FREEDOM〜自由の世界へ〜

第二十一章 報復

４

＊ ＊ ＊


 「ロバートさん……」

 「ジョセフィーヌ！」

ロバートのもとへ戻ったジョセフィーヌの瞳からは、涙が溢れて止まりませんでした。

 「ジョセフィーヌ……何があったんだ？」

 「ロバートさん、あのね…カイルが……」


ジョセフィーヌはロバートにバリーニャでの出来事を話しました。

バリーニャにいた、自分と瓜二つの男の子、リク……そして、憧れの従兄弟、ウィリアム。
カイルは、好きな女子、ミクを守るためにミクの父親を殺した……その罪で、自ら刑務所に入り、懲役五年を言い渡された。
そしてその時、自分はカイルのことを愛していたんだと分かったこと。


ジョセフィーヌは涙ながらに、ロバートに全てを話しました。

ロバートは何も言わず、ただただ、ジョセフィーヌの話を真剣に聞いていました。



 「そうか……」


ロバートは口を開きました。


 「ジョセフィーヌ。本当に、いい人と巡り会えたんだね」

 「えっ……」

 「カイルはきっと……君の幸せを想って、一緒に行動することで、罪人である自分が君の重荷にならないように、罪を償うことを選んだんだ」

 「ロバートさん……」


ジョセフィーヌの美しい瞳に、また涙が溜まりました。


 「ジョセフィーヌ。君には色々なことがあって……それに、長い旅で疲れているだろう。奥の部屋のベッドで、ゆっくりと休むがいい」


すっかり疲れていたジョセフィーヌは、ベッドにつくやいなや、ぐっすりと深い眠りについたのでした。