174 / 304
第十九章 レインボー・エンジェル
19
しおりを挟む
*
(ここ……どこだろう? 私、どうしたの?)
ミクは、気付いた時には見覚えのない海辺に立ち尽くしていました。
(私、もうどうなってもいいやと思って、でも、気付いたら笛に口をつけていて、それで……)
それからの記憶がすっぽりと抜け落ちていたのでした。
その時でした。
海辺を馬が歩いてくる音が聞こえました。
「あれ……そこのお嬢さん、どうなさいました?」
ミクが見ると、そこには白馬に乗った凛々しい青年がいました。
その青年は陽の光にキラキラと輝いていて爽やかで……
ミクでも、少しドキッとしてしまうほどでした。
「どうしたか……それは、私にも分からない。気がついたら、ここにいたの」
ミクは青年を見つめました。
「ねぇ、ここってもしかして…死後の世界?」
ミクが瞳に憂いを浮かべると、青年は目を丸くしました。
そして……
「あはははは!」
腹を抱えて笑い始めました。
「何がおかしいの?」
突然笑い出した青年にミクが眉を顰めると、青年は軽やかに白馬から降りました。
「いやぁ、ごめんなさい。まさか、あなたみたいな美しい女性の口から『死後の世界』なんて言葉が飛び出すとは思わなくて」
そして、馬を引いてミクのもとへ近付きました。
「ここは、ライモンド大陸、レジット国。ドーリス海の海辺ですよ」
「何ですって!?」
ミクは仰天しました。
ライモンド大陸のレジット……
まさか、そんな所にいるなんて!
「どうされたんですか?」
青年が不思議な顔をして尋ねると、ミクは言いました。
「私……実は、バリーニャ国の人間なの。なのに、どうしてレジットなんかに……」
「何ですって!バリーニャ!?」
青年も大層仰天した様子でした。
「一体、何があったのか……覚えていることだけでも聞かせてもらえますか?」
青年が尋ねると、ミクは戸惑いながらも頷きました。
(ここ……どこだろう? 私、どうしたの?)
ミクは、気付いた時には見覚えのない海辺に立ち尽くしていました。
(私、もうどうなってもいいやと思って、でも、気付いたら笛に口をつけていて、それで……)
それからの記憶がすっぽりと抜け落ちていたのでした。
その時でした。
海辺を馬が歩いてくる音が聞こえました。
「あれ……そこのお嬢さん、どうなさいました?」
ミクが見ると、そこには白馬に乗った凛々しい青年がいました。
その青年は陽の光にキラキラと輝いていて爽やかで……
ミクでも、少しドキッとしてしまうほどでした。
「どうしたか……それは、私にも分からない。気がついたら、ここにいたの」
ミクは青年を見つめました。
「ねぇ、ここってもしかして…死後の世界?」
ミクが瞳に憂いを浮かべると、青年は目を丸くしました。
そして……
「あはははは!」
腹を抱えて笑い始めました。
「何がおかしいの?」
突然笑い出した青年にミクが眉を顰めると、青年は軽やかに白馬から降りました。
「いやぁ、ごめんなさい。まさか、あなたみたいな美しい女性の口から『死後の世界』なんて言葉が飛び出すとは思わなくて」
そして、馬を引いてミクのもとへ近付きました。
「ここは、ライモンド大陸、レジット国。ドーリス海の海辺ですよ」
「何ですって!?」
ミクは仰天しました。
ライモンド大陸のレジット……
まさか、そんな所にいるなんて!
「どうされたんですか?」
青年が不思議な顔をして尋ねると、ミクは言いました。
「私……実は、バリーニャ国の人間なの。なのに、どうしてレジットなんかに……」
「何ですって!バリーニャ!?」
青年も大層仰天した様子でした。
「一体、何があったのか……覚えていることだけでも聞かせてもらえますか?」
青年が尋ねると、ミクは戸惑いながらも頷きました。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる