脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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お菓子パーティー

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「ここ、こんなに素敵だったなんて!」

テーブルを囲んだ街の人々の中から驚きの声が上がった。

「私、この場所の噂は聞いてたけど、ただの廃墟って話だったのよ。まさかこんなふうに生まれ変わるなんて思わなかった!」
カップを片手にお菓子を頬張る女性が感動した表情を見せると、隣の男性も頷いた。

「確かに昔の廃墟のままなら、立ち寄ることすらしなかったかもなぁ。でも、こんな甘い香りに包まれる場所ならまた来たいって思うよ。どうやってこんなふうにしたんだ?」

その質問に、リディアは少し得意げに微笑んだ。
「これはね、メリーちゃんとタフィーちゃんが頑張ったおかげなの! それと、ちょっとだけ星の欠片の力も借りたんだよ!」

リディアがそっとメリーちゃんとタフィーちゃんを指し示すと、二匹は注目を浴びたことに気づいて、それぞれ反応した。メリーちゃんは誇らしげに「メェ!」と鳴き、タフィーちゃんはぷるっと跳ねて甘い香りを漂わせる。

「まぁ、なんて可愛らしいの!」
「こんなにすごい力を持っているなんて驚きだ!」
街の人々は一斉に感嘆の声を上げ、子どもたちはタフィーちゃんを追いかけて笑い声を上げながら駆け回った。

広場の中央に置かれたチョコレートのお城やお菓子の家々は、それぞれに魅力的な仕掛けがあった。お城の壁を触ると、濃厚なチョコレートの香りが広がる。家の窓枠はカラフルなキャンディーでできていて、光を反射してキラキラと輝く。

一人の子どもが「これ、食べてもいいの?」と尋ねると、リディアは笑顔で答えた。
「もちろん! でも、全部食べちゃったら形が崩れちゃうから、少しだけね!」

すると、大人たちもおそるおそるお菓子に触れて味見を始め、次第に和やかな雰囲気が広がっていった。

アラニスは少し離れたところからその光景を眺めていたが、ふとリディアに近づいて微笑んだ。
「リディア、あなたのおかげでこんなにみんなが笑顔になってるわ。あなたって本当に不思議な子ね。」

「えへへ、そんなことないよ!」
リディアは照れくさそうに笑いながら、アラニスにチョコレートでできたカップに注いだ温かいミルクを差し出した。

「それより、みんながこんなに楽しんでくれて嬉しい! メリーちゃんとタフィーちゃんも頑張った甲斐があったよね!」

ふわふわ毛を揺らすメリーちゃんと、甘い香りを漂わせるタフィーちゃんがリディアの言葉に応えるように動き回る。

日が暮れる頃、街の人々は「楽しかった!」と口々に言いながら廃墟の街を後にした。

リディアはメリーちゃんとタフィーちゃんを見つめながら、甘い香りが残る広場を見渡して微笑んだ。
「ふたりのおかげで、こんなに楽しい一日になったね。本当にありがとう!」

ピンクのふわふわ毛と、ぷるぷるのチョコレートボディがそばにある限り、どんな場所でも夢のような楽園にできる――そう確信しながら、リディアたちはまた新たな冒険を思い描いた。
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