FREEDOM〜自由の世界へ〜

第二十三章 カイルの出所

２

「本当に久しぶりだね、カイル。また会えて、とっても嬉しい……」


 三人で座った木陰で、リクは茶色く澄んだ瞳に涙を滲ませました。


 「でも、どうして……刑期は五年だったと思うけど、早くない？」


 不思議そうな表情を浮かべるウィリアムを見て、カイルは幸せそうに目を細めました。


 「看守さんがとってもいい奴でさ。刑務所での態度が良かった俺の話を聞いてくれて、上層部に話して、期限つきだけど仮釈放してくれたんだ」

 「本当に！？ そんなこと、あるんだ！」


リクとウィリアムは、驚きに喜びの混じった声を上げたのでした。


 「それでさ。出たら真っ先に会いたいと思って。君達と、そして……」

 「ジョセフィーヌ？」


ウィリアムが悪戯そうに言うと、カイルは少し赤くなって下を向きました。


 「君は僕達なんかよりも、ジョセフィーヌに会いたくて堪らなかったんだろ？」

 「いや、そんな……」


 頬を染めながら顔を上げたカイルを見て、リクがにっこりと微笑みます。

すると、カイルは真っ赤になって下を向きました。


 「俺……刑務所で牢に入れられても、ずっとあいつのことが、頭から離れなかった。今、どうしてるんだろう……幸せなんだろうか、元気なんだろうかって」

 「まぁ、元気は有り余ってるよな。まるで、リクみたいに」

 「えっ？」


 苦笑いをするウィリアムに、カイルは不思議そうな顔をしました。

そんな二人を見て、リクは何かとても良いことを思いついたかのように、キラキラと輝く白い歯を見せました。


 「そうだ、カイル。仮釈放の期間、僕達と……ジョセフィーヌも一緒に、旅行に行こうよ。シュッレッサー城に手紙を出して、タラルで落ち合ってさ」