脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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再びの廃墟の街

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秘密基地のリビングは、いつもと変わらず穏やかな時間が流れていた。
リディアはふかふかのクッションに身を沈め、メリーちゃんの綿菓子毛を抱きしめながらお昼寝を楽しんでいた。タフィーちゃんはその足元でぷるぷると動きながら、リディアの膝の上に乗るタイミングをうかがっている。

「ん……もうちょっと……」
リディアは目を閉じたまま寝ぼけた声を漏らし、柔らかな毛に頬をすり寄せた。そのとき、テーブルの上に置いてあった魔法の地図がふわりと浮き上がり、カサカサと音を立てて動き始めた。

「んん? 地図さん、どうしたの?」
リディアが目をこすりながら起き上がると、地図は星の欠片が置かれた棚の方をちらりと示し、次の瞬間、廃墟の街を指し示した。「行こうよ!」とでも言いたげに、地図の上で矢印が勢いよく動いている。

「廃墟の街……また何かあるのかな?」
リディアは興味津々な様子でメリーちゃんとタフィーちゃんに声をかけると、二人もそれぞれ「メェ!」「ぷるぷるん!」と元気よく応えた。

廃墟の街に到着すると、そこは以前訪れたときと同じく、静寂に包まれていた。古びた建物が立ち並び、かつての栄華の跡を残しながらも朽ち果てている。しかし、リディアは胸の奥に高鳴る期待を感じていた。

「地図さんが示してくれたんだもの。何か素敵なことが起きるに違いないよね!」
リディアの言葉に応えるように、メリーちゃんは得意げにふわもこ毛を揺らしながら綿菓子の中から星の欠片を取り出した。

「よし、これで……広場の中心に行こう!」
リディアは星の欠片を両手に抱えながら広場へ向かい、中央に立つと高く掲げた。星の欠片は眩しい光を放ち、その光が瞬く間に街全体に広がっていった。

光が広がると同時に、街が目覚めるように変化を始めた。

公園の片隅にあった古びたアスレチック遊具がピカピカに再生され、木製のブランコや滑り台が美しい色を取り戻す。滑り台の上には小さな星の模様が浮かび上がり、遊び心が加わっていた。

旧店舗の建物も次々と蘇り、壁の剥がれていた看板や飾り窓が元の輝きを取り戻していく。風に揺れるカーテンが見えるたびに、リディアは「素敵だね!」と声を上げて喜んだ。

広場の端にあった石造りのオブジェも、まるで新しい命を吹き込まれたように彩りを取り戻した。複雑な仕掛けが動き出し、からくりオルゴールのように音を奏でながら回転を始めた。

「すごい……街全体が生まれ変わってる!」
リディアは目を輝かせながら声を弾ませた。

メリーちゃんは「メェ!」と鼻をひくひくさせながら、次々とピカピカになったオブジェや施設を綿菓子毛に収納していった。その仕草があまりにも楽しそうで、リディアは思わず笑みを浮かべる。

「全部持って帰れるなんて、さすがメリーちゃんだね! 秘密基地がもっと楽しくなりそう!」
一通り収納を終えると、魔法の地図が再び光りながら次の地点を指し示した。今度はダンジョンの正規ルートにある水中エリアだった。

「なるほど、このピカピカをあの水中エリアで使うのね!」
リディアは手を打ち、冒険者たちの顔を思い浮かべながら微笑んだ。

「よし、次は水中エリアだよ! メリーちゃん、タフィーちゃん、準備はいい?」
メリーちゃんはふわもこ毛を揺らし、タフィーちゃんは小さく弾みながら答えた。

ピカピカになった宝物とともに、次なる冒険に向かう準備が整ったリディアたち。水中エリアがどんなふうに変わるのか、期待に胸を膨らませながら、リディアは秘密基地への帰路についた。
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