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安定のエルダイン邸
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国王様が言っていた通り、私達3人での話し合いが終わる頃、国王の侍従が諸々の書類を持ってやって来た。父とリオがそれぞれ書類を受け取り確認をすると、2人共満足気に頷いていた。
「カルディーナに帰国する迄、フェリと一緒に行動するから。」
と、ニッコリ微笑むリオと、苦笑している父と、笑顔のココの4人で王都にあるエルダイン邸へと帰って来た。
エルダイン邸に着いて、馬車が止まったところで気が付いた。
「スッカリ忘れてたんだけど、邸にはお義母様とアナベルが居るのよね……。」
私の希望通りではあるが、第一王子には選ばれなかったのだ。その事を、義母はきっと、嬉々として私を口撃して来るだろう。なんだったら、使用人達と一緒になって何か仕掛けて来る可能性もある。
「ブリジットは、私は自分の味方と思っているだろうから、私が居たとしたても…何か言って来る可能性はあるね。言って来た場合、それも証拠として出そうか。」
“証拠”とは、義母と妹を切り捨てる証拠だろうか?父は、なんとも嬉しそうな顔をしている。本当に……嘘がつけない人なんだろう。辺境伯どころか、社交界─貴族社会も向いてないのでは?
「面白そうだな。」
と、リオがニヤリと笑った。
「旦那様、おかえりなさいませ。」
「お父様、おかえりなさい。」
馬車を降りた父と私を出迎えたのは、義母と妹と使用人達。いや、実際は、私の存在は無視されているけど。
「昨日はゆっくりできなかったが……2人とも元気そうで何より…だ。」
「さぁ、旦那様、お疲れでございましょう?中に入ってゆっくりして下さいませ。」
義母が満面の笑顔で父の腕に絡み付き、そのまま邸の中へと入って行く。そうして、父と義母と妹と使用人達が邸の中に入ると、またまた私の目の前で扉がバタン─と閉じられた。
ーいやぁ…本当に安定の嫌がらせだよねー
でも、この扱いも終わりだと思うと寂しい──なんて思わないですけどね。それでも、少し気持ちに余裕があるからか、クスッと笑ってしまった。そして、相変わらず、少しキレ気味のココを宥めながら、私達も邸の中へと入って行った。
「あら?お姉様も帰っていらっしゃったの?」
邸に入ると、妹が待ち構えていた。
ー態々のお迎え、ありがとうございますー
「ここは私の家でもあるからね。帰って来るのは当たり前でしょう?」
もう既に、エルダイン辺境伯の籍を抜け、カーディナル王国の伯爵家の養子に入っているから、正しくは私の家ではないけど。
「メルヴィル様に選ばれなかったのでしょう?まぁ、そんな事は分かっていたけどね。ふふっ。でも、お姉様、安心して下さいね?お母様と私とで、お姉様にピッタリなお相手を見付けているのよ!」
“有難く思って頂戴!”と言わんばかりの顔で息巻く妹。これが言いたくて、態々ここで私を待っていたのか。本当に…暇なのかしら?───暇なのね。
「へぇ……それは…初耳だね。」
「っ!?お父様!?」
妹は気付いていなかったのか、後ろから父に声を掛けられて、驚いたように振り返った。その父の顔は、私がよく知っている無表情な顔だった。
「当主である私も知らなかったなぁ。ブリジット。フェリシティのお相手とはどう言う事だ?」
チラリと視線を向けられた義母は、一瞬強張った顔をしたが、すぐに表情を柔らかくして、ソッと父の腕に触れてから視線を父に向けた。
「こう言ってはなんですけど…フェリシティさんは第一王子に捨てられましたでしょう?もともと…悪い噂もありましたし…。そうなると、もうマトモなお相手を見付けるのは難しいと思いまして…。それでも、こんなフェリシティさんでも良いと仰ってくれた方が居ましたの!」
ニコニコ微笑む義母と、ソレを無表情で見下ろす父。
いや。実際のところ、父の心臓は爆発寸前なのかもしれないけど。
「“マトモなお相手”ね…。その話は、夕食を食べてから、ゆっくりと聞かせてもらおうか?」
「えぇ!それは勿論ですわ!!」
義母は更に微笑み、夕食の準備を急ぐようにと使用人に伝えた後、父と妹と共にリビングルームへと入って行った。
ーさて、どうなるかしら?ー
私はココと静かに頷きあってから、邸の隅っこにある自室へと足を向けた。
その日の夕食も、何とも歯応えのある物だった。勿論、ココと一緒に再調理してから美味しくいただきました。
私の部屋に小さいながらもキッチンが備えられたのは…兄か父のお陰だろうか?
そして、食後に父から呼び出しを受けて、ココと共にリビングルームへとやって来た。
ーさぁ、これで、最後にするわー
と、私はリビングルームの扉をノックした。
「カルディーナに帰国する迄、フェリと一緒に行動するから。」
と、ニッコリ微笑むリオと、苦笑している父と、笑顔のココの4人で王都にあるエルダイン邸へと帰って来た。
エルダイン邸に着いて、馬車が止まったところで気が付いた。
「スッカリ忘れてたんだけど、邸にはお義母様とアナベルが居るのよね……。」
私の希望通りではあるが、第一王子には選ばれなかったのだ。その事を、義母はきっと、嬉々として私を口撃して来るだろう。なんだったら、使用人達と一緒になって何か仕掛けて来る可能性もある。
「ブリジットは、私は自分の味方と思っているだろうから、私が居たとしたても…何か言って来る可能性はあるね。言って来た場合、それも証拠として出そうか。」
“証拠”とは、義母と妹を切り捨てる証拠だろうか?父は、なんとも嬉しそうな顔をしている。本当に……嘘がつけない人なんだろう。辺境伯どころか、社交界─貴族社会も向いてないのでは?
「面白そうだな。」
と、リオがニヤリと笑った。
「旦那様、おかえりなさいませ。」
「お父様、おかえりなさい。」
馬車を降りた父と私を出迎えたのは、義母と妹と使用人達。いや、実際は、私の存在は無視されているけど。
「昨日はゆっくりできなかったが……2人とも元気そうで何より…だ。」
「さぁ、旦那様、お疲れでございましょう?中に入ってゆっくりして下さいませ。」
義母が満面の笑顔で父の腕に絡み付き、そのまま邸の中へと入って行く。そうして、父と義母と妹と使用人達が邸の中に入ると、またまた私の目の前で扉がバタン─と閉じられた。
ーいやぁ…本当に安定の嫌がらせだよねー
でも、この扱いも終わりだと思うと寂しい──なんて思わないですけどね。それでも、少し気持ちに余裕があるからか、クスッと笑ってしまった。そして、相変わらず、少しキレ気味のココを宥めながら、私達も邸の中へと入って行った。
「あら?お姉様も帰っていらっしゃったの?」
邸に入ると、妹が待ち構えていた。
ー態々のお迎え、ありがとうございますー
「ここは私の家でもあるからね。帰って来るのは当たり前でしょう?」
もう既に、エルダイン辺境伯の籍を抜け、カーディナル王国の伯爵家の養子に入っているから、正しくは私の家ではないけど。
「メルヴィル様に選ばれなかったのでしょう?まぁ、そんな事は分かっていたけどね。ふふっ。でも、お姉様、安心して下さいね?お母様と私とで、お姉様にピッタリなお相手を見付けているのよ!」
“有難く思って頂戴!”と言わんばかりの顔で息巻く妹。これが言いたくて、態々ここで私を待っていたのか。本当に…暇なのかしら?───暇なのね。
「へぇ……それは…初耳だね。」
「っ!?お父様!?」
妹は気付いていなかったのか、後ろから父に声を掛けられて、驚いたように振り返った。その父の顔は、私がよく知っている無表情な顔だった。
「当主である私も知らなかったなぁ。ブリジット。フェリシティのお相手とはどう言う事だ?」
チラリと視線を向けられた義母は、一瞬強張った顔をしたが、すぐに表情を柔らかくして、ソッと父の腕に触れてから視線を父に向けた。
「こう言ってはなんですけど…フェリシティさんは第一王子に捨てられましたでしょう?もともと…悪い噂もありましたし…。そうなると、もうマトモなお相手を見付けるのは難しいと思いまして…。それでも、こんなフェリシティさんでも良いと仰ってくれた方が居ましたの!」
ニコニコ微笑む義母と、ソレを無表情で見下ろす父。
いや。実際のところ、父の心臓は爆発寸前なのかもしれないけど。
「“マトモなお相手”ね…。その話は、夕食を食べてから、ゆっくりと聞かせてもらおうか?」
「えぇ!それは勿論ですわ!!」
義母は更に微笑み、夕食の準備を急ぐようにと使用人に伝えた後、父と妹と共にリビングルームへと入って行った。
ーさて、どうなるかしら?ー
私はココと静かに頷きあってから、邸の隅っこにある自室へと足を向けた。
その日の夕食も、何とも歯応えのある物だった。勿論、ココと一緒に再調理してから美味しくいただきました。
私の部屋に小さいながらもキッチンが備えられたのは…兄か父のお陰だろうか?
そして、食後に父から呼び出しを受けて、ココと共にリビングルームへとやって来た。
ーさぁ、これで、最後にするわー
と、私はリビングルームの扉をノックした。
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