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43 最後の夜①
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「ブルーナ様は、その体一つで来てもらっても大丈夫ですよ?」
「そう言えば、ハル様も普段着を何着か持って行っただけでしたね。」
お兄様との話が終わり部屋に戻って来ると、ハルさんと“ルナさん”と言う、ハルさん付きの侍女が居た。
シルヴィは、ハルさんとの治療が終わった後だったようで、今は寝室で寝ていて、ネージュさんはノアさんとお出掛けに行っているそうだ。
「私、こっちに戻って来て間もないので、本当に何もないんですよね……。」
15年も日本に居たから、本当に何も無い。急遽、お兄様が用意してくれた普段着が数着あるだけだ。
「必要な物は、ウォーランドに来てから買えば良いし、“カルザイン”と言っても、ウチは騎士爵位だから、堅苦しい夜会に出席しなきゃいけない事も滅多にないし、お茶会も……ルナさん達が上手く躱してくれるから、ゴテゴテしたドレスとか必要無いしね。」
ゴテゴテしたドレス──
本当に、日本の生活が当たり前になってるから、ドレスを見ても羨ましい─なんて全く思わない。
昔は、ドレスを着て綺麗に着飾っているお姉様や令嬢達を見て羨ましいな─なんて思ってたし、憧れていたけど。
何故こんな話をしているかと言うと──
「──と言う事で、セオドア殿達は、明日ウォーランドに帰る事になったから、ブルーナ、お前も一緒にウォーランドに行くと良いよ。」
と、お兄様に言われたからだ。
「もう、いっその事、私達と一緒にウォーランドに行く?」と、ハルさんが提案すると、それにセオ君とエディオルさんが同意してくれたらしい。
ー本当に、話が早過ぎるー
「シルヴィも、明日の朝にはほぼ完全復活するから安心してね?」
「ありがとうございます!あ!ハルさん、シルヴィについて訊きたい事があるんですけど…良いですか?」
「ん?私に分かる事なら…」
「あの…私も、シルヴィと話す事はできますか?」
私とシルヴィでは魔力がつり合わないから、名を交わす事は無理だと思うけど、せめて、話す事ができれば─。
「うーん…手っ取り早い話でいくと、私と手を繋いでいたら会話できると思う。」
ーマジか!ー
何でも、エディオルさんもノアさんと会話できなかったけど、ハルさんを介する事で会話ができ、名を交わす事ができたんだそうだ。
手を繋ぐだけで──
何だろう……エディオルさんがハルさんの手を握るだけで済ませるだろうか?きっと、何かと理由をつけて……抱き寄せたりしたんじゃないかなぁ?それで、焦るハルさんを見て笑ってるエディオルさん──が想像できてしまう───のは、置いといて。
「そうなんですね…やっぱり…ハルさんはチートなんですね。」
「有り難い事に…チートだね。ふふっ。ずっと会話したいとなると…また色々考えてみるね。」
「はい。ありがとうございます。」
「そうそう。“シルヴィ”って、可愛らしい名前だよね。ネージュも、私と名を交わす前は“レフコース”って言う雄っぽい名前だったけど──」
ーん?可愛らしい名前?ー
「え?ひょっとして……シルヴィって……雄ですか!?」
「え?うん。シルヴィは雄だね。」
「えー!?私、雌だと思って……」
見た目が綺麗だから、てっきり雌だと思ってた。名前を付けた時も、嫌がる素振りもなかったし……。うん。会話ができたら…素直に謝ろう。
ハルさん曰く、魔獣の性別はイマイチ判りにくいそうで、魔獣からすれば、名前を付けられて嫌がっていないのであれば、その名前自体は気に入っていると言う事だから、謝る必要もないと思う─と言う事だった。
ハルさんの印象では、シルヴィは比較的おとなしくて素直でお利口な魔獣なんだそうだ。
ネージュさんやノアさん達よりは、遥かに若いとも言っていた。
しかも、その2人には、何と!子供のフェンリルも居るらしく、また今度会わせてもらえる事になった。
黒色のモフモフだそうだ。
******
「お兄様、本当に、ありがとうございました。」
「ブルーナにお礼を言われる事なんてしてないよ。」
「お兄様が、私を日本に飛ばしてくれたお陰で、生きる事ができたし……セオ君…セオドア様に会えましたから…。」
「そう…だな。」
お互いに笑い会う。
明日、セオ君達と一緒にウォーランド王国に行く事になった為、お兄様にお別れの挨拶をしにやって来たのだ。
「ただ、ブルーナの姉であるアーニャ=リストリアは私と結婚するから、兄妹である事には変わりない。これからも…“兄”と呼んで欲しい。」
「ふふっ……分かりました。お兄様。」
なるほど。だから、私はリストリア侯爵家の養女になったのか。イーレンの王族としてのブルーナに未練はないけど、お兄様との縁が切れない事は、素直に嬉しいと思う。
最後の2人での夜は、穏やかな時間───
「殿下、失礼します!」
「何だ?カーシー。急ぎでなければ明日に──」
「ニコル様が牢から脱走しました!」
──には、ならなかった。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
♪♪(*´▽`*)ノ゙
「そう言えば、ハル様も普段着を何着か持って行っただけでしたね。」
お兄様との話が終わり部屋に戻って来ると、ハルさんと“ルナさん”と言う、ハルさん付きの侍女が居た。
シルヴィは、ハルさんとの治療が終わった後だったようで、今は寝室で寝ていて、ネージュさんはノアさんとお出掛けに行っているそうだ。
「私、こっちに戻って来て間もないので、本当に何もないんですよね……。」
15年も日本に居たから、本当に何も無い。急遽、お兄様が用意してくれた普段着が数着あるだけだ。
「必要な物は、ウォーランドに来てから買えば良いし、“カルザイン”と言っても、ウチは騎士爵位だから、堅苦しい夜会に出席しなきゃいけない事も滅多にないし、お茶会も……ルナさん達が上手く躱してくれるから、ゴテゴテしたドレスとか必要無いしね。」
ゴテゴテしたドレス──
本当に、日本の生活が当たり前になってるから、ドレスを見ても羨ましい─なんて全く思わない。
昔は、ドレスを着て綺麗に着飾っているお姉様や令嬢達を見て羨ましいな─なんて思ってたし、憧れていたけど。
何故こんな話をしているかと言うと──
「──と言う事で、セオドア殿達は、明日ウォーランドに帰る事になったから、ブルーナ、お前も一緒にウォーランドに行くと良いよ。」
と、お兄様に言われたからだ。
「もう、いっその事、私達と一緒にウォーランドに行く?」と、ハルさんが提案すると、それにセオ君とエディオルさんが同意してくれたらしい。
ー本当に、話が早過ぎるー
「シルヴィも、明日の朝にはほぼ完全復活するから安心してね?」
「ありがとうございます!あ!ハルさん、シルヴィについて訊きたい事があるんですけど…良いですか?」
「ん?私に分かる事なら…」
「あの…私も、シルヴィと話す事はできますか?」
私とシルヴィでは魔力がつり合わないから、名を交わす事は無理だと思うけど、せめて、話す事ができれば─。
「うーん…手っ取り早い話でいくと、私と手を繋いでいたら会話できると思う。」
ーマジか!ー
何でも、エディオルさんもノアさんと会話できなかったけど、ハルさんを介する事で会話ができ、名を交わす事ができたんだそうだ。
手を繋ぐだけで──
何だろう……エディオルさんがハルさんの手を握るだけで済ませるだろうか?きっと、何かと理由をつけて……抱き寄せたりしたんじゃないかなぁ?それで、焦るハルさんを見て笑ってるエディオルさん──が想像できてしまう───のは、置いといて。
「そうなんですね…やっぱり…ハルさんはチートなんですね。」
「有り難い事に…チートだね。ふふっ。ずっと会話したいとなると…また色々考えてみるね。」
「はい。ありがとうございます。」
「そうそう。“シルヴィ”って、可愛らしい名前だよね。ネージュも、私と名を交わす前は“レフコース”って言う雄っぽい名前だったけど──」
ーん?可愛らしい名前?ー
「え?ひょっとして……シルヴィって……雄ですか!?」
「え?うん。シルヴィは雄だね。」
「えー!?私、雌だと思って……」
見た目が綺麗だから、てっきり雌だと思ってた。名前を付けた時も、嫌がる素振りもなかったし……。うん。会話ができたら…素直に謝ろう。
ハルさん曰く、魔獣の性別はイマイチ判りにくいそうで、魔獣からすれば、名前を付けられて嫌がっていないのであれば、その名前自体は気に入っていると言う事だから、謝る必要もないと思う─と言う事だった。
ハルさんの印象では、シルヴィは比較的おとなしくて素直でお利口な魔獣なんだそうだ。
ネージュさんやノアさん達よりは、遥かに若いとも言っていた。
しかも、その2人には、何と!子供のフェンリルも居るらしく、また今度会わせてもらえる事になった。
黒色のモフモフだそうだ。
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「お兄様、本当に、ありがとうございました。」
「ブルーナにお礼を言われる事なんてしてないよ。」
「お兄様が、私を日本に飛ばしてくれたお陰で、生きる事ができたし……セオ君…セオドア様に会えましたから…。」
「そう…だな。」
お互いに笑い会う。
明日、セオ君達と一緒にウォーランド王国に行く事になった為、お兄様にお別れの挨拶をしにやって来たのだ。
「ただ、ブルーナの姉であるアーニャ=リストリアは私と結婚するから、兄妹である事には変わりない。これからも…“兄”と呼んで欲しい。」
「ふふっ……分かりました。お兄様。」
なるほど。だから、私はリストリア侯爵家の養女になったのか。イーレンの王族としてのブルーナに未練はないけど、お兄様との縁が切れない事は、素直に嬉しいと思う。
最後の2人での夜は、穏やかな時間───
「殿下、失礼します!」
「何だ?カーシー。急ぎでなければ明日に──」
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❋エールを頂き、ありがとうございます❋
♪♪(*´▽`*)ノ゙
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