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ぐっすり
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ダンジョンを無事に出たリディアは、安堵の息をつきながら冒険者ギルドのダンジョン支部に向かった。
扉を開けると、あたたかい空気とともにギルドの活気が迎えてくれた。
リディアは羊を抱き上げ、周りの冒険者たちに軽く会釈しながら、宿泊手続きを済ませる。
宿は簡素ながらも居心地の良さそうな部屋で、リディアはひとしきり疲れを癒すため、荷物を整理しながら床に座った。
膝の上に乗せた羊は、ふわふわの綿菓子のような体でリディアの手を撫でられるたびに嬉しそうに「メェ」と鳴く。
「さて、名前を決めなきゃね。」
リディアは羊の柔らかな毛を撫でながら、ふと思いついたいくつかの名前を声に出してみた。
「うーん、まずは『ふわり』とかどうかな? だって、この子、ふわふわだし。」リディアは少し首をかしげたが、続けて「でも、ちょっと可愛すぎかも。」
次にリディアは真剣な顔をして羊を見つめ、「それなら『モコモコ』? うーん、どうだろう…あ、でもやっぱり『メル』なんてのもいいかも!」と、ポツリポツリと名前をあげていく。
「でもね、やっぱりこう…もっと優しい感じの名前がいいなぁ。」リディアは思いを巡らせ、目を細めた。「『メリー』とか、どう?」
その言葉を口にした瞬間、羊がぴょんと跳ねて、リディアの胸に顔を埋めてきた。「うわ、メリーちゃん、気に入ったのかな?」と、リディアは笑いながら羊を抱きしめた。
「決まりだね!」と、リディアは羊を大切に抱えたまま、名付け親として満足そうに微笑んだ。
「これからは『メリーちゃん』。よろしくね、メリーちゃん。」
羊は嬉しそうに「メェー!」と鳴き、リディアの腕の中で丸まった。どこかほっこりとした温かい気持ちが、部屋いっぱいに広がるようだった。
リディアはベッドに寝転び、ふと天井を見上げた。羊のメリーちゃんがリディアの胸元で眠っている。
今日は一日、冒険に次ぐ冒険をこなし、体も心もくたくたになっていたけれど、明日のことを考えると何だかワクワクしてきた。
「さて、これからどうしようかな。」
リディアは頬杖をつきながら考え込む。街には戻れないし、気軽に安心できる場所もない。
しばらくはダンジョン支部で宿泊することになるだろうけれど、冒険者たちが出入りするこの場所ではどうしても落ち着かない。何かもっと、私だけの、隠れ家みたいな場所が欲しい。
その時、ふと頭にひらめいた。あの部屋のことを思い出したのだ。
「そうだ!あのドラゴンの皮があった部屋、あそこを私の部屋にしちゃおう!」
リディアはパッと目を輝かせた。あの部屋はダンジョンの正規ルートから外れた隠し通路の先にあって、誰も入らないし、もちろん冒険者たちも気づいていないはずだ。
リディアはベッドから飛び起き、メリーちゃんを軽く手で撫でてから立ち上がった。「秘密基地、秘密基地…あそこなら、誰にも邪魔されないし、安心できる場所になるわ!」
しばらくそのままダンジョンのことを考えていたリディアは、もしかしたらあの場所こそが自分にとって最高の拠点になるかもしれないと思い、心を決めた。
「よし、今度の日曜日には早速荷物を運んでこよう!」
リディアは決意を固めると、手元にあるポーションや道具を整理し始めた。次の計画が決まると、これまでの疲れが一気に取れたような気がして、心地よい安堵感が広がっていく。
「だれにも邪魔されず、のびのびとポーション作りや冒険ができるなんて、最高だわ!」
リディアは笑顔を浮かべながら、ベッドに戻り、メリーちゃんを再び抱き寄せた。
自分だけの場所で、これからどんな冒険が待っているのか、楽しみで仕方がなかった。
「メリーちゃんも、これからずっと一緒だよ。よろしくね!」
リディアは羊に語りかけ、少しだけ目を閉じると、穏やかな眠りに落ちていった。
扉を開けると、あたたかい空気とともにギルドの活気が迎えてくれた。
リディアは羊を抱き上げ、周りの冒険者たちに軽く会釈しながら、宿泊手続きを済ませる。
宿は簡素ながらも居心地の良さそうな部屋で、リディアはひとしきり疲れを癒すため、荷物を整理しながら床に座った。
膝の上に乗せた羊は、ふわふわの綿菓子のような体でリディアの手を撫でられるたびに嬉しそうに「メェ」と鳴く。
「さて、名前を決めなきゃね。」
リディアは羊の柔らかな毛を撫でながら、ふと思いついたいくつかの名前を声に出してみた。
「うーん、まずは『ふわり』とかどうかな? だって、この子、ふわふわだし。」リディアは少し首をかしげたが、続けて「でも、ちょっと可愛すぎかも。」
次にリディアは真剣な顔をして羊を見つめ、「それなら『モコモコ』? うーん、どうだろう…あ、でもやっぱり『メル』なんてのもいいかも!」と、ポツリポツリと名前をあげていく。
「でもね、やっぱりこう…もっと優しい感じの名前がいいなぁ。」リディアは思いを巡らせ、目を細めた。「『メリー』とか、どう?」
その言葉を口にした瞬間、羊がぴょんと跳ねて、リディアの胸に顔を埋めてきた。「うわ、メリーちゃん、気に入ったのかな?」と、リディアは笑いながら羊を抱きしめた。
「決まりだね!」と、リディアは羊を大切に抱えたまま、名付け親として満足そうに微笑んだ。
「これからは『メリーちゃん』。よろしくね、メリーちゃん。」
羊は嬉しそうに「メェー!」と鳴き、リディアの腕の中で丸まった。どこかほっこりとした温かい気持ちが、部屋いっぱいに広がるようだった。
リディアはベッドに寝転び、ふと天井を見上げた。羊のメリーちゃんがリディアの胸元で眠っている。
今日は一日、冒険に次ぐ冒険をこなし、体も心もくたくたになっていたけれど、明日のことを考えると何だかワクワクしてきた。
「さて、これからどうしようかな。」
リディアは頬杖をつきながら考え込む。街には戻れないし、気軽に安心できる場所もない。
しばらくはダンジョン支部で宿泊することになるだろうけれど、冒険者たちが出入りするこの場所ではどうしても落ち着かない。何かもっと、私だけの、隠れ家みたいな場所が欲しい。
その時、ふと頭にひらめいた。あの部屋のことを思い出したのだ。
「そうだ!あのドラゴンの皮があった部屋、あそこを私の部屋にしちゃおう!」
リディアはパッと目を輝かせた。あの部屋はダンジョンの正規ルートから外れた隠し通路の先にあって、誰も入らないし、もちろん冒険者たちも気づいていないはずだ。
リディアはベッドから飛び起き、メリーちゃんを軽く手で撫でてから立ち上がった。「秘密基地、秘密基地…あそこなら、誰にも邪魔されないし、安心できる場所になるわ!」
しばらくそのままダンジョンのことを考えていたリディアは、もしかしたらあの場所こそが自分にとって最高の拠点になるかもしれないと思い、心を決めた。
「よし、今度の日曜日には早速荷物を運んでこよう!」
リディアは決意を固めると、手元にあるポーションや道具を整理し始めた。次の計画が決まると、これまでの疲れが一気に取れたような気がして、心地よい安堵感が広がっていく。
「だれにも邪魔されず、のびのびとポーション作りや冒険ができるなんて、最高だわ!」
リディアは笑顔を浮かべながら、ベッドに戻り、メリーちゃんを再び抱き寄せた。
自分だけの場所で、これからどんな冒険が待っているのか、楽しみで仕方がなかった。
「メリーちゃんも、これからずっと一緒だよ。よろしくね!」
リディアは羊に語りかけ、少しだけ目を閉じると、穏やかな眠りに落ちていった。
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