FREEDOM〜自由の世界へ〜

神師月一瑠

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第十七章 真実を探しに

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カイルが我に返った時……
そこにあったのは、血まみれで絶命しているミュルスと、それに取りすがって泣いているミクの姿でした。


 「お父様! お父様~!」


ミクの顔面は蒼白となり、必死でミュルスを揺さぶります。
しかし、ミュルスは微動だにしませんでした。


 (また……やってしまった)


カイルは真っ白になり、茫然としました。

やっと、自分にも心を許せる友達ができて、心に暖かい希望の光が射して……
それなのに、もう決して犯さないと心に決めていた過ちをまた犯してしまったのです。


 (俺……もう終わりだな)


カイルは一気に脱力しました。


その時です。

ミクが激しい憎悪の炎を灯した目でカイルを睨みました。


 「人殺し!」


カイルはミクの瞳を見てゾクっと背筋が寒くなりました。

そこには、カイルの知るミクはいない……ミクはさながら、憎しみの鬼となっていたのです。


 「俺は……この汚ない悪魔から、ミク…お前を守ろうとして……」

 「悪魔は、あんたよ! 私の愛するお父様を返してよぉ」


ミクは血で真っ赤に染まりながらも、動かないミュルスに顔を押しつけて泣き続けるました。


 「私の愛する…? 
ミク、お前……」


カイルはミクのあまりの発言に混乱しました。

 悪いのは、実の娘に手を出した父親、ミクはただ玩具にされていただけ……そう思っての行動でした。

しかし、目の前でミクは、実の父親を愛していたと、確かにそう言ったのです。 
 
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