FREEDOM〜自由の世界へ〜

神師月一瑠

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第二十五章 交換条件

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「御冗談を……
僕が、レジットの国王に等、なれる道理がありません。」

 「……そうとも言えないのではないかな?
レジットの国王は亡くなったが、王妃・ミクはまだ生きている。
ミクを復位させ、君が、そのミクと結婚すれば、君はレジットの国王になれるじゃないか。
……どうだ?悪い話ではあるまい?」

 「……どうして、ミクが生きていると…?」

ウィリアムは、恐る恐る訊ねました。



 「それはさっき君が話したじゃないか。
それに、牢にいた者達が話しているのを聞いた。
確証はなかったが、彼らが話していたのは、やはりあのミクのことだったのだな。」

 「もうミクのことはそっとしておいて下さい。
 彼女はようやく穏やかな生活を手に入れたのです。」

 「穏やかな生活…?あのミクが…?」

 「ええ、そうです。
ですから、もうつまらないことはしないで下さい!」

ウィリアムの強い口調と視線に、マルクは言葉を失いました。
ただ、じっとウィリアムのことをみつめていました。



 「……ふふ。」

 不意に笑い始めたマルクに、ウィリアムは驚いたように目を見開きました。



 「……君の気持ちはわかった。
だが、私はレジットの再興を諦めない。
そのことだけは、覚えておいてくれ。
では、また。」

マルクは、デュークを伴い、部屋を出て行きました。

 
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