FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十四章 悪魔の罠

１２

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 「な、なんだと！ミクが、お前たちを殺そうとしただと？」

 「なんと、恐ろしい…」

 「バルローさん、今からルームル家に押し掛けましょう！
うちの子供達は殺されかけたのですからな！」

ミルトンは怒りに顔を強ばらせ、立ち上がりました。 



 「お待ちください。」

 「なんだ、ウィリアム…」

 「そんなことを言っても、あのミクが素直に罪を認めるとは思えません。」

 「それはそうだが…そうだ、ハンスという者に証言させれば良い。」

 「お父様…それは無理です。」

リクがおずおずと呟きました。



 「リク…なぜだ？」

 「ハンスの記憶をすべて『喪失』の旋律で消し去ったからです。」

 「な、なんだと！？どうしてそんなことをした！
そいつは、ミクがおまえ達を殺そうとしたことを証明する、大事な証人なのだぞ！」

ミルトンは、リクの肩を感情的に揺さぶりました。



 「それは、そうなのですが…
彼は僕達のことを誤解していたばかりか、殺そうとまでした。
そのことでとても悩んでいましたし、信じていたミクに裏切られたことでも、深く傷付いていました。
だから…彼の気持ちを軽くしてあげたくて…」

 「この馬鹿者めがっ！」

ミルトンが振り上げた手を、ウィリアムの父親が制止しました。



 「ミルトン様…リクを叩くのはお止め下さい。
リクは心根の優しい、素晴らしい子ではありませんか。」

ウィリアムの父親にそう言われ、ミルトンは不機嫌な顔のまま、振り上げた腕をそっと降ろしました。