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二度目の召喚
キレる?
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何故、私がまた召喚されたのか──
それは、是非とも私も知りたい。
「それは、私達も分からない。そもそも、召喚魔法が使われて、ウィステリアがまたこの世界に来ていたなんて、今の今迄知らなかったんだ。」
“誰かがまた、召喚されてやって来たのかもしれない”
と言うアズールさんの勘?で、調べてみる事になったそうだ。
『─と言うか、その、召喚魔法を使った魔導士は、おそらく、魔力の枯渇で死んでしまってるわ。』
召喚とは、喩えその魔法陣が描けたとしても、それには絶対に必要となる“神の許し”がなければ成立しない。それが成立してしまえば、召喚し放題になってしまうから。ただ、今回は異例中の異例で、私に残っていた魔力がこの世界と繋がったままだった為、その召喚魔法に反応してしまい、この世界にやって来てしまった─迄は良かったが、召喚した側の者の魔力の枯渇により、その者の元へと辿り着く迄に落ちてしまった─と言う事だそうだ。
『異世界人召喚の魔法陣は特別なモノであり、許された者にしか目にする事はできない。その上、その魔法陣を描けたとしても、そこにはいくつものルールがあるのは……その許された者にしか知らされる事は無い。だから、そのルールを知っている王太子であるお前は、召喚の魔法を使おうとは…思わないでしょう?』
「………」
それはそうだ。失敗すると分かっていて、魔力が枯渇して死ぬかもしれないのに、召喚の魔法を使う人は居ないだろう。
『なら、今回の事は、“魔法陣は描けるが、ルールは知らなかった”魔導士がやったのか、“魔法陣を知っている者が、失敗しても良いから召喚の魔法を使わせた”者が居ると言う事ではないの?』
「………」
キッカさんは、アレサンドル様に向かって問い掛けているようでいて、“お前はもう、気付いているよね?”と言わんばかりの顔をしている。
アレサンドル様も、思い当たる事があるのか、手をギュッと握り締め、視線をその手に落としている。
自分が死ぬかもしれないと分かっていて、魔法を使う魔導士は居ない。ならば、今回私を召喚した人は、後者の人である可能性が高いと言う事だ。
何故、還った私をまた召喚したのか──それも、失敗すると分かった上で。
私はただ、勝手に召喚されて勝手に魔導士にされて、そのまま自動的?に浄化の旅に出て、終わって日本に還っただけなのに。
ー何故、放っておいてくれなかったの?ー
「………女魔導士なんて、厄介者なんですよね?」
「え?」
言うつもりなんて無かった──
「聖女さえ……エメラルドさえ居れば、女魔導士なんて居なくても問題無いんですよね?」
言うつもりなんて無かったけど、失敗すると分かった上での二度目の召喚だったのなら……もう、キレても良いよね!?
「私が…何かしましたか?私だって、この世界に来たくて来たわけじゃないんです!」
アレサンドル様に言っても仕方無いし、アレサンドル様は寧ろ、私を守ってくれた人だった。
「………すみま……せん……」
「……ウィステリア殿…」
「──っ!」
私の手を取って、私の名を呼んだのは───
「シーヴァー…さん……」
私の手を取ったまま見つめて来るシーヴァーさんは、4年前に見た時よりも少し落ち着いた感じで……でも、私を見る、その目の優しさは変わっていない。
会いたかったけど、一番会いたくなかった人でもある。
ー結局、忘れられてなかったんだー
エメラルドとは、どうなった?あれから4年。もう結婚…した?
「ウィステリア殿にとっては…この世界は辛いものかもしれないが………俺は、ウィステリア殿と…また会えて……嬉しいと思っている。」
フワリ─と微笑んだかと思うと、シーヴァーさんは私の手を持ち上げて、私の指先にキスを──しました!?
「─────っ!!??」
ー何が……起こった!?ー
言葉が出なくて、口だけがハクハクと動いている。
チラッと、シーヴァーさんの後ろで、ニヤニヤと笑っているアレサンドル様が目に入り……何となくイラッとして、お陰で少し気持ちが落ち着いた。
「あの……シーヴァ「ルーファス」…はい?」
「俺の事は。“ルーファス”と呼んで欲しい。」
「いや、それは無理だと言いましたよね?」
「何故…無理だと?」
ーシーヴァーさん、人が変わってないですか!?ー
「名前呼びなんてして、誤解されても…」
「誤解は無いし、仲の良い者同時であれば、異性を名で呼ぶ事も普通だ。それに、俺がお願いしているのだから、何の問題も無い。」
ーいや、問題大アリだよね!?ー
そもそも、“仲の良い者”の定義がおなしくない?確かに、仲は悪くは無いと思うけど、名を呼び合う程良くもないよね?
それに───
「呼び方を気にしたところで……私は…元の世界に還りますから…。」
そう。結局、私は日本に還るのだから、呼び方なんて気にする必要はないのだ。
自分で「還る」と口にしておいて、胸かキュッと痛むのは気のせいだ。
『あーウィステリア?申し訳ないのだけど……ウィステリアは最低でも1年は還れないの。』
「──はい?」
キッカさん、それは……初耳です──
それは、是非とも私も知りたい。
「それは、私達も分からない。そもそも、召喚魔法が使われて、ウィステリアがまたこの世界に来ていたなんて、今の今迄知らなかったんだ。」
“誰かがまた、召喚されてやって来たのかもしれない”
と言うアズールさんの勘?で、調べてみる事になったそうだ。
『─と言うか、その、召喚魔法を使った魔導士は、おそらく、魔力の枯渇で死んでしまってるわ。』
召喚とは、喩えその魔法陣が描けたとしても、それには絶対に必要となる“神の許し”がなければ成立しない。それが成立してしまえば、召喚し放題になってしまうから。ただ、今回は異例中の異例で、私に残っていた魔力がこの世界と繋がったままだった為、その召喚魔法に反応してしまい、この世界にやって来てしまった─迄は良かったが、召喚した側の者の魔力の枯渇により、その者の元へと辿り着く迄に落ちてしまった─と言う事だそうだ。
『異世界人召喚の魔法陣は特別なモノであり、許された者にしか目にする事はできない。その上、その魔法陣を描けたとしても、そこにはいくつものルールがあるのは……その許された者にしか知らされる事は無い。だから、そのルールを知っている王太子であるお前は、召喚の魔法を使おうとは…思わないでしょう?』
「………」
それはそうだ。失敗すると分かっていて、魔力が枯渇して死ぬかもしれないのに、召喚の魔法を使う人は居ないだろう。
『なら、今回の事は、“魔法陣は描けるが、ルールは知らなかった”魔導士がやったのか、“魔法陣を知っている者が、失敗しても良いから召喚の魔法を使わせた”者が居ると言う事ではないの?』
「………」
キッカさんは、アレサンドル様に向かって問い掛けているようでいて、“お前はもう、気付いているよね?”と言わんばかりの顔をしている。
アレサンドル様も、思い当たる事があるのか、手をギュッと握り締め、視線をその手に落としている。
自分が死ぬかもしれないと分かっていて、魔法を使う魔導士は居ない。ならば、今回私を召喚した人は、後者の人である可能性が高いと言う事だ。
何故、還った私をまた召喚したのか──それも、失敗すると分かった上で。
私はただ、勝手に召喚されて勝手に魔導士にされて、そのまま自動的?に浄化の旅に出て、終わって日本に還っただけなのに。
ー何故、放っておいてくれなかったの?ー
「………女魔導士なんて、厄介者なんですよね?」
「え?」
言うつもりなんて無かった──
「聖女さえ……エメラルドさえ居れば、女魔導士なんて居なくても問題無いんですよね?」
言うつもりなんて無かったけど、失敗すると分かった上での二度目の召喚だったのなら……もう、キレても良いよね!?
「私が…何かしましたか?私だって、この世界に来たくて来たわけじゃないんです!」
アレサンドル様に言っても仕方無いし、アレサンドル様は寧ろ、私を守ってくれた人だった。
「………すみま……せん……」
「……ウィステリア殿…」
「──っ!」
私の手を取って、私の名を呼んだのは───
「シーヴァー…さん……」
私の手を取ったまま見つめて来るシーヴァーさんは、4年前に見た時よりも少し落ち着いた感じで……でも、私を見る、その目の優しさは変わっていない。
会いたかったけど、一番会いたくなかった人でもある。
ー結局、忘れられてなかったんだー
エメラルドとは、どうなった?あれから4年。もう結婚…した?
「ウィステリア殿にとっては…この世界は辛いものかもしれないが………俺は、ウィステリア殿と…また会えて……嬉しいと思っている。」
フワリ─と微笑んだかと思うと、シーヴァーさんは私の手を持ち上げて、私の指先にキスを──しました!?
「─────っ!!??」
ー何が……起こった!?ー
言葉が出なくて、口だけがハクハクと動いている。
チラッと、シーヴァーさんの後ろで、ニヤニヤと笑っているアレサンドル様が目に入り……何となくイラッとして、お陰で少し気持ちが落ち着いた。
「あの……シーヴァ「ルーファス」…はい?」
「俺の事は。“ルーファス”と呼んで欲しい。」
「いや、それは無理だと言いましたよね?」
「何故…無理だと?」
ーシーヴァーさん、人が変わってないですか!?ー
「名前呼びなんてして、誤解されても…」
「誤解は無いし、仲の良い者同時であれば、異性を名で呼ぶ事も普通だ。それに、俺がお願いしているのだから、何の問題も無い。」
ーいや、問題大アリだよね!?ー
そもそも、“仲の良い者”の定義がおなしくない?確かに、仲は悪くは無いと思うけど、名を呼び合う程良くもないよね?
それに───
「呼び方を気にしたところで……私は…元の世界に還りますから…。」
そう。結局、私は日本に還るのだから、呼び方なんて気にする必要はないのだ。
自分で「還る」と口にしておいて、胸かキュッと痛むのは気のせいだ。
『あーウィステリア?申し訳ないのだけど……ウィステリアは最低でも1年は還れないの。』
「──はい?」
キッカさん、それは……初耳です──
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