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24 トルガレント辺境地
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「リュシー、お疲れ様!今日の予定は大丈夫?」
「大丈夫よ。ベリンダはスタンと行くんでしょう?私は一度別邸に戻ってから行くから、また後で!」
「分かったわ、また後でね」
と、お互い手を振ってその場を後にした。
早いもので、学校を卒業してここに来てから、もうすぐで1年になる。この1年、色々と予定外の事が起きてバタバタとして大変だった。ようやく落ち着いてモニカに手紙が書けたのは、ここに来て半年程経った頃だった。
“ようやく手紙が来て嬉しいわ。こっちも色々大変で……本当に色々大変だったのよ!手紙には書けないけど、今度会った時は、色々覚悟しておいてちょうだい”
と、何故かモニカから圧がたっぷり含まれた手紙が送られて来た。ひょっとしたら、ユラが何かしたのかもしれない。
「ここには、ユーグレイシアの噂話なんて滅多に流れて来ないからなぁ…」
そのせいもあり、私が知り得るユーグレイシアの情報は、家族からの手紙で知る内容だけ。ただ、家族間での手紙は、お互いの近況報告がメインだから、ユーグレイシア王国の情報を得られる事は殆どない。そのせいで──お陰で、私はここで自分の事にだけに集中でき、ここでの自分の居場所を確保できたと思っている。
でも、こうして落ち着いて来ると、色々と考える時間が増えて来て、ついつい思い出してしまうのが──
リリアーヌ様とヴェルティル様の事だ。
あれから、もうすぐ1年。ひょっとしたら、結婚までのカウントダウンが始まっているのかもしれない。きっと、2人並んだ姿は絵になるだろう。
チクリと胸は痛むけど、悲しみは………無い…筈。
「あ、時間がヤバい!急がないと!」
私は、浮上仕掛けた想いに蓋をして、急いで別邸に戻り出掛ける支度をして約束の場所へと向かった。
******
「「「「おつかれさま!」」」」
と、4人で乾杯をする。
「この3日間の合宿はキツかったね」
「1年の締め括りの合宿だからな」
「でも、達成感があって清々しいわ」
「「「確かに!」」」
今、一緒に夕食を食べているのは──
ベリンダ=ナルセル
スタン=オーグリー
ワイアット=ゴールドン
私─リュシエンヌ=クレイオン
私達は、トルガレント辺境地の騎士団に所属している。この騎士団は主に4人1組で行動していて、今一緒に夕食を食べているこの4人がそのメンバーだ。
「リュシーも、この国に慣れて来たわね」
「そうかな?そうだと良いんだけど……」
「大丈夫、馴染んでるよ。何なら、俺達と幼馴染みだったんじゃないか?ってくらい馴染んでる」
ははっ─と豪快に笑っているのはスタン。金髪碧眼の爽やかな青年だけど、伯爵の令息とは思えない程豪快な性格をしている。
ベリンダは、私がここに来てすぐに仲良くなった、赤髪の可愛い伯爵令嬢で、スタンの婚約者でもある。
ワイアットは金髪に黒色の瞳で、スタンとは違って少し釣り目でキリッとした男前だ。
この3人は、トルガレント出身で同い年の幼馴染みで、3人同時にトルガレント辺境地の騎士団に入団したんだそうだ。
このトルガレント辺境地は、ユーグレイシア王国ではない。海を挟んだ隣国─シーフォールス王国の辺境地だ。ユーグレイシアから、陸地でも行こうと思えば行けるけど、国境をいくつか超えなければいけないのと、かなりの迂回路となる為、行き来するのであれば海を渡るのが一般的な交通手段だ。それでも季節によって3日から5日程掛かる訳で、そう簡単にユーグレイシアに帰る事ができないのが実情だ。
何故、そんな所に私が居るのか──
それは、私自身も予定外の事だった。
もともと、ユーグレイシア王国のギルウィット辺境地の騎士団に入団する予定だった。その辺境地に、母方の親族が居たから。もともと、ギルウィットの騎士になりたかった事もある。そして、王都から一番距離があり、逃げるのには丁度良い場所でもあった。
『トルガレント辺境地との交換訓練を受けないか?』
と、トルガレント辺境騎士団の団長から打診されたのは、私がギルウィット辺境地の騎士団に入団してから3ヶ月経った頃だった。
陸地戦に長けたユーグレイシア王国と、海戦に長けたシーフォールス王国が友好関係になってから200年。お互い苦手分野を補う為に─と、3年単位で交換訓練を行うようになり、そのメンバーに私も選ばれたのだ。
『流石は“クレイオン”だ。既に実力は、ギルウィットでもトルガレントででもトップクラスだから』
そんな嬉しい事を言われて、更に学べると言うのなら、断る理由なんてなかったし、更に距離を取れるなら良いのかもしれない─と、私は交換訓練を受け入れた。
その時の判断は良かったと思う。
知らない国、土地での生活や海での研修や訓練は本当に大変で、必死な毎日を過ごす事になって、色んな事を考えずに済んだ。勿論、騎士とし成長もしたと思う。
「私がこうしてトルガレントに馴染めたのも、皆のお陰だわ。ありがとう」
この3人には本当によく助けてもらった。このメンバーで良かったなと思う。
「大丈夫よ。ベリンダはスタンと行くんでしょう?私は一度別邸に戻ってから行くから、また後で!」
「分かったわ、また後でね」
と、お互い手を振ってその場を後にした。
早いもので、学校を卒業してここに来てから、もうすぐで1年になる。この1年、色々と予定外の事が起きてバタバタとして大変だった。ようやく落ち着いてモニカに手紙が書けたのは、ここに来て半年程経った頃だった。
“ようやく手紙が来て嬉しいわ。こっちも色々大変で……本当に色々大変だったのよ!手紙には書けないけど、今度会った時は、色々覚悟しておいてちょうだい”
と、何故かモニカから圧がたっぷり含まれた手紙が送られて来た。ひょっとしたら、ユラが何かしたのかもしれない。
「ここには、ユーグレイシアの噂話なんて滅多に流れて来ないからなぁ…」
そのせいもあり、私が知り得るユーグレイシアの情報は、家族からの手紙で知る内容だけ。ただ、家族間での手紙は、お互いの近況報告がメインだから、ユーグレイシア王国の情報を得られる事は殆どない。そのせいで──お陰で、私はここで自分の事にだけに集中でき、ここでの自分の居場所を確保できたと思っている。
でも、こうして落ち着いて来ると、色々と考える時間が増えて来て、ついつい思い出してしまうのが──
リリアーヌ様とヴェルティル様の事だ。
あれから、もうすぐ1年。ひょっとしたら、結婚までのカウントダウンが始まっているのかもしれない。きっと、2人並んだ姿は絵になるだろう。
チクリと胸は痛むけど、悲しみは………無い…筈。
「あ、時間がヤバい!急がないと!」
私は、浮上仕掛けた想いに蓋をして、急いで別邸に戻り出掛ける支度をして約束の場所へと向かった。
******
「「「「おつかれさま!」」」」
と、4人で乾杯をする。
「この3日間の合宿はキツかったね」
「1年の締め括りの合宿だからな」
「でも、達成感があって清々しいわ」
「「「確かに!」」」
今、一緒に夕食を食べているのは──
ベリンダ=ナルセル
スタン=オーグリー
ワイアット=ゴールドン
私─リュシエンヌ=クレイオン
私達は、トルガレント辺境地の騎士団に所属している。この騎士団は主に4人1組で行動していて、今一緒に夕食を食べているこの4人がそのメンバーだ。
「リュシーも、この国に慣れて来たわね」
「そうかな?そうだと良いんだけど……」
「大丈夫、馴染んでるよ。何なら、俺達と幼馴染みだったんじゃないか?ってくらい馴染んでる」
ははっ─と豪快に笑っているのはスタン。金髪碧眼の爽やかな青年だけど、伯爵の令息とは思えない程豪快な性格をしている。
ベリンダは、私がここに来てすぐに仲良くなった、赤髪の可愛い伯爵令嬢で、スタンの婚約者でもある。
ワイアットは金髪に黒色の瞳で、スタンとは違って少し釣り目でキリッとした男前だ。
この3人は、トルガレント出身で同い年の幼馴染みで、3人同時にトルガレント辺境地の騎士団に入団したんだそうだ。
このトルガレント辺境地は、ユーグレイシア王国ではない。海を挟んだ隣国─シーフォールス王国の辺境地だ。ユーグレイシアから、陸地でも行こうと思えば行けるけど、国境をいくつか超えなければいけないのと、かなりの迂回路となる為、行き来するのであれば海を渡るのが一般的な交通手段だ。それでも季節によって3日から5日程掛かる訳で、そう簡単にユーグレイシアに帰る事ができないのが実情だ。
何故、そんな所に私が居るのか──
それは、私自身も予定外の事だった。
もともと、ユーグレイシア王国のギルウィット辺境地の騎士団に入団する予定だった。その辺境地に、母方の親族が居たから。もともと、ギルウィットの騎士になりたかった事もある。そして、王都から一番距離があり、逃げるのには丁度良い場所でもあった。
『トルガレント辺境地との交換訓練を受けないか?』
と、トルガレント辺境騎士団の団長から打診されたのは、私がギルウィット辺境地の騎士団に入団してから3ヶ月経った頃だった。
陸地戦に長けたユーグレイシア王国と、海戦に長けたシーフォールス王国が友好関係になってから200年。お互い苦手分野を補う為に─と、3年単位で交換訓練を行うようになり、そのメンバーに私も選ばれたのだ。
『流石は“クレイオン”だ。既に実力は、ギルウィットでもトルガレントででもトップクラスだから』
そんな嬉しい事を言われて、更に学べると言うのなら、断る理由なんてなかったし、更に距離を取れるなら良いのかもしれない─と、私は交換訓練を受け入れた。
その時の判断は良かったと思う。
知らない国、土地での生活や海での研修や訓練は本当に大変で、必死な毎日を過ごす事になって、色んな事を考えずに済んだ。勿論、騎士とし成長もしたと思う。
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