FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十六章 暗殺計画

１５

「リク・ハーレンスト。
 君のその首だが絞められたような跡があるな…君の首を絞めたのは、この男だな？」

 「……いえ、僕は…顔を見てません。」

 「なんだと！？良く見るんだ！」

リクは、カイルをじっと見つめました。



 「申し訳ありません。
でも…本当に見てないんです。」

カイルは、唇を噛み締め、リクを睨みつけました。



 「リク…怖がることはないんだ。
 私達がついている。
ほら…もう一度良く見て答えなさい。」

 「何度見ても同じです。」

リクははっきりとそう答えました。



 「どうした？リク・ハーレンスト…
笛術で何かされたのか？
そうか！『増幅』の術をかけられたんだな？」

 「いいえ、先生、違います。
 僕は、家の者が来てると言われ、裏庭に呼び出されました。
そこで、確かに首を絞められましたが、後ろからだったので僕はその者の顔を見ていないのです。」

 「だ、だが…先日、君の屋敷に押し入った侵入者を、君はカイルだったと言ったそうじゃないか。」

 「はい、ちらっと見てカイルに似てる気がしたのですが、今、じっくりと見たら、先日の侵入者もカイルではなかったことがはっきりしました。」



 先生の目を見て、キッパリとそう言い切ったリクを見て、カイルはとても驚いた表情を浮かべました。
 何か言いたげにその口元が小さく動き…そしてそのままカイルは俯いてしまいました。