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第三章ーパルヴァン辺境地ー
閑話ールナ=ハウンズリーー
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*お気に入り登録が100を超えて、テンションが上がっているみんです。ありがとうございます(///∇///)近況にも書きましたが、感謝の気持ちを込めて閑話を投稿しに来ました。よければ読んで下さい(*´ω`*)勿論、飛ばしてもらっても本編には影響ありせん*
私の名前はルナ=ハウンズリー。
パルヴァン辺境地のハウンズリー子爵家の三女です。
パルヴァン辺境地は、穢れの森を有している為、男女性別は関係なく、幼い頃から剣や武術を身に付けさせられる。魔獣がいつ現れてもおかしくない土地だからである。私も5歳の頃から武術を学び、7歳の頃には刃の無い剣を握っていた。
基本、パルヴァンでは出生順位は関係無く、剣や武術に長けた者が嫡子となる。我がハウンズリー家は長女がそれである。
三女である私は、どこかの子息と結婚する流れにあるのだけど…恋愛にイマイチ興味が無い為、パルヴァン邸でメイドをしながら婚約どころか恋愛もせずズルズルと過ごしていました。
先代のパルヴァン辺境伯は、先々代の嫡子でした。特にパルヴァン辺境伯の地位は国にとっても重要なので、その地位を引き継ぐ為には勿論実力重視だが、現当主と国王陛下と主だった貴族の許可がなければ継げません。
先代のパルヴァン辺境伯は、問題なくこの土地を治め、魔獣討伐も難なくこなしていました。問題は…その息子にありました。
実力はそこそこあるものの、そこそこ止まり。そのくせ態度が横柄な方でした。当たり前ですが、先代のパルヴァン様も自分の息子には地位を継がせず、当時王都で第一騎士団長を務めていたグレン様を指名し、国王陛下達が同意し、グレン様がパルヴァン辺境伯となりました。
このグレン様が凄かった。過去、何度も魔獣が溢れ街にも現れ被害が出る事があったけど、グレン様がここを治めるようになってからは、それが一度も無いのだ。
このパルヴァンは特殊な土地。助け合わなければ生きていけない事をよく分かっている為、結束力は半端無い。なので、パルヴァンに住む人は皆グレン様を尊敬している。
そんなグレン様が、1年前に王都から浄化に来ていた騎士達を守って瀕死の重症を負ったと聞いた時は私の心臓も止まるかと思った程だ。パルヴァン邸付きの薬師や魔導師も、「後はグレン様本人次第だ」と言う。皆、多少なりとも覚悟はしていたと思う。
しかし──
王都から同行していた薬師の1人が、グレン様を救ってくれたのだ。後遺症も全く無いと言う。辺境地では、情報一つで生死に関わる事もある為、色んな情報が直ぐ様正確に領地内に伝わるのだが…グレン様が助かった事は知っているが、誰1人として、誰が助けてくれたのかは分からず仕舞いだった。
そして1年後、それが誰かが判った。
グレン様が辺境伯を継いだ時、先代の辺境伯のあの息子はここに残り、パルヴァン騎士団の副隊長をしていたのだが…そいつがやらかした。
とある不審な女性を拘束して牢屋に閉じ込めた。それは問題無い。その後が問題だった。その馬鹿息子は、その女性から預かったピアスを、報告も上げずに売りに行ったのだ。そこから、その女性がグレン様の命の恩人であり、聖女様達の召喚に巻き込まれて来た女の子だと判明した。
そんな彼女を牢屋に入れたまま放置。その上ピアスを売った…。グレン様やシルヴィア様は勿論の事、パルヴァンの民全員が…キレた。そう。全員がキレたのだ。今思い出しても…あの時のシルヴィア様は…恐ろしかった…。
ま…まぁ、兎に角、その馬鹿息子はシルヴィア様にたっっぷり締め上げられた後、そのまま領地追放となり、今は何処で何をしているのか…知ったこっちゃないわ!!
そこからのパルヴァンの民の行動は早かった。グレン様の命の恩人─ハル様─に関する情報収集。集まれば集まる程、皆の眉間に皺が寄って行った。王城では酷い扱いをされた時があったと。
そして…元の世界には還れなかったと。
そう、ハル様本人は知らないと思うけど、パルヴァンの民は皆、ハル様がグレン様の命の恩人で、もう元の世界には還れないと言う事を知っているのだ。皆、知らないフリをして“薬師のハル”として受け入れているフリをしているのだ。
そんなハル様に、専属侍女兼護衛を2人付けるとシルヴィア様が言い出した。
ーそれは…争奪戦の始まりでしたー
剣、武術は勿論、侍女としていかに綺麗にハル様を整えられるか…様々な試験、実技を繰り広げ勝ち抜いたのが
私─ルナ=ハウンズリーと、リディ=ロハイアスでした。
そして、ゼン様に私達2人をハル様に紹介してもらった時、「敬語はやめて欲しい」と言われたけど…そんなの無理ですよね!?尊敬するグレン様の命の恩人ですよ!?リディと2人で泣いたら、ハル様は諦めてくれたけど…泣いただけで諦めるって…チョロ…優し過ぎませんか!?
ハッキリ言って、ハル様は可愛い!じゃなくて、優し過ぎると言うか…お人好し過ぎる。よく、こんな可愛い…優しい人を虐められたなぁ…と、王城付きの侍女達に怒りを覚える程。
これからは、パルヴァン辺境地でハル様が幸せに…笑顔で過ごせるように、私達が見守っていこう!そう思いながら、今日もハル様の元へと向かった。
*なかなか本編に入れられなかった、“勝ち抜いて来た”侍女2人の裏事情でした*
私の名前はルナ=ハウンズリー。
パルヴァン辺境地のハウンズリー子爵家の三女です。
パルヴァン辺境地は、穢れの森を有している為、男女性別は関係なく、幼い頃から剣や武術を身に付けさせられる。魔獣がいつ現れてもおかしくない土地だからである。私も5歳の頃から武術を学び、7歳の頃には刃の無い剣を握っていた。
基本、パルヴァンでは出生順位は関係無く、剣や武術に長けた者が嫡子となる。我がハウンズリー家は長女がそれである。
三女である私は、どこかの子息と結婚する流れにあるのだけど…恋愛にイマイチ興味が無い為、パルヴァン邸でメイドをしながら婚約どころか恋愛もせずズルズルと過ごしていました。
先代のパルヴァン辺境伯は、先々代の嫡子でした。特にパルヴァン辺境伯の地位は国にとっても重要なので、その地位を引き継ぐ為には勿論実力重視だが、現当主と国王陛下と主だった貴族の許可がなければ継げません。
先代のパルヴァン辺境伯は、問題なくこの土地を治め、魔獣討伐も難なくこなしていました。問題は…その息子にありました。
実力はそこそこあるものの、そこそこ止まり。そのくせ態度が横柄な方でした。当たり前ですが、先代のパルヴァン様も自分の息子には地位を継がせず、当時王都で第一騎士団長を務めていたグレン様を指名し、国王陛下達が同意し、グレン様がパルヴァン辺境伯となりました。
このグレン様が凄かった。過去、何度も魔獣が溢れ街にも現れ被害が出る事があったけど、グレン様がここを治めるようになってからは、それが一度も無いのだ。
このパルヴァンは特殊な土地。助け合わなければ生きていけない事をよく分かっている為、結束力は半端無い。なので、パルヴァンに住む人は皆グレン様を尊敬している。
そんなグレン様が、1年前に王都から浄化に来ていた騎士達を守って瀕死の重症を負ったと聞いた時は私の心臓も止まるかと思った程だ。パルヴァン邸付きの薬師や魔導師も、「後はグレン様本人次第だ」と言う。皆、多少なりとも覚悟はしていたと思う。
しかし──
王都から同行していた薬師の1人が、グレン様を救ってくれたのだ。後遺症も全く無いと言う。辺境地では、情報一つで生死に関わる事もある為、色んな情報が直ぐ様正確に領地内に伝わるのだが…グレン様が助かった事は知っているが、誰1人として、誰が助けてくれたのかは分からず仕舞いだった。
そして1年後、それが誰かが判った。
グレン様が辺境伯を継いだ時、先代の辺境伯のあの息子はここに残り、パルヴァン騎士団の副隊長をしていたのだが…そいつがやらかした。
とある不審な女性を拘束して牢屋に閉じ込めた。それは問題無い。その後が問題だった。その馬鹿息子は、その女性から預かったピアスを、報告も上げずに売りに行ったのだ。そこから、その女性がグレン様の命の恩人であり、聖女様達の召喚に巻き込まれて来た女の子だと判明した。
そんな彼女を牢屋に入れたまま放置。その上ピアスを売った…。グレン様やシルヴィア様は勿論の事、パルヴァンの民全員が…キレた。そう。全員がキレたのだ。今思い出しても…あの時のシルヴィア様は…恐ろしかった…。
ま…まぁ、兎に角、その馬鹿息子はシルヴィア様にたっっぷり締め上げられた後、そのまま領地追放となり、今は何処で何をしているのか…知ったこっちゃないわ!!
そこからのパルヴァンの民の行動は早かった。グレン様の命の恩人─ハル様─に関する情報収集。集まれば集まる程、皆の眉間に皺が寄って行った。王城では酷い扱いをされた時があったと。
そして…元の世界には還れなかったと。
そう、ハル様本人は知らないと思うけど、パルヴァンの民は皆、ハル様がグレン様の命の恩人で、もう元の世界には還れないと言う事を知っているのだ。皆、知らないフリをして“薬師のハル”として受け入れているフリをしているのだ。
そんなハル様に、専属侍女兼護衛を2人付けるとシルヴィア様が言い出した。
ーそれは…争奪戦の始まりでしたー
剣、武術は勿論、侍女としていかに綺麗にハル様を整えられるか…様々な試験、実技を繰り広げ勝ち抜いたのが
私─ルナ=ハウンズリーと、リディ=ロハイアスでした。
そして、ゼン様に私達2人をハル様に紹介してもらった時、「敬語はやめて欲しい」と言われたけど…そんなの無理ですよね!?尊敬するグレン様の命の恩人ですよ!?リディと2人で泣いたら、ハル様は諦めてくれたけど…泣いただけで諦めるって…チョロ…優し過ぎませんか!?
ハッキリ言って、ハル様は可愛い!じゃなくて、優し過ぎると言うか…お人好し過ぎる。よく、こんな可愛い…優しい人を虐められたなぁ…と、王城付きの侍女達に怒りを覚える程。
これからは、パルヴァン辺境地でハル様が幸せに…笑顔で過ごせるように、私達が見守っていこう!そう思いながら、今日もハル様の元へと向かった。
*なかなか本編に入れられなかった、“勝ち抜いて来た”侍女2人の裏事情でした*
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