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第三章 もうひとりのリク
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(この姿をクラスのみんなに見て貰ったら……どう言うだろう?)
リクの頭にふとその考えが浮かびました。
この美しい姿をみんなに見て欲しい。
だって、これが『本当の私』なんだから。
でも……。
「やっぱり、ダメだよね……」
だって、自分はハーレンスト家の後継ぎ。
いつでも『男』でなければならないんだから。
リクは、溜息を吐いて寝巻きに着替え直しました。
翌朝。
「おう、リク!」
登校途中、肩をポンと叩かれました。
「ジクル……」
二人は並んで歩きます。
「何だか、お前と話すのも、久しぶりだよな」
「そうかな……」
「そうだよ。だって、お前、この頃ずっと愛しの彼女のことしか頭になかったろ?」
「愛しの彼女!?」
思わず叫ぶリクに、周囲の視線が集まります。
それに気づいたリクは声を潜めました。
「彼女って何? どうしてそんなことになってんの?」
「とぼけんなって。お前、ミクと付き合ってるんだろ」
「いや、違……ミクとはそんなんじゃ……」
「隠さなくていいって。二人で洞窟の中入って行くん見た奴もいるし、もうみんな知ってるぞ」
(しまった……)
リクは思いました。
自分の心は少女なので、勿論ミクをそんな目で見たことはありません。
でも、ミクとの関係を知られたら……やはりクラスメイトがそういう目で自分達を見ることは避けられないのです。
「まぁ、お前ら、お似合いだと思うぜ。ミクの家も、名高い貴族『ルームル家』なんだしよ」
ジクルはニッと笑います。
正体を明かすことをできないリクは、黙って俯くことしかできませんでした。
リクの頭にふとその考えが浮かびました。
この美しい姿をみんなに見て欲しい。
だって、これが『本当の私』なんだから。
でも……。
「やっぱり、ダメだよね……」
だって、自分はハーレンスト家の後継ぎ。
いつでも『男』でなければならないんだから。
リクは、溜息を吐いて寝巻きに着替え直しました。
翌朝。
「おう、リク!」
登校途中、肩をポンと叩かれました。
「ジクル……」
二人は並んで歩きます。
「何だか、お前と話すのも、久しぶりだよな」
「そうかな……」
「そうだよ。だって、お前、この頃ずっと愛しの彼女のことしか頭になかったろ?」
「愛しの彼女!?」
思わず叫ぶリクに、周囲の視線が集まります。
それに気づいたリクは声を潜めました。
「彼女って何? どうしてそんなことになってんの?」
「とぼけんなって。お前、ミクと付き合ってるんだろ」
「いや、違……ミクとはそんなんじゃ……」
「隠さなくていいって。二人で洞窟の中入って行くん見た奴もいるし、もうみんな知ってるぞ」
(しまった……)
リクは思いました。
自分の心は少女なので、勿論ミクをそんな目で見たことはありません。
でも、ミクとの関係を知られたら……やはりクラスメイトがそういう目で自分達を見ることは避けられないのです。
「まぁ、お前ら、お似合いだと思うぜ。ミクの家も、名高い貴族『ルームル家』なんだしよ」
ジクルはニッと笑います。
正体を明かすことをできないリクは、黙って俯くことしかできませんでした。
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