお茶がしたい?

「兄の俺が言うのもなんだけど、リナは良い子なんだ。イツキ殿なら、安心してできるんだけどね?」

リナティアさんと同じ紫色の瞳が、優しく揺れている。

「俺で良ければ……喜んでお伺いさせていただきます」

と、俺は答えた。

それから、リュークレインさんや杏子さんを通してリナティアさんとよく会うようになった。否、会いに行った。リナティアさんに会って話をする度に、どんどん好きになっていった。でも、彼女は公爵令嬢で、俺には爵位なんて無い。

ーきっと…結ばれる事はないんだろうー

と、物理的な距離は近いのに、遠くに居るリナティアさん。そんなモヤモヤした気持ちを抱えていると

「あら、イツキは爵位はないけど、“レベルマックスの魔導士の加護持ち”だから、公爵令嬢のリナ相手にでも、お釣りが出るわよ。誰も反対なんてしないわよ?」

と、アシーナさんにサラッと言われた。本当に、サラッと。

ーえ?今迄悩んでいた俺は何だった?ー

今迄の悩みなんて捨て去って、その日のうちにリナティアさんに気持ちを伝えた。

「俺と、結婚を前提として付き合って欲しい」

この世界の告白の仕方なんて、サッパリ分からない。この告白さえ、合っているのかどうかも分からない。ただただ、リナティアさんを、早く俺の腕の中に閉じ込めてしまいたかった。

「はい!喜んで!」

ーん?何処かの居酒屋か?ー

と思わなくもない返事をもらい、フッと気持ちが軽くなって、自然と笑みが零れて、そのまま目の前に居るリナティアさんを抱き寄せた。


ーと言う事は……杏子さんと俺は、“姉弟”になると言う事かー


本当に、人生とは……どうなるか分からないものだなぁ─と、リナティアさんを抱きしめながら思った。






*関元美緒*


日本に居た頃、私はマトモな恋愛なんてできなかった。理由は至って簡単。

私の側に、いつも彩香がいたから─

性格云々は置いといて、彩香は本当に美人だ。私が良いなと思う男の子ができても、その子は必ずと言っていい程彩香に好意を持っていた。
初めてできた彼氏は、結局は、彩香に近付く為に私に言い寄って来ただけだった。

『ふふっ。それは…仕方無くない?』

と、嗤いながらそんな事を彩香から言われた。
そんな事をされた事、言われた事がショックで、それ以来、恋愛とは遠のいていった。





『ようやく笑ったね』

この世界に来てから、行方が分からなかった望月さんの事が気になって不安になり、その不安を忘れるかのように魔法の訓練に没頭していた毎日だった。

それが、望月さんが見付かり会う事もできたし、これから仲良く─友達になれるかも?と思うと、嬉しくなって、自然と笑っていたんだろう。私の魔法の訓練に、よく付き合ってくれるレナルドさんに、ある日、そう言われた。

「あ…私、笑ってませんでしたか?」

「うーん…笑ってはいたけど、その笑う事にも必死だったって言う感じかな?でも、今日のミオさんは、今迄と違って……可愛らしい笑顔をしているなと思ってね」

フワッと笑うレナルドさん。

キュンッ

と、胸が鳴りました。

私を見てくれていた事が嬉しくて。
その目尻に皺が出る笑顔が可愛くて。

ーあ、好きかもー

と思った瞬間だった。




******

「レナルドさん、好きです!!」

「えっと……ミオさん、落ち着こうか?」

「───すみません」

少し困ったように笑うレナルドさんが座っている隣に、私も腰を下ろした。

レナルドさんとは、何度か2人でお出かけもしたりしているし、私の気持ちもぶつけているけど、レナルドさんの気持ちは、まだ聞いた事がない。嫌われてる事は無いと思うけど。

ーやっぱり、私はレナルドさんか見たら、まだまだなのかなぁ?ー

気持ちが沈み掛けた時、レナルドさんに手を握られた。

「私は……見た目通りので……もう38歳になるんだ」

「はい。知ってます」

そう。レナルドさんは38歳。私は18歳。その年の差20歳。人1人が成人する年齢差だ。

ー全く気にならないけどね!ー

「しかも、今迄結婚どころか、婚約者も恋人も居た事がないんだ」

ーえ?何それ!ですか?ー

「だからね?その……魔法しか取り柄の無い、女の子の扱いもよく分からないおじさんが、ミオさんみたいな可愛い子と…なんて思うんだけどね?」

ーん?“可愛い子”?ー

「こんなおじさんでも、本当に良いの?」

バッと顔を上げてレナルドさんを見ると、心配そうに揺れている目があった。

「“おじさんでも”じゃなくて、私はレナルドさん好きなんです。レナルドさん、好きなんです」

「こんなおじさんに……後悔しない?」

「しません!」

そうハッキリ断言してから、私は思い切ってレナルドさんの頬にキスをした。

「───なっ……ミオさん!?」

顔を真っ赤にしながら、オロオロとするレナルドさん。

「ふふっ─レナルドさん……可愛い……」

と、クスクスと笑ってしまった私に、ピクッと反応したレナルドさん。そのまま私の耳元に口を寄せて

「おじさんを揶揄うのは……良くないよ?」
「───え?」

普段の柔らかい声音とは違い、色気を含んだような低音ボイスのレナルドさん。そのまま至近距離で視線を合わされた。

「今迄、我慢してたんだけどね?うーん……煽ったミオさんが…悪いよね?」

と、フワリと笑う笑顔はいつも通りだけど、目だけは……笑っていなかった。

「──え?」

と口にしたのと同時に、トン─と、肩を押された。








草食系だと思っていたレナルドさんは……“ロールキャベツ男子”だった。

ーあれ?恋人は居なかったって言ってなかった?手際、良過ぎじゃない?ー


兎に角、私は本当にレナルドさんが好きだったから、決して嫌ではなく、喜んで受け入れさせてもらいました。



翌朝のレナルドさんは、またいつも通りの草食系なレナルドさんに戻っていた。

「ミオさん、すみません!その…身体は大丈夫ですか?」

オロオロ焦るレナルドさん。そのレナルドさんの顔に両手を添える。

「大丈夫──じゃないので、責任とってもらえますか?」

ふふっ─と笑うと、レナルドさんはキョトンとした後、私の好きな…目尻に皺を作った笑顔で

「勿論、責任は取りますよ。なので、ずっと、私の側に居て下さいね……ミオ」




まさか、その時で子供ができていたとは思わなかったけど。何故か、レナルドさんは驚いた様子はなかった──のは何故か…本人には訊かない方が…良いよね?

兎に角、こんなに早い子供は予想外で、杏子さんと樹君からは心配もされたけど「これだけ仲が良いと言うか……レナルドさんを見ていたら、心配いらないね」と、言われて、皆からも祝ってもらえたから、本当に良かった。

王都から居なくなった彩香が、今何処で何をしているのか分からないけど、私も、ようやく、この世界で幸せになれそうだと思った。



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