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第三章ー学園生活ー
思い
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“嘆き悲しんだ”
親不孝でごめんなさい──
痛む心とは別に、愛されていたんだ──と、心が少しだけ温かくもなる。
そこでようやく気付いた。彼女─アデル様が着けているペンダント。そこには、透明感のあるピンク色の宝石が付いている。
ー“モルガナイト”だー
スペイシー家の血を引き継ぐ者は、ピンクブロンドの髪に碧色の瞳を持って生まれる事が多い。どちらかだけの者も居るし、その色具合も、個人によって微妙な違いがある。
アデルの髪の色具合とは違うソレは、アドリーヌの色だ。
「あぁ、コレですか?」
と、アデル様が私の視線に気付いたようで、ペンダントに手をあてる。
「コレは、その殺された方がずっと身に着けていたと言う宝石で、この石に、護りの魔法が込められているんです。代々、スペイシー家の直系の女性に引き継がれているんです。ですから、私が嫁に出る時は、スペイシー家に置いて行く事になります。」
ー縁起が悪い…とは…ならなかったんだろうか?ー
「傍から見れば、良く無い物と思われるかもしれませんが、彼女の死を切っ掛けに、スペイシー家は色々な事を学び、更に成長しました。辛い事にも背を向けず、しっかり前を見て進む─そんな気持ちを忘れないようにと言う思いが込められているんです。ですから、これは決して、良く無い物ではないんです。」
“決して、驕る事のないように”
ー私の両親は、本当に素晴らしい人だったんだー
「流石は…スペイシー家だな。それじゃあ、これからどうするか──話を詰めよう」
と、私達はこれからの事を話し合った。
6つある魔具について─優先的に、ダレルさん、私、第三王子、側近2人の5人が着ける事になった。「第三王子の婚約者のオレリア様は?」と訊けば、彼女は、聖女が入学すると決まった時点で、公爵家から依頼があり、既にスペイシー家で作られた魔具を身に着けているとの事だった。
では、後一つは、ルシエント様が?
「オスニエルには今は着けさせない。取り敢えずは、聖女と離して変わるかどうかを試す必要があるからな。その辺りは……ディシリス嬢にも頼んでいる。」
と言う事は、リゼットも今回の事を知らされている─と言う事は……
“城付き”のクセに、簡単に掛かるんじゃないわよ!”
ー毒づいているリゼットの姿が目に浮かぶよねー
きっと、リゼットが居るなら、ルシエント様は大丈夫だろう。
兎に角、後一つは念の為にスペアとして、ダレルさんが保管しておく事になった。
「スペイシー家で作った魔具に関して、一つだけ留意する事があります。石に込められている魔力は、それなりのレベルのモノだと言う自負がありますが、万一、相手の魔力の方が上で、この魔具では護りきれない─となった場合は、この石は壊れるようになっています。」
それは、普通の魔具とは真逆の事だった。普通の魔具は、魔力を維持させる為に耐久性を重視させている為、その石が壊れる事は滅多に無い。
「それは、“この魔具では護りきれない”と、分からせる為です。ですから、もし、この魔具が壊れた時は、その場から直ぐに離れて下さい。精神に働き掛ける魔法は、近くに居て初めて掛かるモノとされています。ですから……そうですね……その場から、最低でも2m以上は離れて下さい。」
2m──正しくは、魅了やらの魔法を使用しているであろう人物の半径1m以上らしい。
ーそんなに近付かなければならないのかー
きっと、それが、聖女と第三王子の距離が近かった理由なんだろう。
「それと、念の為、3日置きにメンテナンスを兼ねて、魔具の状態を確認させて下さい。実際、魔具を使うのは初めてですから、これからの研究の為にも記録を取りたいので…。」
と、アデル様が言うと
「ならば、ここを利用すると良い。ここなら許可された者以外は決して入る事はできないから。」
と、モンテルアーノ様が頷いた後、ダレルさんと私も頷いた。
ある程度、これからの話がついた後「それでは、私はお先に失礼させていただきます。」と軽く頭を下げてから、アデル様は帰って行った。
「本当に、スペイシー家は聡明な方が多いですね。」
「ダレルさんは、スペイシー家とは…何か関係があるんですか?」
そう言えば、アデル様とダレルさんは知り合いのような感じだった。
「特に何か関係がある訳じゃなくて、私が城付きの魔道士だった頃に、スペイシー家の人達と魔具について話し合ったりしていたから。」
ーなるほど。ダレルさんも、かなりの実力があるって事…だよね?ー
兎に角、ルシエント様がああなってしまって不安だったけど、ダレルさんが居てくれるし、何より─この魔具がある。父達の思いが込められた魔具。
今世は独りじゃない──
そう思うと、あの聖女の瞳を目にしても大丈夫なような気がした。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
*。ヾ(。>v<。)ノ゙*。
親不孝でごめんなさい──
痛む心とは別に、愛されていたんだ──と、心が少しだけ温かくもなる。
そこでようやく気付いた。彼女─アデル様が着けているペンダント。そこには、透明感のあるピンク色の宝石が付いている。
ー“モルガナイト”だー
スペイシー家の血を引き継ぐ者は、ピンクブロンドの髪に碧色の瞳を持って生まれる事が多い。どちらかだけの者も居るし、その色具合も、個人によって微妙な違いがある。
アデルの髪の色具合とは違うソレは、アドリーヌの色だ。
「あぁ、コレですか?」
と、アデル様が私の視線に気付いたようで、ペンダントに手をあてる。
「コレは、その殺された方がずっと身に着けていたと言う宝石で、この石に、護りの魔法が込められているんです。代々、スペイシー家の直系の女性に引き継がれているんです。ですから、私が嫁に出る時は、スペイシー家に置いて行く事になります。」
ー縁起が悪い…とは…ならなかったんだろうか?ー
「傍から見れば、良く無い物と思われるかもしれませんが、彼女の死を切っ掛けに、スペイシー家は色々な事を学び、更に成長しました。辛い事にも背を向けず、しっかり前を見て進む─そんな気持ちを忘れないようにと言う思いが込められているんです。ですから、これは決して、良く無い物ではないんです。」
“決して、驕る事のないように”
ー私の両親は、本当に素晴らしい人だったんだー
「流石は…スペイシー家だな。それじゃあ、これからどうするか──話を詰めよう」
と、私達はこれからの事を話し合った。
6つある魔具について─優先的に、ダレルさん、私、第三王子、側近2人の5人が着ける事になった。「第三王子の婚約者のオレリア様は?」と訊けば、彼女は、聖女が入学すると決まった時点で、公爵家から依頼があり、既にスペイシー家で作られた魔具を身に着けているとの事だった。
では、後一つは、ルシエント様が?
「オスニエルには今は着けさせない。取り敢えずは、聖女と離して変わるかどうかを試す必要があるからな。その辺りは……ディシリス嬢にも頼んでいる。」
と言う事は、リゼットも今回の事を知らされている─と言う事は……
“城付き”のクセに、簡単に掛かるんじゃないわよ!”
ー毒づいているリゼットの姿が目に浮かぶよねー
きっと、リゼットが居るなら、ルシエント様は大丈夫だろう。
兎に角、後一つは念の為にスペアとして、ダレルさんが保管しておく事になった。
「スペイシー家で作った魔具に関して、一つだけ留意する事があります。石に込められている魔力は、それなりのレベルのモノだと言う自負がありますが、万一、相手の魔力の方が上で、この魔具では護りきれない─となった場合は、この石は壊れるようになっています。」
それは、普通の魔具とは真逆の事だった。普通の魔具は、魔力を維持させる為に耐久性を重視させている為、その石が壊れる事は滅多に無い。
「それは、“この魔具では護りきれない”と、分からせる為です。ですから、もし、この魔具が壊れた時は、その場から直ぐに離れて下さい。精神に働き掛ける魔法は、近くに居て初めて掛かるモノとされています。ですから……そうですね……その場から、最低でも2m以上は離れて下さい。」
2m──正しくは、魅了やらの魔法を使用しているであろう人物の半径1m以上らしい。
ーそんなに近付かなければならないのかー
きっと、それが、聖女と第三王子の距離が近かった理由なんだろう。
「それと、念の為、3日置きにメンテナンスを兼ねて、魔具の状態を確認させて下さい。実際、魔具を使うのは初めてですから、これからの研究の為にも記録を取りたいので…。」
と、アデル様が言うと
「ならば、ここを利用すると良い。ここなら許可された者以外は決して入る事はできないから。」
と、モンテルアーノ様が頷いた後、ダレルさんと私も頷いた。
ある程度、これからの話がついた後「それでは、私はお先に失礼させていただきます。」と軽く頭を下げてから、アデル様は帰って行った。
「本当に、スペイシー家は聡明な方が多いですね。」
「ダレルさんは、スペイシー家とは…何か関係があるんですか?」
そう言えば、アデル様とダレルさんは知り合いのような感じだった。
「特に何か関係がある訳じゃなくて、私が城付きの魔道士だった頃に、スペイシー家の人達と魔具について話し合ったりしていたから。」
ーなるほど。ダレルさんも、かなりの実力があるって事…だよね?ー
兎に角、ルシエント様がああなってしまって不安だったけど、ダレルさんが居てくれるし、何より─この魔具がある。父達の思いが込められた魔具。
今世は独りじゃない──
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