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20 過去の贈り物とこれからの事
シャーリーとミシェルが退室してからが大変だった。
「また後日、改めてゆっくり話そう」
侯爵はそう言ってから、執事が待っている執務室へ行ってしまい、今、この部屋に居るのは俺とリュシアンとナターシャだけだ。
「護衛は連れて来ていないのか?」
「こっそり転移で来たからね。私達が王城に居ない事には誰も気付いてないから大丈夫だろう。兎に角、本当に間に合って良かった」
「ようやく元の姿に戻れた……」
久し振りの人間の体になり、手足を軽く動かした。
「ネイサンが掴んだ証拠と今回の事で、シャーリーの無実は証明できるし、ジャクリーヌとデライラに罰を与える事ができるわ。ふふっ……」
「「…………」」
ー実の親と妹の処罰を喜ぶナターシャが恐ろしいー
それだけ、2人に対して嫌悪感を抱いていたと言う事だろう。それに、身内だからと権力で過保護に護る王太子妃ではなくて良かったと喜ぶべきなのかもしれない。権力者が腐っていると、下の者達も腐ってしまうから。
「良い王太子妃を持ったな……」
「今更だな」
「ネイサン、そうやって私を褒めても無駄よ。貴方には色々言いたい事があるの」
「あー……うん。分かっている」
「なら、話が早いわ」
と、ナターシャはにっこり微笑んだ後、俺はナターシャからたっぷりとお小言を食らったのだった。
********
「ブロンディオ様、先日は護っていただいて、ありがとうございました」
「お礼は、あの時にももらったから、もう言わなくても良いよ。兎に角、シャーリーが無事で良かった」
ネイサン=ブロンディオとしてシャーリーに会えたのは、あの日から1週間経ってからだった。
邸内を整理する為に、侯爵も暫くの間はカシリスト邸に居るそうだ。
「それと、遅くなりましたが、今迄のプレゼントもありがとうございました」
目の前には、俺が贈った物が机の上に並んでいる。
「本当に、贈られていたとは知らなくて…それと、手紙はやっぱり残っていませんでした。すみません」
「それこそシャーリーが謝る事じゃないから」
ここに並んでいる物は、既にデライラが使用していたから残っていたんだろう。
「ミシェル、これらは全部捨ててくれ」
「了解です」
「えっ!?ブロンディオ様!?ミシェル!?」
流石はミシェル。行動が早い。パパッと纏めて抱えると、ミシェルはそのまま部屋から出て行った。
「ミシェル、待って!それは──」
「シャーリー、また改めて贈らせて欲しい」
「でも、あれもブロンディオ様から頂いた物だから…」
「正直に言うと、デライラが身に着けた物を、シャーリーの身に着けて欲しくないんだ。これは、俺の我儘だから、素直に受け取ってくれないか?」
「ブロンディオ様……分かりました……あの…それじゃあ、私からも何かプレゼントをしても良いですか?」
「あぁ、勿論!シャーリーからなら、何でも嬉しいよ」
シャーリーからも、俺に何度か贈ってくれたようだが、それも全てジャクリーヌと執事に握り潰されていたようで、俺の元に届く事は無かった。一体どんな物を贈ってくれていたのか……あの2人には怒りしか無い。
「あの…ブロンディオ様、これを受け取ってもらえますか?」
「ん?」
シャーリーが持って来たのは、手の平サイズの小さな箱。その箱を受け取って開けると、オニキスのピアスが入っていた。
「誕生日プレゼントで用意してたものです。その…嫌われてると思って、用意したものの贈るかどうか悩んでいるうちに過ぎてしまって……それでも、受け取ってもらえますか?」
「勿論だ!嬉しいよ。ありがとう」
本当に、シャーリーから貰えるなら、道端になっている花でも嬉しい。それが、まさか誕生日プレゼントに身に着けられるピアスを用意してくれていたとは。あの2人が居なければ、もっと早くに手に入れられていたのに。
「ブロンディオ様、そこに座って下さい。紅茶を用意しますね」
「………シャーリーが……俺に愛想を尽かしているかもしれないけど…」
「はい?」
「それでも、俺との婚約は解消しないで欲しい。これからはシャーリーを護るから、シャーリーの側に居させて欲しい」
キョトンとした顔で俺を見ているシャーリー。いきなりこんな我儘を言った俺に、呆れているのかもしれない。でも、今言わないと、ズルズルと曖昧なまま時間だけが過ぎて行きそうで嫌だった。
ー返事がない……ー
これは、どう捉えるべきだ?呆れられている?今更だと怒っている?既に嫌われている!?
「シャーリー、本当に───えっ!?ちょっ、シャーリー!?」
すると、シャーリーの琥珀色の綺麗な瞳からポロポロと涙が零れ落ちた。
「ごめん!シャーリー!俺が悪かった!急にこんな我儘を言ってごめん!」
「違うんです!違うくて…うっ……私、本当にブロンディオ様に嫌われてると……婚約も解消されるんじゃないかって……ずっと不安で…でも、そうじゃなくて…嬉しくて……」
「シャーリー」
嫌われてなかったと安心して、そっとシャーリーを抱き寄せると、シャーリーは安心したように力を抜いて、俺の腕の中に収まってくれた。
ー本当にシャーリーが可愛いー
「また後日、改めてゆっくり話そう」
侯爵はそう言ってから、執事が待っている執務室へ行ってしまい、今、この部屋に居るのは俺とリュシアンとナターシャだけだ。
「護衛は連れて来ていないのか?」
「こっそり転移で来たからね。私達が王城に居ない事には誰も気付いてないから大丈夫だろう。兎に角、本当に間に合って良かった」
「ようやく元の姿に戻れた……」
久し振りの人間の体になり、手足を軽く動かした。
「ネイサンが掴んだ証拠と今回の事で、シャーリーの無実は証明できるし、ジャクリーヌとデライラに罰を与える事ができるわ。ふふっ……」
「「…………」」
ー実の親と妹の処罰を喜ぶナターシャが恐ろしいー
それだけ、2人に対して嫌悪感を抱いていたと言う事だろう。それに、身内だからと権力で過保護に護る王太子妃ではなくて良かったと喜ぶべきなのかもしれない。権力者が腐っていると、下の者達も腐ってしまうから。
「良い王太子妃を持ったな……」
「今更だな」
「ネイサン、そうやって私を褒めても無駄よ。貴方には色々言いたい事があるの」
「あー……うん。分かっている」
「なら、話が早いわ」
と、ナターシャはにっこり微笑んだ後、俺はナターシャからたっぷりとお小言を食らったのだった。
********
「ブロンディオ様、先日は護っていただいて、ありがとうございました」
「お礼は、あの時にももらったから、もう言わなくても良いよ。兎に角、シャーリーが無事で良かった」
ネイサン=ブロンディオとしてシャーリーに会えたのは、あの日から1週間経ってからだった。
邸内を整理する為に、侯爵も暫くの間はカシリスト邸に居るそうだ。
「それと、遅くなりましたが、今迄のプレゼントもありがとうございました」
目の前には、俺が贈った物が机の上に並んでいる。
「本当に、贈られていたとは知らなくて…それと、手紙はやっぱり残っていませんでした。すみません」
「それこそシャーリーが謝る事じゃないから」
ここに並んでいる物は、既にデライラが使用していたから残っていたんだろう。
「ミシェル、これらは全部捨ててくれ」
「了解です」
「えっ!?ブロンディオ様!?ミシェル!?」
流石はミシェル。行動が早い。パパッと纏めて抱えると、ミシェルはそのまま部屋から出て行った。
「ミシェル、待って!それは──」
「シャーリー、また改めて贈らせて欲しい」
「でも、あれもブロンディオ様から頂いた物だから…」
「正直に言うと、デライラが身に着けた物を、シャーリーの身に着けて欲しくないんだ。これは、俺の我儘だから、素直に受け取ってくれないか?」
「ブロンディオ様……分かりました……あの…それじゃあ、私からも何かプレゼントをしても良いですか?」
「あぁ、勿論!シャーリーからなら、何でも嬉しいよ」
シャーリーからも、俺に何度か贈ってくれたようだが、それも全てジャクリーヌと執事に握り潰されていたようで、俺の元に届く事は無かった。一体どんな物を贈ってくれていたのか……あの2人には怒りしか無い。
「あの…ブロンディオ様、これを受け取ってもらえますか?」
「ん?」
シャーリーが持って来たのは、手の平サイズの小さな箱。その箱を受け取って開けると、オニキスのピアスが入っていた。
「誕生日プレゼントで用意してたものです。その…嫌われてると思って、用意したものの贈るかどうか悩んでいるうちに過ぎてしまって……それでも、受け取ってもらえますか?」
「勿論だ!嬉しいよ。ありがとう」
本当に、シャーリーから貰えるなら、道端になっている花でも嬉しい。それが、まさか誕生日プレゼントに身に着けられるピアスを用意してくれていたとは。あの2人が居なければ、もっと早くに手に入れられていたのに。
「ブロンディオ様、そこに座って下さい。紅茶を用意しますね」
「………シャーリーが……俺に愛想を尽かしているかもしれないけど…」
「はい?」
「それでも、俺との婚約は解消しないで欲しい。これからはシャーリーを護るから、シャーリーの側に居させて欲しい」
キョトンとした顔で俺を見ているシャーリー。いきなりこんな我儘を言った俺に、呆れているのかもしれない。でも、今言わないと、ズルズルと曖昧なまま時間だけが過ぎて行きそうで嫌だった。
ー返事がない……ー
これは、どう捉えるべきだ?呆れられている?今更だと怒っている?既に嫌われている!?
「シャーリー、本当に───えっ!?ちょっ、シャーリー!?」
すると、シャーリーの琥珀色の綺麗な瞳からポロポロと涙が零れ落ちた。
「ごめん!シャーリー!俺が悪かった!急にこんな我儘を言ってごめん!」
「違うんです!違うくて…うっ……私、本当にブロンディオ様に嫌われてると……婚約も解消されるんじゃないかって……ずっと不安で…でも、そうじゃなくて…嬉しくて……」
「シャーリー」
嫌われてなかったと安心して、そっとシャーリーを抱き寄せると、シャーリーは安心したように力を抜いて、俺の腕の中に収まってくれた。
ー本当にシャーリーが可愛いー
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