145 / 304
第十七章 真実を探しに
15
しおりを挟む
「噂以上だな…思わず聞き惚れてしまったよ。」
「良く言うぜ。」
カイルは、ウィリアムの言葉にそっと俯きました。
「本当だ。今まで、リクが一番うまいと思ってたけど…信じられない。リクよりうまい者がいるなんて…
カイル、今度はひとりで吹いてくれよ。」
「それは良いけど…その前にふたりに聞いてほしいことがあるんだ…」
カイルの顔が急に険しいものに変わりました。
「どうしたんだよ、真面目な顔して…」
「実は俺は……」
そこまで言うと、カイルは唇を噛み締め、言葉が途絶えました。
「言いたくないことなら、無理しなくても…」
「お、俺は、人殺しなんだ!」
カイルの告白に、リクとウィリアムは息を飲みました。
「カイル…そんな話はやめて。」
「いや…聞いてくれ。
あんたらに隠し事をしたくないんだ。
俺は…以前、フルートの教師・ルゼルを殺した…」
「それは…ルゼルが女生徒に酷いことをしたからだろ?」
カイルの瞳が大きく見開かれます。
「まさか、あんたら…」
二人はゆっくりと頷きました。
「……全部聞いた。」
「それを知ってて…俺が人殺しだと知ってて、あんたらは俺に親切にしてくれたのか?」
リクとウィリアムは、再び頷きました。
「なぜだ?なぜ、そんなことを…
それだけじゃない。
俺はリクを殺そうとした。
なのに、リクは俺をかばって…
どうしてなんだよ!」
カイルは、リクに詰め寄りました。
「カイル……僕は…君を信じているから…」
「え……」
リクをみつめていたカイルの瞳から、大きな滴がぽたりぽたりと零れ落ちました。
「良く言うぜ。」
カイルは、ウィリアムの言葉にそっと俯きました。
「本当だ。今まで、リクが一番うまいと思ってたけど…信じられない。リクよりうまい者がいるなんて…
カイル、今度はひとりで吹いてくれよ。」
「それは良いけど…その前にふたりに聞いてほしいことがあるんだ…」
カイルの顔が急に険しいものに変わりました。
「どうしたんだよ、真面目な顔して…」
「実は俺は……」
そこまで言うと、カイルは唇を噛み締め、言葉が途絶えました。
「言いたくないことなら、無理しなくても…」
「お、俺は、人殺しなんだ!」
カイルの告白に、リクとウィリアムは息を飲みました。
「カイル…そんな話はやめて。」
「いや…聞いてくれ。
あんたらに隠し事をしたくないんだ。
俺は…以前、フルートの教師・ルゼルを殺した…」
「それは…ルゼルが女生徒に酷いことをしたからだろ?」
カイルの瞳が大きく見開かれます。
「まさか、あんたら…」
二人はゆっくりと頷きました。
「……全部聞いた。」
「それを知ってて…俺が人殺しだと知ってて、あんたらは俺に親切にしてくれたのか?」
リクとウィリアムは、再び頷きました。
「なぜだ?なぜ、そんなことを…
それだけじゃない。
俺はリクを殺そうとした。
なのに、リクは俺をかばって…
どうしてなんだよ!」
カイルは、リクに詰め寄りました。
「カイル……僕は…君を信じているから…」
「え……」
リクをみつめていたカイルの瞳から、大きな滴がぽたりぽたりと零れ落ちました。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる