あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!

ねむたん

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旅立ち

第七話: 「蒼穹の旅団」

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宿の食事が終わった後、私たちは広間に集まっていた。食器を片付ける手を休め、少しひと息つくと、ザイドが真剣な表情で言った。

「そういえば、旅を本格的に始める前に、ひとつ決めておきたいことがある。」

「何だ?」カリムが眉をひそめる。

「チーム名だよ。」ザイドはにっこりと微笑んだ。「今後、どんな冒険が待っているか分からないけれど、名前くらいはしっかり決めておこうと思ってさ。」

レイラが目を輝かせて言った。「いいね!どんな名前にしようか。」

私は少し考えてから答えた。「旅の目的にちなんで、何か壮大な名前がいいなって思う。」

「壮大な名前か…。」ザイドが考え込んだ。「じゃあ、例えば『蒼穹の旅団』なんてどうだ?」

その名前を聞いて、私は思わず目を見開いた。「『蒼穹の旅団』?すごくかっこいい名前だね!広い空の下、どこまでも旅を続ける感じがする。」

カリムも口元に笑みを浮かべて頷いた。「それ、いいな。広い空を旅するような感じがするし、冒険のワクワク感が伝わってくる。」

レイラも大きくうなずきながら言った。「うん、私もその名前が気に入った!」

カリムが嬉しそうに笑った。「じゃあ、『蒼穹の旅団』に決定だ!これからの旅を象徴する名前になるといいな。」

私たちは全員で笑い合い、名前を決めたことに満足した。これから進む冒険がどんなものであれ、私たちの絆を深め、どんな困難にも立ち向かえるような名前がつけられたような気がした。

「『蒼穹の旅団』か。」私はしみじみと呟いた。「これから、この名前を胸に、どこまでも行こう。」

レイラが陽気に笑って言った。「そうだね!どんな困難があっても、この名前を持っていれば怖いものなんてない!」

ザイドも一緒に笑いながら言った。「そうだ、みんなで一緒に歩んでいこう。この名前に恥じないようにね。」

「うん、頑張ろう!」カリムが拳を突き上げた。

こうして、私たちは正式に「蒼穹の旅団」として、新たな一歩を踏み出すことになった。広い空の下、冒険が待っている。どんな道が続いていても、私たちは共に進んでいくことを決めたのだった。

宿の小さなテーブルの上には、これからの旅に必要な道具や食材が散らばっている。まだ本格的な準備は整っていないけれど、これからが本当に大事な時期だと、心の中で何度も思った。

ザイドは真面目な顔で、地図を見ながらうなずいている。彼は旅に出ることを決めた時から、ずっと頼りになる存在だ。私たちを導く役目を果たしてくれるだろう。レイラは、もうすっかり馴染んでいる顔をして、私たちの会話に加わっていた。

「そうだな、でも最初の目的地はどこにする?」

カリムが、少し真剣に言う。私たちの目的地はまだ決まっていない。最初は、海を越えた先にある山脈の国が気になっていたけれど、まだ足りない情報が多い。しかも、どうやって行くかも考えないといけない。

「まずはヴェリオスで少し商売をして、路銀を貯めるしかないわね。」私が口を開くと、カリムがうなずく。

「確かに、船賃を払うだけでも相当かかりそうだしな。お店をひらいて料理を作ればみんなが喜ぶかな?」

「漁港の新鮮な食材を使った料理を出せばいいんじゃないかな?」私は答える。「さっき、港で見た新鮮な魚を使って、潮汁や焼き魚、揚げ物なんかを作るのが良さそう。」

「そうだな。じゃあ、今のうちに足りないものを揃えて、準備を整えよう。」

みんなで意見を出し合い、これからの計画を立てる。何だか、急に旅が本格的に動き出すような気がして、胸が高鳴った。



朝の光が市場を照らし、ヴェリオスの港町は活気に満ちていた。港から吹く潮風と、海の匂いが鼻をくすぐる。私たちが足を踏み入れた市場は、魚介類や新鮮な野菜、果物で溢れかえり、にぎやかな声が飛び交っている。色とりどりの布が並び、商人たちが商品を売り込む声が響く。

「うわっ、すごい!」レイラが目を輝かせながら、近くの店先に並ぶカニを指差した。「こんなに大きいカニ、初めて見たよ!」

「よし、今日はたくさん買い込むぞ!」カリムが、あちこちの店を見て回りながら楽しそうに言った。

私は市場の雰囲気に心を躍らせながら、少し離れた店で新鮮な魚を見つけた。大きなヒラメやマグロ、鯛の切り身が並んでいて、それぞれがみずみずしく光っている。店主が声をかけてきた。

「お姉さん、どうだ?今日の魚は新鮮だぞ。見てくれ、このヒラメ!」店主は大きな魚を指差しながら勧めてくる。

「これ、いいですね。じゃあ、それと…ホヤを一つお願いできますか?」私は、ホヤを見つけて声をかける。

ホヤは一見、気味が悪いかもしれないけれど、実は意外にも美味しい食材だ。私はかつて日本で食べたことがあるので、その味を思い出しながら選んだ。

「ホヤ?珍しいな。でも、試してみるのも悪くないな。よし、売ってやろう。」店主は笑いながらホヤを包んでくれた。

その後、私たちは各自、必要な食材を手に入れた。レイラがカニを嬉しそうに選び、カリムは貝を見つけて、私は魚やホヤを手に入れた。ザイドは冷静に全体を見回し、計画的に買い物を進めていく。

「これで準備は整ったな。」ザイドが頷き、手にした食材を確認する。

「じゃあ、帰って調理するか!」カリムが楽しそうに言った。

私たちは市場で買い物を終えると、宿に向かうために足を早めた。これらの新鮮な食材を使って、どんな料理を作ろうか、心が躍る。


宿に戻った私たちは、さっそく買い込んだ食材を調理台に並べた。今日はどんな料理を作るか、みんなの意見を聞いて決めることにした。

「まずは、この大きなヒラメをどうするかだな。」カリムが、しばらく眺めた後に言った。「刺身にするか、それとも焼くか?」

「せっかく新鮮だし、刺身にしたいな。」私は思わず声を上げる。

「確かに、それが一番だな。」ザイドが賛成する。「他にも、ホヤやカニをどうするかだな。」

「ホヤは煮物にしようかな。」悩んだ末に提案した。「昆布と合わせて、ちょっと和風の味付けにしてみよう。」

「それなら、カニは炒め物にするか?」レイラが興奮気味に提案してきた。「野菜と一緒に炒めて、カニの旨みを引き出す感じで!」

みんなの意見が出揃うと、私はさっそく手を動かし始めた。ヒラメは薄く切り、氷水で冷やしてから、わさびと醤油でシンプルにいただくことにした。ホヤは昆布と一緒に煮込み、カニはレイラの提案通り、野菜と一緒に炒めることにした。

調理を進めていくうちに、料理の香りが宿の中に広がり、みんなが楽しみにしているのが伝わってきた。魚を捌いているとき、カリムがふと思い出したように言った。

「そういえば、アリアス。前に言ってた、アレ…日本の食べ物だろ?あの、焼き魚って、どんな感じなんだ?」

「ああ、焼き魚なら、ちょっと前に作ったんだけど…川魚で焼いてみたけど、やっぱり少し違う感じだったかな。」私は言いながら、魚を切りながら思い出していた。「でも、焦げ目がついたところが香ばしくて、めちゃくちゃ美味しいんだ。」

「それ、またやってみてよ!」カリムが楽しそうに言った。

「うん、次回の食事には焼き魚も試してみるよ。」私は微笑みながら答えた。

料理が完成すると、私たちはテーブルに並べて、みんなでいただくことにした。ヒラメの刺身は、みんなに大好評で、レイラが「こんなに美味しいお刺身、初めて食べた!」と歓声を上げる。ホヤの煮物も、思ったよりも優しい味に仕上がり、みんなが驚いていた。

「ホヤって、こんなに美味しいんだな。」ザイドが感心しながら言った。「日本の食文化、すごいな。」

「いやいや、まだまだこれからだよ!」私は照れくさそうに答えた。

その後、料理を片付けた私たちは、宿の裏で露店を開く準備を始めた。地元の商人たちが集まる市場には、毎日のように新しい商品が並んでいて、観光客や地元の人々が行き交っている。

私たちは、宿の裏に空いている小さな区画を借り、料理の品々を並べた。目玉料理は、昆布とカニ、貝を入れた潮汁だ。あとは、先ほど作ったヒラメの刺身やホヤの煮物、そしてレイラが提案したカニの炒め物も並べることにした。

「さあ、売れるかな?」私は少しドキドキしながら言った。

「絶対に売れるって!みんなが食べたことない味だし、きっと興味を持ってくれるよ!」レイラが元気よく言った。

しばらくすると、最初の客がやってきた。地元の商人の男性が、興味深げに料理を見ていた。私は勇気を出して声をかける。

「いらっしゃいませ!新鮮な海鮮を使った料理をお楽しみください。ぜひ、試食してみてください!」

その男性は、私たちが作った料理に興味を示し、一口食べてみた。「おお、これは珍しいな。こんな味、初めてだ。ホヤの煮物なんて、全く予想外だった。」彼は驚きながら言った。

「気に入っていただけて嬉しいです!」私は笑顔で答えた。

その後も、次々とお客さんが訪れ、私たちの料理を味わっていった。地元の人々が「こんな食材、初めて見た」「この味、面白い!」と言いながら食べているのを見て、私はますます自信がついてきた。

その日の終わりには、思った以上にたくさんの売り上げが上がり、私たちは大満足で宿に戻ることができた。

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