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❋ループ編❋
8 二度目の婚約
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ハロルド様の好みと言えば─ジュリエンヌ様だ。見た目、可愛らしくて守ってあげたくなるような。エレオノール様とは、真逆なタイプだ。ただ、ジュリエンヌ様が見た目通りのタイプとは限らないけど。
そのジュリエンヌ様が留学生としてやって来るのは2年後。ある意味、それ迄ハロルド様の婚約者が決まらなければ……なんて思ってしまう。
もし、私のせいで、他の誰かがあの竜の贄になってしまったら──
そんな心配をしていたのが1週間前。
そんな心配は……アッサリと無に帰した。
学園が終わり邸へと帰って来ると、そのままワイアットに父の執務室まで連れられて来た。部屋に入ると、そこには父と母が居た。
「……………私が…………ハロ……第二王子の……婚約者に……ですか?」
「そうだ。城から使いの者が来て、国王陛下からの手紙を受け取ったのだが、それが、リーナを第二王子の婚約者としたいと言う内容だったんだ。」
「な……何故……私が?私、第二王子とは挨拶以外に言葉を交わしていませんし……学園でもクラスが違うので、殆ど接点なんてないのに……。」
ーどうして?ー
「それが………」
父と母は、少し困惑した様な顔で視線を合わせた後、その理由を話してくれた。
「第二王子が、リーナの事を以前から気に掛けていたそうでね。その上、誕生会ではリーナが不審人物に気付いて騎士に伝えた事で、誰一人怪我をする事なく取り押さえる事ができて、国王陛下も喜んでいるらしくて…。第二王子がリーナが良いと言うなら、是非にと……。」
ー気に掛けていた?ー
学園で同じクラスになった事はないし、会話をした事もない。前回の時も、以前から気になっていたなんて事を言われた事はなかった。
「………」
“何故?”“嫌だ”なんて……国王陛下から言われてしまえば、やっぱり断る事なんて…できる筈がない。
「分かりました。お受け…します。」
******
「婚約を受け入れてくれて、ありがとう。」
「至らぬ点もあるかと思いますが、宜しくお願い致します。」
あれから、ハロルド様と私の婚約はあっと言う間に調ってしまった。前回の時と同じで、私達の結婚と同時にハロルド様は“公爵”を叙爵される予定だ。前回では、その公爵夫人になったのは、ジュリエンヌ様だろう。
ハロルド様の婚約者となってから、公爵夫人となるべく、それなりに厳しい教育を受けていた。
ーそれら全て…無駄に終わったけどー
アレをまたさせられるのか─と思うと…正直、かなり辛いものがある。今世では、それが無駄にならないように…したい。
「正直、ハウンゼント嬢には断られるかと思っていたんだけど…受け入れてくれて、本当に嬉しい。」
「─っ!」
フワリと微笑むハロルド様は……あの時と同じ笑顔を浮かべている。ジュリエンヌ様と過ごすようになってから、私には向けてくれなかった笑顔。私が好きだったハロルド様が……目の前に居る。
「学園でも話した事がなかったから……。これからは、たくさん話をしていきたいと思っている。それで…その…“リーナ”と呼んでも良いだろうか?」
ー相変わらず…狡い人だー
不安そうに目を揺らせて、それでいて優しい色をした目で私を見つめるのだ。そんな目をされて、誰が“嫌だ”と言えるだろうか?それに……また、“リーナ”と呼んでもらえる?今世では……裏切られる事はない?
「どうぞ…お好きなように…お呼び下さい。」
「ありがとう。それじゃあ…リーナにも、私の事はハロルドと呼んでもらいたい。あ、“ハリー”でも良いよ?」
「ハ…“ハロルド様”でお願いします!」
「様も要らないけど…ま、それはそのうちに……」
ー“様無し”も“ハリー”呼びもハードルが高過ぎる!ー
と言うか、これは、前回にはなかったやり取りだ。
私が怪我をしていない事も、既に前回とは違っている。ならば、これから先の事も、前回と同じになるとは限らないと言う事。少しは…違う未来─“正しい路”とやらに……近付いているのかも…しれない。
目の前に居る、優しい眼差しをしたハロルド様。
ーもう一度……貴方を信じても良いですか?ー
蓋をした恋心。その蓋をまだ開ける勇気はないけど、少し……ほんの少しだけ……望んでも良いですか?
******
ハロルド様と私は、前回よりも仲良く過ごす事ができていると思う。学園では同じクラスになる事はなかったけど、2人きりではなく、お互い友達を連れてではあるけど、週に2回は一緒にランチを取っている。勿論、私はいつもフルールを連れて来ている。ハロルド様は、フルールの婚約者でもあるジョナス様を連れて来てくれる。そんな4人で食べるランチは、とても楽しい時間だった。
そして、月に2回、王城でのお茶のお誘いがあり、そこではいつもハロルド様お勧めのお菓子が用意されていた。
「それで?リーナは、いつになったら、私の事を“ハリー”と呼んでくれるのかな?」
「それは……ハードルが高いんです!」
「婚約者となって、もうそろそろ2年だよ?もう、私にも慣れただろう?」
「慣れる慣れないの問題じゃないんです!」
「ふっ──相変わらず…リーナは可愛いね。」
「───っ!?」
前回よりも甘いハロルド様。今回は信じてみたい─と思う気持ちはある。ただ、婚約してからそろそろ2年と言う事は───
ジュリエンヌ=トワイアル王女が、もうすぐ留学生としてやって来ると言う事だ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
.。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。.
そのジュリエンヌ様が留学生としてやって来るのは2年後。ある意味、それ迄ハロルド様の婚約者が決まらなければ……なんて思ってしまう。
もし、私のせいで、他の誰かがあの竜の贄になってしまったら──
そんな心配をしていたのが1週間前。
そんな心配は……アッサリと無に帰した。
学園が終わり邸へと帰って来ると、そのままワイアットに父の執務室まで連れられて来た。部屋に入ると、そこには父と母が居た。
「……………私が…………ハロ……第二王子の……婚約者に……ですか?」
「そうだ。城から使いの者が来て、国王陛下からの手紙を受け取ったのだが、それが、リーナを第二王子の婚約者としたいと言う内容だったんだ。」
「な……何故……私が?私、第二王子とは挨拶以外に言葉を交わしていませんし……学園でもクラスが違うので、殆ど接点なんてないのに……。」
ーどうして?ー
「それが………」
父と母は、少し困惑した様な顔で視線を合わせた後、その理由を話してくれた。
「第二王子が、リーナの事を以前から気に掛けていたそうでね。その上、誕生会ではリーナが不審人物に気付いて騎士に伝えた事で、誰一人怪我をする事なく取り押さえる事ができて、国王陛下も喜んでいるらしくて…。第二王子がリーナが良いと言うなら、是非にと……。」
ー気に掛けていた?ー
学園で同じクラスになった事はないし、会話をした事もない。前回の時も、以前から気になっていたなんて事を言われた事はなかった。
「………」
“何故?”“嫌だ”なんて……国王陛下から言われてしまえば、やっぱり断る事なんて…できる筈がない。
「分かりました。お受け…します。」
******
「婚約を受け入れてくれて、ありがとう。」
「至らぬ点もあるかと思いますが、宜しくお願い致します。」
あれから、ハロルド様と私の婚約はあっと言う間に調ってしまった。前回の時と同じで、私達の結婚と同時にハロルド様は“公爵”を叙爵される予定だ。前回では、その公爵夫人になったのは、ジュリエンヌ様だろう。
ハロルド様の婚約者となってから、公爵夫人となるべく、それなりに厳しい教育を受けていた。
ーそれら全て…無駄に終わったけどー
アレをまたさせられるのか─と思うと…正直、かなり辛いものがある。今世では、それが無駄にならないように…したい。
「正直、ハウンゼント嬢には断られるかと思っていたんだけど…受け入れてくれて、本当に嬉しい。」
「─っ!」
フワリと微笑むハロルド様は……あの時と同じ笑顔を浮かべている。ジュリエンヌ様と過ごすようになってから、私には向けてくれなかった笑顔。私が好きだったハロルド様が……目の前に居る。
「学園でも話した事がなかったから……。これからは、たくさん話をしていきたいと思っている。それで…その…“リーナ”と呼んでも良いだろうか?」
ー相変わらず…狡い人だー
不安そうに目を揺らせて、それでいて優しい色をした目で私を見つめるのだ。そんな目をされて、誰が“嫌だ”と言えるだろうか?それに……また、“リーナ”と呼んでもらえる?今世では……裏切られる事はない?
「どうぞ…お好きなように…お呼び下さい。」
「ありがとう。それじゃあ…リーナにも、私の事はハロルドと呼んでもらいたい。あ、“ハリー”でも良いよ?」
「ハ…“ハロルド様”でお願いします!」
「様も要らないけど…ま、それはそのうちに……」
ー“様無し”も“ハリー”呼びもハードルが高過ぎる!ー
と言うか、これは、前回にはなかったやり取りだ。
私が怪我をしていない事も、既に前回とは違っている。ならば、これから先の事も、前回と同じになるとは限らないと言う事。少しは…違う未来─“正しい路”とやらに……近付いているのかも…しれない。
目の前に居る、優しい眼差しをしたハロルド様。
ーもう一度……貴方を信じても良いですか?ー
蓋をした恋心。その蓋をまだ開ける勇気はないけど、少し……ほんの少しだけ……望んでも良いですか?
******
ハロルド様と私は、前回よりも仲良く過ごす事ができていると思う。学園では同じクラスになる事はなかったけど、2人きりではなく、お互い友達を連れてではあるけど、週に2回は一緒にランチを取っている。勿論、私はいつもフルールを連れて来ている。ハロルド様は、フルールの婚約者でもあるジョナス様を連れて来てくれる。そんな4人で食べるランチは、とても楽しい時間だった。
そして、月に2回、王城でのお茶のお誘いがあり、そこではいつもハロルド様お勧めのお菓子が用意されていた。
「それで?リーナは、いつになったら、私の事を“ハリー”と呼んでくれるのかな?」
「それは……ハードルが高いんです!」
「婚約者となって、もうそろそろ2年だよ?もう、私にも慣れただろう?」
「慣れる慣れないの問題じゃないんです!」
「ふっ──相変わらず…リーナは可愛いね。」
「───っ!?」
前回よりも甘いハロルド様。今回は信じてみたい─と思う気持ちはある。ただ、婚約してからそろそろ2年と言う事は───
ジュリエンヌ=トワイアル王女が、もうすぐ留学生としてやって来ると言う事だ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
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