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41 それぞれの夜
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*茉白視点*
私とカイルスさんの結婚する日は、パラパラと雨が降っていた。
「吉日ですね!」
竜王国では、晴れた日に雨が降る事を“日向雨”と言い、縁起が良いとされているそうだ。
ー私は竜だけど、“狐の嫁入り”みたいだよね?ー
まさか、私が人間じゃなくて、しかも異世界で鳥獣人と結婚するとは……誰が予想できただろうか?女将さんや大将が知ったらビックリどころじゃないよね。
今日の流れは、カイルスさんと神殿に行って、神官の前で結婚の宣言をして婚姻届けを提出するだけ。お披露目会は、明日の午後で、西の宮殿で執り行われる。そのお披露目会が終わると、私とカイルスさんは離宮に戻り、夕食は2人だけで食べて、夜はそのまま──2人で迎える事になる。そして、私達もまた、そのまま1ヶ月の“蜜月”とやらに突入するらしい。
ー1ヶ月って、長くない?ー
その辺りを、軽く芽依さんに訊いてみたけど、何故か遠い目をして微笑んだだけだった。
『でも、お姉さんは竜人だから、大丈夫かも?ふふっ』
ー何が大丈夫なの?ー
とは訊けなかった。お母さんには、『ポーションを用意してとくわ』とだけ言われ、レナルドさんにいたっては、少し涙ぐまれた。父親となったレナルドさんは、父性本能が爆発しているようで、芽依さんと私に対して感情がゆるゆるになっている。
兎に角、明日からの事は………『もうなるようになれ!』状態でしかない。
*カイルス視点*
今日は、日向雨の吉日となった。
神殿に行くと、そこにはやはり、大神官と聖女ユマ様が居た。その2人の前で結婚の宣言をして婚姻届けを出すと、大神官とユマ様から祝福を受けた。視線を横に向けると、真っ白なワンピースタイプのシンプルなドレスを着たマシロが、金色の光に包まれて、より一層神秘的な姿になっていた。
光を見て『きれい……』と呟くマシロの方が綺麗だ。このまま西の離宮に引き篭もりたい気持ちをグッと耐える。今日1日を乗り越えると、明日の夜からはマシロと“蜜月”を迎える。竜王国特有のものだ。竜人が子が授かり難いからできた習わしだ。竜人同士なら特に問題無さそうだが、メイは……大変そうだった。蜜月が明けた後、3日程邸から出られなかったと言っていた。『あのリシャールが?』と、正直驚いた。マシロは少しひいていたような気もするが、気付かないふりをした。
『取り敢えず、ポーションは用意しておいたわ』と、ユマ様に耳打ちされた。何のポーションかは訊かなかった。
神殿を出て向かったのは西の宮殿。今日はここで、別々の部屋で過ごす。マシロと会えるのは明日のお披露目会の時。それ迄は、お互いそれぞれの人達と過ごす。マシロは、ユマ様とメイとイネスとマイラと過ごし、俺は、レナルド殿とアルマンとキースと過ごした。
「マシロの事、本当によろしく頼むよ。マシロには、これから幸せになって欲しい。マシロが幸せになると、ユマも安心するから」
レナルド殿は、もうすっかりマシロの父親だ。そして、これからは俺の義父となる。
「勿論、マシロの事は任せて下さい。レナルド殿──義父上は安心してユマ様と幸せになって下さい。そうなれば、マシロも安心しますから」
マシロの願いも、母親の幸せだろうから。
「うっ……本当に、マシロ様の事、宜しくお願いします!!」
大泣きしているのはキースだ。
「今からそんなに泣いてどうするんだ?」
「すみません……嬉しくて…………」
本当に、側衛のキースはブレない。
「カイルス、おめでとう。お前が蜜月を迎える日が来るとは思わなかったから、これで俺も一安心だ」
「ありがとう、アルマン」
「ただ、一つだけ忠告しておくが、マシロは竜人だけど、思考的には人間寄りだから、無理だけはするなよ?多分、竜人のマシロより獣人のお前の方が体力があるだろうし、最初から飛ばすと、後々が大変らしいからな」
「父親の前でする話ではないだろう!」
アルマンの忠告に、義父上が叫びながら机に突っ伏した。
ー俺に何と答えろと?ー
善処する──つもりはあるけど、自信は無い。とは言えない。
「マシロ様が本気で嫌がらなければ大丈夫じゃないですか?マシロ様が本気を出したら、きっと俺達は敵いませんよ」
キースが言うのも確かだ。竜力で言うと、アルマンやキースよりも上だ。竜王陛下が『化ける』と言う程だから。
「でも……蜜月明けに、動ける程度で宜しくお願いします」
ーそれは、どんな程度なんだ?ー
兎に角、マシロが嫌がる事はしないようにするしかない。
「その話は終わりにして、今日は4人で飲もう!」
「賛成だ」
そうして、俺達は義父上を慰めながら、お酒を楽しんだ。
私とカイルスさんの結婚する日は、パラパラと雨が降っていた。
「吉日ですね!」
竜王国では、晴れた日に雨が降る事を“日向雨”と言い、縁起が良いとされているそうだ。
ー私は竜だけど、“狐の嫁入り”みたいだよね?ー
まさか、私が人間じゃなくて、しかも異世界で鳥獣人と結婚するとは……誰が予想できただろうか?女将さんや大将が知ったらビックリどころじゃないよね。
今日の流れは、カイルスさんと神殿に行って、神官の前で結婚の宣言をして婚姻届けを提出するだけ。お披露目会は、明日の午後で、西の宮殿で執り行われる。そのお披露目会が終わると、私とカイルスさんは離宮に戻り、夕食は2人だけで食べて、夜はそのまま──2人で迎える事になる。そして、私達もまた、そのまま1ヶ月の“蜜月”とやらに突入するらしい。
ー1ヶ月って、長くない?ー
その辺りを、軽く芽依さんに訊いてみたけど、何故か遠い目をして微笑んだだけだった。
『でも、お姉さんは竜人だから、大丈夫かも?ふふっ』
ー何が大丈夫なの?ー
とは訊けなかった。お母さんには、『ポーションを用意してとくわ』とだけ言われ、レナルドさんにいたっては、少し涙ぐまれた。父親となったレナルドさんは、父性本能が爆発しているようで、芽依さんと私に対して感情がゆるゆるになっている。
兎に角、明日からの事は………『もうなるようになれ!』状態でしかない。
*カイルス視点*
今日は、日向雨の吉日となった。
神殿に行くと、そこにはやはり、大神官と聖女ユマ様が居た。その2人の前で結婚の宣言をして婚姻届けを出すと、大神官とユマ様から祝福を受けた。視線を横に向けると、真っ白なワンピースタイプのシンプルなドレスを着たマシロが、金色の光に包まれて、より一層神秘的な姿になっていた。
光を見て『きれい……』と呟くマシロの方が綺麗だ。このまま西の離宮に引き篭もりたい気持ちをグッと耐える。今日1日を乗り越えると、明日の夜からはマシロと“蜜月”を迎える。竜王国特有のものだ。竜人が子が授かり難いからできた習わしだ。竜人同士なら特に問題無さそうだが、メイは……大変そうだった。蜜月が明けた後、3日程邸から出られなかったと言っていた。『あのリシャールが?』と、正直驚いた。マシロは少しひいていたような気もするが、気付かないふりをした。
『取り敢えず、ポーションは用意しておいたわ』と、ユマ様に耳打ちされた。何のポーションかは訊かなかった。
神殿を出て向かったのは西の宮殿。今日はここで、別々の部屋で過ごす。マシロと会えるのは明日のお披露目会の時。それ迄は、お互いそれぞれの人達と過ごす。マシロは、ユマ様とメイとイネスとマイラと過ごし、俺は、レナルド殿とアルマンとキースと過ごした。
「マシロの事、本当によろしく頼むよ。マシロには、これから幸せになって欲しい。マシロが幸せになると、ユマも安心するから」
レナルド殿は、もうすっかりマシロの父親だ。そして、これからは俺の義父となる。
「勿論、マシロの事は任せて下さい。レナルド殿──義父上は安心してユマ様と幸せになって下さい。そうなれば、マシロも安心しますから」
マシロの願いも、母親の幸せだろうから。
「うっ……本当に、マシロ様の事、宜しくお願いします!!」
大泣きしているのはキースだ。
「今からそんなに泣いてどうするんだ?」
「すみません……嬉しくて…………」
本当に、側衛のキースはブレない。
「カイルス、おめでとう。お前が蜜月を迎える日が来るとは思わなかったから、これで俺も一安心だ」
「ありがとう、アルマン」
「ただ、一つだけ忠告しておくが、マシロは竜人だけど、思考的には人間寄りだから、無理だけはするなよ?多分、竜人のマシロより獣人のお前の方が体力があるだろうし、最初から飛ばすと、後々が大変らしいからな」
「父親の前でする話ではないだろう!」
アルマンの忠告に、義父上が叫びながら机に突っ伏した。
ー俺に何と答えろと?ー
善処する──つもりはあるけど、自信は無い。とは言えない。
「マシロ様が本気で嫌がらなければ大丈夫じゃないですか?マシロ様が本気を出したら、きっと俺達は敵いませんよ」
キースが言うのも確かだ。竜力で言うと、アルマンやキースよりも上だ。竜王陛下が『化ける』と言う程だから。
「でも……蜜月明けに、動ける程度で宜しくお願いします」
ーそれは、どんな程度なんだ?ー
兎に角、マシロが嫌がる事はしないようにするしかない。
「その話は終わりにして、今日は4人で飲もう!」
「賛成だ」
そうして、俺達は義父上を慰めながら、お酒を楽しんだ。
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