FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十一章 ウィリアムの過去

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厳かで静かな旋律が部屋の中に響きました。
 二人の息はぴったりでした。
 笛の音が美しく絡み合い、部屋にいた人々の脳裏に映像を送り出しました。



 「な、なんてことだ！」

 「信じられない！」

 「ミクが…あのミクが…」



 先生方の間から、様々な驚嘆の声がわき上がりました。



 「もう良い！」



 校長先生の声で、リクとウィリアムは追想の笛をやめました。



 「校長…これで、リクとウィリアムの嫌疑は晴れましたね。」

 「は、はい…ハーレンスト様、バルロー様…この度のこと、本当に申し訳ありません！」

 校長を始めとし、そこにいた先生達は、皆、深くうなだれました。
それとは裏腹に、父親達は満足気に微笑みました。



 「ミクには然るべき処分を…任せましたぞ。」

 「は、はいっ！もちろんです！」

 校長は、深く頭を下げました。



 「良くやった、リク…それに、ウィリアム…とても素晴らしい笛術だったぞ。」 

 「ありがとうございます。」

 二人の様子に納得したように頷くと、ミルトンとウィリアムの父親は、部屋を後にしました。



 「リク、ウィリアム…教室へ行きなさい。」

 「はい！」

ウィリアムとリクは、晴れ晴れとした気持ちで、教室に向かって駆けて行きました。