FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十四章 悪魔の罠

９

＊



 「な、なんだって！」



ハンスは、すべてをリクとウィリアムに打ち明けました。
あまりにも大きな秘密なので、自分ひとりの胸におさめておくことが出来なくなったのです。



 「ハンス、冷静に考えろ。
 僕達を殺したら、君はここを退学になるだけじゃなく、刑務所に行く事になるぞ。
 二人も人を殺したら、君は絞首刑になるかもしれない。」

 「こ、絞首刑だって…！？
で、でも、自白剤と間違えたって言えば大丈夫だって、ミクさんが…」

 「そんなことで許されるわけないだろう！
ハンス、しっかりしろよ！」

ウィリアムの気迫のこもった声に、ハンスの顔色は青ざめました。



 「で、でも…ミクさんは言ったんだ。
この件がうまくいけば、僕をルームル家の婿に迎えてくれるって。
ルームル家と言えば、この国でも有数の貴族だ。
ルームルさんが言ってくれたら、警察に行く事もないんじゃないかな？」

 「ハンス…君は本気でそんなことを言ってるのか？
こう言ってはなんだが、ルームルさんが君みたいな名もなき貧乏貴族の息子を婿にすると思うかい？」

 「だ、だって…ミクさんが……」

 「いいかげん、目を覚ますんだ。
 君は、ミクに利用されただけだ。」

 「そ、そんな…そんなこと……」

ハンスは、険しい顔をして頭を抱えました。