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第二章ー浄化の旅と帰還ー
帰還①
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*話が長くなったので、3話に分けて投稿します。本日、1話目です*
帰還日の前日は、身の回りの整理をしてからクッキーをたくさん作った。ダルシニアン様とカルザイン様には勿論の事、ベラトリス様やサエラさんやお世話になった人にも…と思ったのだ。それぞれ、渡す人の数の分を小分けにラッピングをした。
お願いをすれば、私が配り歩く事も可能なんだろうけど…各々仕事があるだろうし、突然行っても迷惑になるだろうと思ったから、サエラさんに時間がある時に渡して欲しいとお願いした。
その日の夕食は、4人でミヤさんの部屋で一緒に食べる事になった。
「はぁ…明日、遂に日本に還れるのね。」
フジさんがしみじみと言う。
「あ、取り敢えず、日本に還ったら香下先生の部屋に行かなきゃだよね!?」
「あー、そうだったね!」
皆で、日本に還ってからの話しをいっぱいした。
「あ、ここまで来て今更なんですけど…昨日の夜会でも、乙女ゲームな展開は…無かったんですか?」
ふと気になり、思い切って訊いてみた。
「それがねー…何と!あったのよ!!」
と、ショウさんが愉しそうに教えてくれた。
昨日の夜会は、今までの夜会とは、少し違ったようだ。
先ず、今までエスコート無しで入場していたのだが、ミヤさんを王太子様が、ショウさんをダルシニアン様が、フジさんをカルザイン様がエスコートをして入場。
王様の労いと感謝の挨拶が終わると、そのエスコートの相手とそのままダンスもしたそうだ。そのダンスで、王太子様が…やらかしたらしい。何でも、ダンスには色んなルールがあるようで、相手が家族なら問題無いらしいが、基本は1曲だけで終り。2曲続けて踊るのは婚約者。3曲続けると結婚相手と言う意味にとられるらしい。で、王太子様は…ミヤさんを1曲だけで離さず…2曲連続で踊ったと…。
ーあ、コレ、ベラトリス様がキレる案件では?ー
と内心思っていると
「それで、それを見てたベラトリス様が2曲目が終わった瞬間に…王子の首根っこ掴んで引っ張って行ったけどね…ふふっ…」
と、ミヤさんが犯人を追い詰める時の様な目をしながら笑った。
ーミヤさんを敵に回してはいけません!ー
「でもねー…別に嫌いじゃないのよ?ゲームでお世話になってた時は、私のお気に入りだったし。寧ろ、“ラッキー”位なんだけど…。ただ現実になるとね…。ハルにした事と言うか…しなかった事に関しては腹が立つし…。それに何より…王子を見る度に、彼氏に会いたくなっちゃうんだよね。」
「あらやだ!ミヤから惚気話が聞けるとは思わなかったわ!」
「ふふっ、ミヤ、可愛いわー。」
ショウさんが驚き、フジさんは微笑む。
このお姉さん達のやり取りを見るのも…明日で終わりなんだよね…。そう思うとちょっぴり寂しいけど同じ日本に居れば、またどこかで会えるかもしれない…よね。
「ま、乙女ゲームっぽいのは…それ位かな?」
「いや、それ、もー、乙女ゲームとは言えないよね?」
ーあ、フジさんもそう思ってたんですね(笑)ー
「あぁ、後は、いつもより騎士達にチヤホヤされた位ね。」
「確かに!昨日はホストクラブにでも来たのかと錯覚しそうになったよねー。」
「そう言えば、何人かの騎士の人が、ハルにもヨロシク伝えて欲しいって言われたわよ?旅で仲良くなった騎士でも居た?」
「あ、はい。少し話した位ですけど、多分その騎士様達の事だと思います。」
「そっか…。ハルも成長したね?良かったね。」
お姉さん達は、優しい目をして笑ってくれた。
そして、明日は早いから…と言って、食事が終わった後早目に自分の部屋に戻り、いつもより早目の時間にベッドに潜り込んだ。
いよいよだー。
明日、日本に還れる。
帰還日の前日は、身の回りの整理をしてからクッキーをたくさん作った。ダルシニアン様とカルザイン様には勿論の事、ベラトリス様やサエラさんやお世話になった人にも…と思ったのだ。それぞれ、渡す人の数の分を小分けにラッピングをした。
お願いをすれば、私が配り歩く事も可能なんだろうけど…各々仕事があるだろうし、突然行っても迷惑になるだろうと思ったから、サエラさんに時間がある時に渡して欲しいとお願いした。
その日の夕食は、4人でミヤさんの部屋で一緒に食べる事になった。
「はぁ…明日、遂に日本に還れるのね。」
フジさんがしみじみと言う。
「あ、取り敢えず、日本に還ったら香下先生の部屋に行かなきゃだよね!?」
「あー、そうだったね!」
皆で、日本に還ってからの話しをいっぱいした。
「あ、ここまで来て今更なんですけど…昨日の夜会でも、乙女ゲームな展開は…無かったんですか?」
ふと気になり、思い切って訊いてみた。
「それがねー…何と!あったのよ!!」
と、ショウさんが愉しそうに教えてくれた。
昨日の夜会は、今までの夜会とは、少し違ったようだ。
先ず、今までエスコート無しで入場していたのだが、ミヤさんを王太子様が、ショウさんをダルシニアン様が、フジさんをカルザイン様がエスコートをして入場。
王様の労いと感謝の挨拶が終わると、そのエスコートの相手とそのままダンスもしたそうだ。そのダンスで、王太子様が…やらかしたらしい。何でも、ダンスには色んなルールがあるようで、相手が家族なら問題無いらしいが、基本は1曲だけで終り。2曲続けて踊るのは婚約者。3曲続けると結婚相手と言う意味にとられるらしい。で、王太子様は…ミヤさんを1曲だけで離さず…2曲連続で踊ったと…。
ーあ、コレ、ベラトリス様がキレる案件では?ー
と内心思っていると
「それで、それを見てたベラトリス様が2曲目が終わった瞬間に…王子の首根っこ掴んで引っ張って行ったけどね…ふふっ…」
と、ミヤさんが犯人を追い詰める時の様な目をしながら笑った。
ーミヤさんを敵に回してはいけません!ー
「でもねー…別に嫌いじゃないのよ?ゲームでお世話になってた時は、私のお気に入りだったし。寧ろ、“ラッキー”位なんだけど…。ただ現実になるとね…。ハルにした事と言うか…しなかった事に関しては腹が立つし…。それに何より…王子を見る度に、彼氏に会いたくなっちゃうんだよね。」
「あらやだ!ミヤから惚気話が聞けるとは思わなかったわ!」
「ふふっ、ミヤ、可愛いわー。」
ショウさんが驚き、フジさんは微笑む。
このお姉さん達のやり取りを見るのも…明日で終わりなんだよね…。そう思うとちょっぴり寂しいけど同じ日本に居れば、またどこかで会えるかもしれない…よね。
「ま、乙女ゲームっぽいのは…それ位かな?」
「いや、それ、もー、乙女ゲームとは言えないよね?」
ーあ、フジさんもそう思ってたんですね(笑)ー
「あぁ、後は、いつもより騎士達にチヤホヤされた位ね。」
「確かに!昨日はホストクラブにでも来たのかと錯覚しそうになったよねー。」
「そう言えば、何人かの騎士の人が、ハルにもヨロシク伝えて欲しいって言われたわよ?旅で仲良くなった騎士でも居た?」
「あ、はい。少し話した位ですけど、多分その騎士様達の事だと思います。」
「そっか…。ハルも成長したね?良かったね。」
お姉さん達は、優しい目をして笑ってくれた。
そして、明日は早いから…と言って、食事が終わった後早目に自分の部屋に戻り、いつもより早目の時間にベッドに潜り込んだ。
いよいよだー。
明日、日本に還れる。
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