巻き込まれではなかった、その先で…

みん

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5 青色

「……どこにでも、居るんだなぁ……」
「……経験済み……ですか…」

何とも言えない顔をしているところを見ると、そうなんだろう。これだけのイケメンなんだから、女子からのアプローチも凄いんだろうな……。

「イケメンも、色々と大変ですね。」
「まぁ……。でも、俺は父と比べたらまだマシだと…両親やこく───両親の知り合いにはよく言われるかな。」

ーと言う事は、春野君は父親似で、父親がこれまたイケメン─からのイケオジと言う事かー

「妹さんも…異性で苦労したりは……」
「あぁ、妹は大丈夫。兄として贔屓目はあるかもしれないけど、妹も可愛いけど、ある意味周りがし、早くに結婚したからね。」

“許さなかった”─の意味はイマイチ分からないけど、春野君にとっては、妹さんはとても可愛いけど苦労はしなかった─と言う事かな?

兄妹───か。

「ところで、春野君はいつまで日本に?と言うか、流暢な日本語ですよね。日本は初めてなんですよね?」
「あー……確かに日本は初めてだけど……日本語は…母のお陰…かな?」
「お母さんが日本人なんですね。」
「そう…だね。それで、後2、3週間は居ると思うから、また、美味しいお店を教えてくれないかな?」
「それは良いですけど…私で良いんですか?」
「みきさんからも、吉岡さんなら安心だって言われてるし、嫌だったらお願いなんてしないから。それに……吉岡さんとなら……落ち着くから。」

フワッと微笑むと、更にイケメン度が増す─と言う事を知っているんだろうか?
“落ち着く”と言う事は、嫌がられたりはしていないと言う事だよね?

「仕事があるので、毎日とかは無理ですけど、時間があれば案内しますね。」
「ありがとう。」

ー後は……これ以上、清水さんが絡んで来ない事を祈るだけだよねー








******


すいちゃん、また身長伸びた?」
「流石に、もう伸びてませんよ。」

小南家で、小南夫婦と春野君と4人で奥さんの手料理を食べた後、手土産に持って来たケーキを食べながらのトークタイムとなった。
小南夫婦は、私の過去─記憶を失って以後の話を知っている。発見された時の状態も。10歳とは思えない程小さくて、ひょろひょろだった──筈だったけど、今では、身長169cmもあって、なんなら女子としては大きい方だ。

「翠ちゃんなら、モデルでもできそうだよね。」
「そんな事言うの、小南さんぐらいですからね?贔屓目が入りまくってるんですよ。でも……ありがとうございます。」

両親もそうだったけど、小南夫婦からの愛情は、素直に嬉しい。

「吉岡さんに彼氏が居ないのが不思議ですね。可愛いし、芯もしっかりしてるし……」
「ごふっ──かわっ!?」

ーえ?何を言われた!?ー

飲んでいた紅茶を吹き出しそうになり、我慢すると……むせた。そんな私の背中を「大丈夫?」と言いながら擦ってくれているのは、私の横に座っている春野君だ。

「流石セオ君!翠ちゃんの事、既に分かってくれてるのね!そうなのよ!翠ちゃんって可愛くて芯がしっかりしてて優しい良い子なの!自己肯定が低いのが心配なんだけどね……。」

「私を褒めてくれるのなんて…小南さん夫婦ぐらいですよ?」
「そこに、俺も追加だな。」
「はい?」

背中を擦ってくれている春野君を見上げると、そこには、綺麗な青色の瞳があった。それは、青空よりも綺麗な青色に見えた。

「……吸い込まれそうな程綺麗な…青色ですね……」
「ん?」
「あ………」

思わず、思った事が口から出てしまい、目の前のイケメンが、キョトン─となっている。

「あらやだ、芽流めぐるさん。ついに翠ちゃんにも春が来たのかしら?」
「美樹さん、その辺は、黙って見守ってあげようね?」

ー恥ずかしいー

恥ずかしくて顔が赤くなっているだろう私を、春野君はクスクスと笑って見ているだけだった。









*セオ視点*


めぐるさんは誰かから電話があり別室へ、みきさんと吉岡さんが洗い物をする為に台所へと行った後、俺はゲージでおとなしくしているシルヴィの所へとやって来た。

『“シルヴィ”か……お前……オス…だよな?』

ピクッ─と、その耳が反応し、伏せていた顔を上げると、そこには少しご機嫌?な感じの顔があった。

ーやっぱり…か。でも…どうして?ー

『色々訊きたい事はあるけど……彼女は知らないのか?』

シルヴィはパタパタと尻尾を振るだけだ。

ーこんな時、母や妹が居たらもっと上手いやり方があったんだろうなー




俺は、いつだって妹には敵わなかった。それは仕方の無い事だし、比べるレベルが違う事も解っている。

『セオは、自慢の息子だ』

と、両親も言ってくれるのは、きっと本心だ。ただ、俺自身が、自信を持てていないだけなんだ。




『お前が望むなら……あげられると思う。』

そう言いながら、シルヴィの頭を撫でると、一瞬驚いたように目を見開いた後、目を細めておとなしく俺に撫でられていた。









❋エールを頂き、ありがとうございます❋
٩(*´ᗜ`)ㅅ(ˊᗜˋ*)و

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