FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十七章 真実を探しに

５

庭師は絶命しました。 
 異変に気付いた使用人が駆けつけた時…真っ赤な血だまりの中に、カイルとロザリーが茫然と座り込んでいました。



 二人の関係に気付いたピエールの犯行かと思われましたが、ちょうどその日は、隣町のいかがわしい店にいたことから、犯人ではないことが証明されました。



 部屋にいたのはカイルとロザリーの二人だけです。 
まだ子供のカイルがそんなことをするとは誰も考えませんでした。
ロザリーは虚ろな目をしてぼんやりとしているだけ…
結局のところ、犯人はわからず仕舞いのままに、揉み消されました。 



ロザリーは気がふれてしまい、やがて病院に入ることになり、ピエールとは離婚となりました。 
カイルは、そのままピエールと一緒に暮らすことになりました。
ピエールは、半年もしないうちに、若い貴族の女性と再婚しました。
 二人は、相変わらずカイルのことはほったらかしで、カイルは誰にも心を開かない内向的な少年に育っていきました。


 寂しい時…悲しい時…
カイルは、近くの森で笛を吹いていました。
それを聞いた神父様が、カイルの才能に気付き、ピエールにカイルをフルートにいれたらどうかと進言しました。
ピエールは、言われるままに、カイルにフルートの入学試験を受けさせました。
 神父様の目に狂いはありませんでした。
カイルはトップの成績で、フルートに入学したのです。