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第四章 ダンスパーティー
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次の日から、リクとミクの関係はぎこちないものになっていました。
お互い目が合っても、気まずく目を逸らします。
「お前ら、何かあったのか?」
ジクルが心配して聞いても、リクは何も答えられませんでした。
(やっぱり、ミクと踊るべきだったんだろうか……)
リクの心は晴れません。
でも、ダンスパーティーでは、初めて『本当の自分』でいることができる……。
それはリクにとっては夢のようなことで、どうしても自分の意志を曲げることは出来なかったのです。
ダンスパーティーの前の晩。
リクは屋敷の皆が寝静まった後に屋根裏部屋に忍び込んであの箱を開け、金髪のカツラと赤いドレスを取り出しました。
心臓は口から飛び出しそうなほどにバクバク鳴ります。
(私は明日、『本当の自分』でいることができる。この美しい姿をみんなに見せることができるんだ……)
リクは、かつらを付けた美しい『本当の自分』の顔をじっと見つめていたのでした。
興奮して眠れないままに迎えた翌日の朝。
「リク。そんな大きな鞄、一体何が入ってるんだ?」
大荷物を持って家を出るリクを、ミルトンが不審そうに見ました。
リクは、ビクッとします。
「い、いえ。今日は学校で一年に一回のダンスパーティーなので、このシャツの上から羽織るタキシードを持って行くんです」
咄嗟に嘘をつきました。
「たまにはそういう息抜きもいいかも知れんが、お前はハーレンスト家の後継ぎ。
飽くまで学業と武術、笛術が優先だということを忘れるんじゃないぞ」
厳かな顔で言うミルトンから逃げるように、リクは学校『フルート』へ向かいました。
(今日一日だけ……今日一日だけなら、いいわよね)
リクは、自分を納得させるように何度も心の中でそう呟いていたのでした。
お互い目が合っても、気まずく目を逸らします。
「お前ら、何かあったのか?」
ジクルが心配して聞いても、リクは何も答えられませんでした。
(やっぱり、ミクと踊るべきだったんだろうか……)
リクの心は晴れません。
でも、ダンスパーティーでは、初めて『本当の自分』でいることができる……。
それはリクにとっては夢のようなことで、どうしても自分の意志を曲げることは出来なかったのです。
ダンスパーティーの前の晩。
リクは屋敷の皆が寝静まった後に屋根裏部屋に忍び込んであの箱を開け、金髪のカツラと赤いドレスを取り出しました。
心臓は口から飛び出しそうなほどにバクバク鳴ります。
(私は明日、『本当の自分』でいることができる。この美しい姿をみんなに見せることができるんだ……)
リクは、かつらを付けた美しい『本当の自分』の顔をじっと見つめていたのでした。
興奮して眠れないままに迎えた翌日の朝。
「リク。そんな大きな鞄、一体何が入ってるんだ?」
大荷物を持って家を出るリクを、ミルトンが不審そうに見ました。
リクは、ビクッとします。
「い、いえ。今日は学校で一年に一回のダンスパーティーなので、このシャツの上から羽織るタキシードを持って行くんです」
咄嗟に嘘をつきました。
「たまにはそういう息抜きもいいかも知れんが、お前はハーレンスト家の後継ぎ。
飽くまで学業と武術、笛術が優先だということを忘れるんじゃないぞ」
厳かな顔で言うミルトンから逃げるように、リクは学校『フルート』へ向かいました。
(今日一日だけ……今日一日だけなら、いいわよね)
リクは、自分を納得させるように何度も心の中でそう呟いていたのでした。
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