脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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リスとの戦い

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通路の奥で、リディアはようやく貝殻の冠をつけたリスを見つけた。
「見つけた!」
リディアは指を指しながら叫ぶと、リスはピクリと耳を動かし、こちらを振り返った。

冠を頭に乗せたリスの姿は、なぜか少し誇らしげにも見える。その自信満々の態度に、リディアはますます怒りが湧いてきた。

「それ、タフィーちゃんの大事な冠なんだからね!返してもらうよ!」

リディアの声に、リスはしばらく考えるように首を傾げた後、突然その場でピョンと跳ねた。そして、まるで挑発するかのように冠を揺らしながら、リディアに向かって突進してきた。

「えっ、くるの!?ちょ、ちょっと待って!」

リスは素早い動きでリディアの周りを駆け回り、リディアは混乱しながらも必死に追いかけた。
「もう、逃げないでよ!」
リディアは両腕を広げてリスを捕まえようとしたが、リスは素早く後ろに跳ねて回避。

「うぅ……こうなったら――!」
リディアは思い切って前に飛び込むようにしてリスに突っ込んだ。小さな体同士のぶつかり合いが始まった。

リスは小さな爪でリディアを押しのけようとするが、リディアも負けていない。
「ちょっとくらい痛くても、私は諦めないんだから!」
必死にリスの動きを封じようと、彼女は両手でリスの体を押さえつけた。

リスが身をよじって抵抗する中、リディアは冠を掴むチャンスを伺った。
「これがタフィーちゃんの冠だってこと、ちゃんとわかってるの?返してよー!」

リスが一瞬動きを止めたその隙に、リディアは勢いよく冠を引っ張った。

「取ったー!」
リディアは手にした貝殻の冠を掲げ、勝利の笑顔を見せた。リスは少し驚いた顔でリディアを見つめた後、ふてくされたように尻尾を振ってその場から去っていった。

「ふぅ、初めての肉弾戦だったけど、なんとか勝てたよ!」
リディアは小さな体で息を切らしながら冠を眺めた。冠は少しだけ砂で汚れていたが、それでもしっかりと輝きを放っている。

「これでタフィーちゃんに返せる!さぁ、帰ろう!」
満足げに笑ったリディアは、通路の出口へと向かって歩き始めた。

リディアは冠をしっかりと握りしめながら、小さな体で通路を駆け抜けていた。

「タフィーちゃん、メリーちゃん、待っててね!ちゃんと取り返したよ!」

出口に近づくにつれて、通路が少しずつ明るくなり、外の光が差し込んできた。穴の出口に到着すると、そこには心配そうに待っていたメリーちゃんとタフィーちゃんの姿があった。

「ただいまー!」
リディアが元気よく手を振ると、メリーちゃんが「メェ!」と嬉しそうに鳴きながら駆け寄ってきた。ふわふわ毛がリディアの小さな体を優しく包み込む。

タフィーちゃんもぷるぷると跳ねながらリディアの元に寄り、冠をじっと見つめていた。その様子に、リディアはにっこりと笑って冠を掲げた。

「ほら、タフィーちゃん!ちゃんと取り返してきたよ!やっぱりこの冠がないと落ち着かないよね?」

タフィーちゃんは嬉しそうにぷるっと震え、リディアが冠をそっと乗せてあげると、さらに誇らしげに見えた。

「ふぅ、ようやく一件落着だね。リスに取られたときはどうなるかと思ったけど、無事に解決して良かった!」
リディアは小さな体をメリーちゃんのふわふわ毛に預け、疲れた様子で微笑んだ。

メリーちゃんがそっとリディアの肩を支えるように寄り添い、ふわふわ毛で優しく包み込んでくれる。タフィーちゃんもリディアのそばに寄り添い、リディアを癒すようにその甘い香りを漂わせていた。

「でも、もうちょっとこの体じゃ大変だから、早く元の大きさに戻らなきゃね!」
リディアは笑いながら、ポーチの中から元に戻るためのポーションを探し始めた。

「これでまた、みんなで秘密基地に帰れるね!」
その言葉に、メリーちゃんが「メェ!」と元気よく鳴き、タフィーちゃんもぷるぷると同意を示した。

秘密基地に戻ったリディアは、ふわふわのラグに腰を下ろしながら大きく伸びをした。

「ふぅ~、やっと帰ってこれた!タフィーちゃん、冠を無事に取り返せて良かったね!」
タフィーちゃんは誇らしげにぷるっと震え、冠を揺らしながら甘い香りを漂わせた。それを見て、リディアは満足げに微笑んだ。

「さてと、みんなのアクセサリーをちゃんとしまっておこう!」
リディアは秘密基地の棚から小さな宝物入れを取り出すと、一つずつ丁寧に貝殻のアクセサリーをしまい始めた。

「この冠はタフィーちゃん用、メリーちゃんのネックレスもここに入れて……」
リディアは慎重に手を動かしながら、それぞれのアクセサリーを宝物入れに並べた。

メリーちゃんがリディアの隣にふわっと座り込み、「メェ」と優しく鳴いて見守る。

「これでみんなの思い出がちゃんと守られるね!海での貝殻ひろいも、リスとの追いかけっこも、すっごく楽しかったなぁ。」
リディアは宝物入れをそっと閉じると、棚にしまって安心したように微笑んだ。

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