氷の騎士は、還れなかったモブのリスを何度でも手中に落とす

みん

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☆ネージュの呟き☆

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我が主の名は─ハルノミヤ=コトネ─

我が名は─ネージュ─





サリス───

我が主であった、パルヴァンの巫女を殺した王族の末裔だった。ソレを連れてきたのが───魔法使いだった。

『やっぱりだったな。』

我はまた、今の主に護られてパルヴァンの巫女に助けられ…傷を癒やす為に大樹で眠りに就いている。以前は苦痛でしかなかった眠り。

だが、今は違う─

今は、主とパルヴァンの巫女の優しい魔力が我の身体に纏っていて…とても落ち着いている。



『レフコース、お前は少し、ここで休んでいけ。彼女なら…大丈夫だ。』



大樹に引き込まれた時に聞こえたような…その懐かしい声に、ホッとするのと同時にチクリと胸が傷んだ。

『───主、…助けに行けず…すまなかった…。何を置いても…護るべき主だったのに──』


『レフコース。私は、いつもお前に助けられていたよ?私は、レフコースが幸せになってくれれば…。それが、私の願いだ。さぁ、レフコース、そろそろ目覚めの時だ。ネロが…待っている。は少し大変かもしれないが…きっと大丈夫だから。レフコース……サヨナラだ。』

『主────』

主であったパルヴァンの巫女は、あの時と変わらぬ優しい笑顔だった。コレは、我の都合の良い夢かも知れぬが──ただただ、心が温かくなった。








『まま!まま!よかったの!』

ずっと、大樹の側でネロが待っていたのを知っていた。
我の愛しい子。我が護るべき子なのに、我が護られてしまったうえに…泣かせてしまった。それに──主は…我の事を忘れてしまっていた。
それでも主は、出会った頃の主のままで、側に居る事を許してくれて────

思う存分にもふもふされた。

どうやら、記憶を無くしても、主は主だった。








『ネロは、たくさん我慢をしてたんだね。』

『そうだな──』

我が目覚めた後、ネロが泣きながら寝てしまった。そんなネロを、ノアが鼻先で撫でている。
ノアからは珍しく、ピリピリとした魔力が漂っている。

ーノアに…これ程の魔力があったのか?ー

少し疑問に思ったが、ネロの事が気になり、その事はすっかり忘れていた。







『ネージュ、安心して。もう、某国の者達がネージュやハル様に手を出す事は…ないから。』

そこには、ニッコリ微笑むノアが居た。
相変わらず、ノアからは僅かな魔力しか感じられぬ──が。

…なのだな?』

『ふふっ──私は…ただの魔獣の端くれだよ?』

ノアは楽しそうに笑う。

『そうか──兎に角…ノア、ありがとう。』

ノアは我からのお礼には何も答えず、その代わりに目を細めて微笑んで、我の頭にキスを落とした。






それから、主も無事に記憶が戻った。
その上、実は主がパルヴァンの巫女の末裔だと言う事が判明した。

故に、主と繋がりができ、真名でなくとも名を交わせたのだと─。
ならば、これからは…これからも、我がする事は変わらぬ。

主を守る事─
我も…幸せになる事─

我の横で昼寝をしているノアとネロを見る。

「ネージュ!」

名を呼ばれ、そこに視線を向けると、主と騎士がこちらに向かって来ていた。


『あぁ、我は…本当に幸せだ。』

知らず知らずのうちに、我の尻尾が揺れだした。













『あぁ、忘れていたが…クズ魔法使いには…何かをしなくては…な?』



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