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第七章 天使と悪魔
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ルームル邸の前の海岸。
幼いミクは笛に口をつけます。
純粋な音色は美しく、蒼く澄んだ海に吸い込まれてゆくようでした。
「ふふ、ミク。あなた、本当に上手ね」
金色の髪に蒼い瞳。
透き通るような白い肌……まるでミクをそのまま大きくしたような、美しいマリンナは目を細め、微笑みました。
首元には、美しいサファイアが光っています。
「ねぇ、ミク。お父様は、いつもあんなことを言うけれど……あなたは、いつでも希望を持って生きなさい。そうすれば、きっと、この偉大なる海の神、『ポセイドン』を呼び出せるようになれる」
「ポセイドン?」
ミクは不思議な顔をしました。
「ええ。海の全てを支配し、海の生命全てを司る。
ねぇ、ミク。『海』は、何よりも大きい『希望』を持ってるのよ」
さらに不思議そうな顔をするミクを見て、マリンナはにっこりと笑いました。
「そんなことを言っても、ミクにはまだ分からないわよね。さぁ、ミク。もっと、もっと吹いて、私にその綺麗な音を聞かせてちょうだい」
「うん!」
ミクは無邪気に笑い、また笛に口をつけたのでした。
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「夢……」
朝、目が覚めたミクは呟きました。
「下らない。何が『希望』よ」
ミクは美しい瞳を細め、眉間に皺を寄せました。
ミクがよく見る夢。
母のマリンナとの思い出の夢。
『希望』という言葉……。
それは、父、ミュリスの手によって汚れたミクにとっては、実に下らないものでした。
でも……
ミクは、鏡台の前にあるマリンナの形見、サファイアのネックレスに手を伸ばします。
海を見ている時……その時だけは、ミクは『あの頃』に戻れる。
そう。
母に愛されて、汚れを知らず天使のように純粋だった、『あの頃』に戻れるのでした。
ルームル邸の前の海岸。
幼いミクは笛に口をつけます。
純粋な音色は美しく、蒼く澄んだ海に吸い込まれてゆくようでした。
「ふふ、ミク。あなた、本当に上手ね」
金色の髪に蒼い瞳。
透き通るような白い肌……まるでミクをそのまま大きくしたような、美しいマリンナは目を細め、微笑みました。
首元には、美しいサファイアが光っています。
「ねぇ、ミク。お父様は、いつもあんなことを言うけれど……あなたは、いつでも希望を持って生きなさい。そうすれば、きっと、この偉大なる海の神、『ポセイドン』を呼び出せるようになれる」
「ポセイドン?」
ミクは不思議な顔をしました。
「ええ。海の全てを支配し、海の生命全てを司る。
ねぇ、ミク。『海』は、何よりも大きい『希望』を持ってるのよ」
さらに不思議そうな顔をするミクを見て、マリンナはにっこりと笑いました。
「そんなことを言っても、ミクにはまだ分からないわよね。さぁ、ミク。もっと、もっと吹いて、私にその綺麗な音を聞かせてちょうだい」
「うん!」
ミクは無邪気に笑い、また笛に口をつけたのでした。
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「夢……」
朝、目が覚めたミクは呟きました。
「下らない。何が『希望』よ」
ミクは美しい瞳を細め、眉間に皺を寄せました。
ミクがよく見る夢。
母のマリンナとの思い出の夢。
『希望』という言葉……。
それは、父、ミュリスの手によって汚れたミクにとっては、実に下らないものでした。
でも……
ミクは、鏡台の前にあるマリンナの形見、サファイアのネックレスに手を伸ばします。
海を見ている時……その時だけは、ミクは『あの頃』に戻れる。
そう。
母に愛されて、汚れを知らず天使のように純粋だった、『あの頃』に戻れるのでした。
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