借金まみれの男娼が、客の女にペニバンで犯されてイかされまくったら人生変わった話

dpen

文字の大きさ
2 / 9

#02 謎の上客

しおりを挟む


 「トリスタン」はハードなSMショーをする傍ら、ダンサーたちに体を売らせる店だ。
 宗教狂いの母親の借金のせいでリヒトは18歳から働いており、もう3年になる。7歳から体を売って生きてきたので大抵のことには慣れた。整った顔立ちと、金のかからない唯一の趣味であるランニングのおかげで引き締まった体が、ガイや客たちに好評だった。

(ああ、クソ……)

 体の中の異物と発情剤のせいで、踊りに集中できない。ゆるい音楽に合わせてポールと睦み合うように踊るだけだが、さっきから何度もトリックに失敗していた。

(犯されたい……)

 踊るふりをしてポールに縋りつきながら、リヒトは客を見た。
 貸し切りにされた店内には数人の女たちがいるだけだった。身元を隠しているのか、目元以外をすっぽりと黒いヴェールで包んでいる。

(女か……)

 客がペニスを持っていないことにリヒトはがっかりした。女相手ではリヒトはイケないのだ。抱くことは出来ても射精まで至れない。

(ガイのやつ、わかってて入れやがったな……)

 ガイはリヒトが女でイケないことを知っている。客を取っても欲求不満で終わるリヒトを最後に自分がいたぶるために、後ろの穴をふさいだのだ。せいぜい弱い刺激に苦しめとばかりに。
 発情剤の効果でぐでんぐでんになったリヒトは、他のダンサーたちによって麻縄でポールに緊縛された。女性客たちに電マが渡され、ピアスの通された乳首やガチガチに勃ったペニスを電マで撫でられると、失神するほど感じて体が跳ねた。

(ああ、クソ……イきたい)

 発情剤のせいで体は敏感なのに達することが出来ない。怒張するペニスにベルトが食い込んで痛いばかりだった。ステージを監督するガイに遠隔でローターのスイッチを入れられ、気持ちがいいのに苦しくて仕方なかった。

「あなた……大丈夫? とても苦しそうだわ」

 声をかけてきたのは女性客の一人だった。驚いたことにその声は少女のものだった。未成年の利用は摘発の対象なのでリヒトはぎょっとして正気に戻った。以前の店はそれで潰れて、しばらくホームレスになってしまったのだ。
 顔を見ようとしたが、ベールのせいで年はわからなかった。だが目元を見る限り相当に若い。

「……俺を買ってくれ、お嬢様」

 なるべく穏便に片付けようと、リヒトは心から懇願した。

「あんたに犯されたくてたまらないんだ」
「……いいわ」



 ヤリ部屋に入るなり、リヒトは少女を詰問した。

「あんた、いくつだ?」
「なに?」
「年だよ。未成年なのか?」
「違うわ。18歳。店に入る前にIDだって見せたわ」
「18でも成人とは限らないだろ」

 何歳を成人とするかは国によって違う。前の店も、18は過ぎていたが自国では未成年だと客の親に訴えられて面倒なことになったのだ。

「IDをもう一度見せてくれ。入口のやつは信用できない」

 仕事を舐めてて、問題が起きたら辞めればいいと思ってるだけのバイトだ。ガイはそういうところの危機感が薄い。

「嫌よ。詮索するなら帰るわ」

 部屋から出ていこうとした少女の腕をリヒトは掴んだ。

「あのな、お嬢様。あんたみたいな金持ちのお嬢様には俺みたいな底辺のことなんて蔑みの対象だろうが、俺にとっては食べていくための唯一の仕事なんだ。大人びたいだけの女の子に仕事を潰されちゃ困るんだ」

 少女は抵抗をやめた。

「IDは本当に見せられないの……そもそも私は持っていないし。でも間違いなく成人はしてるわ」

 そう言って彼女は左手の手袋を外した。薬指に高価な石のはめられた指輪があった。

「既婚者なのか?」
「結婚して半年よ。安心した?」

 別の問題が浮上したが、それは夫婦の問題で店は関係ないのでリヒトは頷いた。

「ご奉仕するので、どうぞ。お嬢様」

 ベッドへうながすと、嫌な顔をされた。

「……そのお嬢様っていうの、やめて」
「じゃあなんて呼べば?」

 しばらく考えて少女は答えた。

「エリーと呼んで」
「わかった、エリー。こっちへどうぞ」

 ベッドへ案内して押し倒そうとすると、リヒトは拒まれた。

「抱かれたくないわ。あなたを抱くために買ったんだから」
「かまわないが……男の抱き方を知ってるのか?」

 エリーは偉そうに答えた。

「それを教えるのがあなたの仕事でしょ」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

体育館倉庫での秘密の恋

狭山雪菜
恋愛
真城香苗は、23歳の新入の国語教諭。 赴任した高校で、生活指導もやっている体育教師の坂下夏樹先生と、恋仲になって… こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載されてます。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

処理中です...