二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん

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二度目の召喚

兄妹のティータイム①

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「お兄様、来ていただいて、ありがとうございます。」

ニッコリ微笑みながら私を迎えたのは、第一王女であるアリシア。私の妹でもある。

「ん?珍しく、エメラルド殿が居ないんだな。」

いつもニコイチのセットのように一緒に居る2人は、城内では常に騎士や令息らに囲まれている。

浄化の旅が終わった後、残った3人は色んな意味でバラバラになった。

アズールは王城から住まいを移し、与えられた邸でさえ居る事が殆どない。

バーミリオンもまた、住まいを外に移した。それは、婚約者であるエラ=アーデンライトと一緒に過ごす為だ。
『邸は有り難くもらっておくけど、これからは自分の力で稼いだ分で過ごして行きたい。』

と言って、国から支給されているお金は不要だと言われた。アズールにも言われたが、それは召喚された者に支給されるお金で、国を救ってくれたお礼も兼ねている為、“要らない”と言われたからといって、“分かりました”とその願いを受け入れられるモノではない為、2人には内緒ではあるが、その支給金は2人の名で貯金として預かっている。

聖女エメラルドは、そのまま王城で過ごしている。それも、妹の部屋の近くの部屋が充てがわれている。

「エメは、今日は予定があるから─と、同席できなかったんです。予定がなければ…ルーに会いたかったと言っていたわ。」

へにょっ─と切なげに微笑み、私の後ろに控えているルーファスに視線を向ける妹は、本当にあざといなと感心する。馬鹿で愚か者で傲慢な妹ではあるが、容姿だけは整っている。その容姿と王女と言う身分にコロッと騙され絆される者が妹の周りに集まり褒め称え、それが更に妹を傲慢にさせていくのだ。

「お兄様、そろそろルーを返して下さい。ルーは、私専属の近衛騎士です。」

「あぁ、その事についてだが──お前は何か勘違いしているようだが、ルーファスはもともと王太子である私付きの近衛だ。“返して”と言われても無理だ。」

「は?王太子……お兄様付き?そんな訳ありません!だって、ルーは私の専属になったと──」
「“専属になった”と言われて、正式に宣誓もされたのか?されてはないだろう?ルーファスは第二騎士団に配属された時に、お前に付く前には、既に私の専属になる事が父─国王陛下と第二騎士団長によって決められていて、私への宣誓も行ったんだ。そのルーファスが、お前専属になれる訳がないだろう。」

「でも、それなら…何故私に付いていたんですか!?ルーが…ルー本人が私を選んだのではないんですか!?」

ーコレは何を言っているのか…頭が痛くなるー

喩え、ルーファスが“王女の側に”と望んでいたとして、エリート騎士である近衛と言っても、一介の騎士に過ぎない者の意見が通るとでも思っているのか?どんなめでたい頭をしているんだ?

「それは無い。絶対に無い。有り得ない。お前に暫くの間付けていたのは、お前が聖女として浄化の旅に出る予定だったからだ。ルーファスは、城付きの騎士の中では1、2を争う腕前だから、父上がお前の身を案じて一時的に配慮しただけの事だ。勿論、その説明もされている筈だ。」

チラッと、妹の後ろに控えている専属侍女に視線をやると、その侍女は何とも言えないような顔で俯いた。

「そんなこと………」

「それで?珍しく私をお茶に誘って来たのは、ルーファスを返して欲しい─と言う為だったのか?それなら…残念だな。私に反省でもして、これからの相談でもされるのかと思っていたが……。」

「反省?相談?何を…ですか?私が反省する事なんて、何一つありませんわ!それに、お兄様は知らないのね!ルーはエメと想い合っていたのよ!それなのに、ルーとエメを更に引き離すような事をして!だから、ルーは更に笑わなくなったのよ!」

「………」

ー目の前に居る生き物は、何をのたまっているんだ?ー

ルーファスとエメラルド殿が想い合っていた事など一度も無い。それに、ルーファスが笑わなくなったのは…ウィステリア殿を失ったからだ。
笑わなくなったルーファスを目にして、のか─と気付いた者も結構居たと言うのに。コレは、“邪魔者が居なくなってせいせいしたわ”位にしか思わなかったのだろう。脳内お花畑の生き物なんだ。

「ルーファス、お前は…聖女エメラルド殿とは、そう言う仲だっ──」
「そんな仲だった事は一度も…一瞬もありませんでしたよ。お茶をしたい、散歩がしたいと願われて、共にした事はありますが、王女殿下からのだったので、それに従ったまでです。」

ルーファス、喰い気味に答え過ぎだからな?まだ、発言も許してなかったからな?表情は変わらないが、キレていると言う事だけは分かった。

そんな事を言われるとは思ってもみなかったのか、妹は目を見張ったまま固まっている。


ーこんな事位で固まるのはまだ早いからな?ー


そう思いながら、私は更に妹を追い詰めて行くように口を開いた。



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